こんばんは、へちま細太郎です。
朝のバスの中で、きいきいとはるみがうるさいのなんの。
「高校の先輩の滝沢さんってかっこいいよね」
「…」
「今まで応援団部って興味なかったんだけど、今回初めて練習見に行っていいなあって思った」
「…」
「ねえ、細太郎君、滝沢さんのメールアドレスきいといてくれないかなあ」
「…」
「細太郎くんてば」
「知るかよ」
知ってるけど、教えてあげないし、親戚だってことも教えてあげない。
「けち。でもさあ、なんとなく細太郎君に似てない?」
「…」
「なあんか、似てるところあるのよねえ」
「似てない」
と、突然キチローが声を張り上げた。
「あ?あんたなんかに聞いてないわよ」
また、始まった。あ~、カンに触る二人の声が。で、
「うっせんだよ、さっきからぴーちくぱーちく。そんなに知りたきゃてっめえが団部入ったらいいだろ~が」
と、怒鳴ってしまった。。。。
バスの中は全員呆然。
はるみは口をあんぐり。
「ほ、細太郎君、うそ、細太郎君がいけない言葉を使うなんて」
頬に両手をあてていやいやのポーズ。
ばかじゃねえかこの女。
誰と生活してると思ってんだよ。
「あ~あ」
僕は、窓に額をこすり付けて深いため息をついたのであった。
「ぼくも団部に入るからさああ」
まだ言ってら。