三十路毒男の明るい生活(今は五十路既男)

昔(毒男):釣り、海外旅行、買い物、料理を中心に綴った。
今(既男):コロナ禍3年間の駐在を終えて日本へ帰国。

「最悪」 追突された・・・。その3:被害車両の損害賠償請求

2006-03-28 | 雑記
 自賠責保険による医療費や慰謝料の請求準備は完了したので、いよいよ被害車両の損害賠償請求。相手が任意保険に入っていないので、とりあえずディーラーで見積もりを貰って、その後に交渉開始と考えた。

修理見積もり
 追突なので正面からの見た目は普通でも、後ろはぼろぼろ。バンパーやリアハッチだけでなく、排気系まで逝ってしまっている。しかも、部品が飛散するときに側面の塗装まで削ってくれている。そんなわけでだいたいの見積もりは以下の通り。

 修理代金:60万円  代車(小型車で修理期間中):4万円  事故による評価損:12万円 
 
 後はこの金額をかき集めて貰って、支払ってくれればよいのだけど、この手のことは電話で交渉するのは危険だ。そこで喫茶店で書面で交渉しようと思い、先方の都合を聞くべく電話。

交渉開始の電話
 ディーラーでの修理見積もりの話を切り出そうと思っていたら、いきなり
   1.知り合いの修理工場での修理(他の店では分割払いが難しい)
   2.代車は修理工場の軽自動車(レンタカーは高くて困る)
と切り出された。もともと、支払い面でやばそうな雰囲気があったので(人間としては全うな方のようだが、経済面が?)、ここで下手にごねると長期戦となって、追突車での通勤が続くので、この条件を飲むことにする。あとは修理の実際の段取りをすべく面会日時を決定。

先方との面会直前
 とりあえず修理が出来るので一安心と構えていると、直前になっていきなり先方から電話。むちゃくちゃ嫌な予感。すると近くに住んでいる勤め先の社長が修理の支払いを保障してくれるので、社長を交えてあって欲しいとのこと。まあ、支払い保障が得られるなら、その方が好都合なのでOKを出す。迂闊なことに、ここで面会場所の変更まで了承してしまった・・・。なんと支払い交渉の場はその社長の自宅。ついつい家の近所で知っている地名だから油断してしまった。これは大きな失敗(交渉ごとで相手の家は絶対に避けなくては・・・)。

 そこで今までの事故の内容、賠償請求額、過失割合(当然、こっちが0%)、修理の方法等を書面にまとめて、当日は署名だけで終わりに出来るように準備をしておく(口約束は怖いので、保険を一つかけておこう)。

交渉当日
 車に乗って、加害者について走っていくと、街をちょっと抜けてそろそろかなと思っていると、どうやら知っている地名でも山側の方らしい。どんどん人里離れた方に向かっている。完全に集落を通り越してるじゃないか!これはやばいなと思い(交渉決裂で山中に埋められたくないです・・・)、携帯を取り出して自分の向かっている場所を友達に言っておくことにする(脅された場合の切り札)。

 しかし、時は既に遅かった・・・。すっかり圏外。ますますやばい状況だ。まあ、事故は人身扱いで処理してあるし、友達には今日は加害者と交渉だと言ってあるし、何かあったら警察は直近の通話記録を電話会社で調べるはずだから、完全犯罪は難しいはず。これらが安心材料。何か加害者側にやられそうになったら、ここら辺を列挙することにしよう。でも、素直について行かずに逃げ出した方が賢いのではと思っていると、自宅?に到着してしまったようだ。

 っていうか、これは所謂「土建屋さんの事務所兼自宅」じゃないか。しかも山の中で周りは資材置き場。他に人家は見当たらない。工事車両はそろっているし、他人に聞かれることもないし、事を起こすには最高の場所だ。私の生涯で最大の失敗になるのかもしれない。頭の中に走馬灯が流れ出してきそうだ・・・。

交渉開始
 ここでチキンなところを見せると相手の思う壺なので、鷹揚に構えている振りをして事務所兼自宅に乗り込む。ソファーが置いてあるので、窓側をゲット。これで相手は逆光だ。微妙に心理的に有利になった気がする。と思っていると、向こうは社長を含め3人追加の合計4人。4対1の交渉。しかも敵陣だ。ここで激しく後悔(資材置き場に埋められたくない・・・)。
 今さら後には引けないので、予め準備しておいた「交通事故の覚書」と題して、事故の概要、賠償請求額、事故の過失割合、賠償の確約等を記した自家製の書類を愛用のグローブトロッターのウィリアム16インチから取り出し、相手に読むように促す。
 読み終わったところで、事実に相違ないか確認すると思いのほかあっけなく「間違いありません」との返事。さらには先方の社長が「うちの若いもんがすまんかった」と予想外にあっさりした進行。事故に関する覚書にも簡単に署名を貰ってしまいました。 
 当然、修理の段取りもそのままの流れで簡単に終了。社長の矢継ぎ早の電話で修理から代車として小型車のレンタカー(軽でなくてよかった!)の手配まで完了。なんか身構えて損した感じ・・・。あっけなく交渉は終わり無事に自宅に帰還。

 工事現場に埋められなかったし、また一つ経験が増えたので、めでたしめでたし。