こんばんは、へちま細太郎です。
明日から文化祭なんだけど、なんだか応援団騒動でしらけムードだった。
いつもなら鍋奉行みたいな中島教授は寝込んだままだ。
「面白い台本なんだけど、なんだけどねええ」
野茂は頭を抱えている。3年生になって野茂が頭を抱えないことはないくらいだ。
はるみは、ぼくと秀兄ちゃんがまたいとこと知って、
「なんで教えてくれなかったの」
と、文句たらたらだ。
「なんで、あたしが霞のお新なのよ」
知るかよ、一生そばやをやってろ、ばか。
「お銀じゃなかったの?」
と、たかのりに詰め寄れば、
「だって、おめえ、やだっていったっぺよ」
と、怒鳴り返された。
はるみのことより、何でぼくがうっかり八兵衛なんだよ。
「だけど、なんでたかのりが田吾作なんだよ」
「あいつ、食いすぎの胃下垂で痩せてたってきいたのに…」
田吾作の調理道具を振り回して、水戸黄門役となぜか忍術ごっこをするたかのりに、
「大物だなあ」
と、吾平どん役の野茂がつぶやいたのであった。
う~ん、世が世ならご家老様のお孫様らしいんだけどねえ、似合ってるよ。