へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

高校はどこにする

2011-06-05 23:12:27 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

応援団に来いと言われたものの、練習風景を見に行ったら結構ハードだった。
「あ…」
団部の中に見覚えのある顔が見える。
「あれは…」
そうだ、おばあちゃんのところの秀兄ちゃんだ。
「誰…」
鈴木のささやきに、
「またいとこだよ~。秀兄ちゃん、ここの高校生だったのか」
と答えた。
「めったに会ったことないから、あんまり知らないんだけど…」
「またとこっていうのは、そういうもんだろうけど…」
上田も泣きそうな顔をしていた。
「団部って言ったって、活躍の場ないじゃん、野球部弱いし」
「それがそうでもないらしいぞ」
と、背後から声がした。
「あ、先輩」
バスケ部の先輩だ。
「今年は強いんだってさ」
毎年、野球部の応援は中学校から行くんだけど、ぼくらの代はない。なぜなら、ぼくたちが入学早々しでかした騒動が原因だった。
「ま、いいんじゃない?高校入ったら、取り戻してもらうから」
うえ~、この後に及んで高校も孟宗に行くとは思ってないよ~。
「あ、まさか、進級しないつもりか?」
「そんなことないですよ~」
鈴木をはじめとしてみんなは首を振った。
誰だって、こんな状況に陥ったら進級したくなくなるよ~。
「孟宗学院高校こう~か~」
だから歌いたくないって…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする