ロウバイが香りを放つと,きっちりそれに誘われて虫たちが訪れました。
キンバエの一種です。よく見ると,脚に花粉が付いて白っぽくなっています。目立つ昆虫なので,辺りに対する警戒心も強いのでしょう,それなりの機敏さが感じられる動きでした。それで,一層注意深く観察を続けました。

間もなく,一つの花に入っていきました。格好を見ていると,いかにも,蜜を舐め取っているといった感じです。時間をかけて,蜜を口にしていました。

別の花で見かけたのがケブカカスミカメです。体長は3~4mm 。出現期は3~10月なので,今の時期からすると早いといえるでしょう。このカメムシはまったく急ぐふうでもなく,思い切り蜜を吸っている様子でした。

最短距離から写したのが下の写真です。

口吻を撮りたくて,粘って撮ったのが下写真。 下向きに開いた花を,見上げる格好で撮りました。

そのうちに,花からゆっくり出てきました。口吻を伸ばして掃除をするしぐさが見えました。きれい好きなのですね。そんな瞬間を写したものが下写真です。小さいなりに,堂々とした姿勢であるところが,なんとも見事です。

花弁の間に,身を潜めるような格好で静止しました。触覚の長さは大したものです。これがアンテナになって,匂いを察知するのです。よく見ると,からだに花粉が!

すこし離れたところに蕾がありました。その一つが開きかけていて,訪れていたのが常連のツマグロキンバエ。ほんとうに,いろんな花に来る昆虫です。好き嫌いなしに,貪欲に蜜やら花粉やらを舐めるようです。したたかな生き方ができる昆虫と表現してもよさそうです。

こんなふうに,気にかけていれば,結構冬の昆虫にお目にかかれます。花がすくないだけに,昆虫の存在が際立って見えてきます。