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2011 12月のアンケートの総括

アンケートについてです。
今回も投票にご協力頂いた皆様ありがとうございました。

結果
第1位:豊臣秀吉の権勢の象徴「聚楽第」 30件 (44.8%)
第2位:八角九重塔があった「法勝寺」 9件 (13.4%)
第3位:その他(コメント付きで) 7件 (10.4%)
第4位:平安京の南の砦「羅城門」 5件 (7.5%)
第4位:高さ109m、相国寺の「七重大塔」 5件 (7.5%)
第4位:京の大仏こと「方広寺の大仏」 5件 (7.5%)
第7位:藤原道長の現世の浄土「法成寺」 4件 (6.0%)
第8位:坂本龍馬終焉の地「近江屋」 2件 (3.0%)

総評
作成した当初から「聚楽第の1位」はほぼ間違いないだろうと思っていました。
しかしここまでぶっちぎったのは意外でした。

「羅城門」は中間位ぐらいだろうと思っていました。

「法成寺」は、知名度にやや難があるため苦戦を予想していましたが、なかなかの善戦です。
しかし実際にあれば、かなりのインパクトだったと思います。

「法勝寺」は意外に頑張った方でした。
僕的には80mの八角九重塔より、109mの七重大塔の方が単純に高評価でしたので。
皆さんは全体像を想定されたのですね。
僕は巨塔に目を奪われすぎました(笑)。

ですから「七重大塔」は意外に伸びなかった印象でした。

「方広寺の大仏」も確かに見たいですが、京都にあってはやや地味な印象だったかもしれません。

最後の「近江屋」ですが、正直に言うと最後まで選択肢に入れるか迷っていました。
でもコメントにいかにも書かれそうだったので、入れておいた経緯があります。
実際はそうでもなかったのでしょうか(笑)。

コメントには、西寺、花の御所(これは構想時にありました)や焼失前の本能寺や金閣寺などもありました。

一応、何らかの形で名前が残っているものは外したので後者は外しましたが、同じような理由で僕が見たかったのは、
「万寿寺通にあった最盛期の萬寿寺」
です。

皆さんはお楽しみいただけたでしょうか。

僕は結果を見るたびに「ふ~~ん」とか、「そうそう」とか言いながら楽しませて頂きました。

今回もご協力ありがとうございます。
来月もよろしくお願いします!

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妙心寺11 特別拝観6 海福院(太秦・花園散策16)


写真は、本堂前庭の西側

場所は簡易地図を参照してください。

海福院は2011年の冬に特別公開されましたが、定期的な特別拝観はありません。
また2017年11/11、花園法皇忌での副席がこちらでありました。
福島正則が創建しました。

表門から入ると、右手に庭園、左手に庫裏があります。
庫裏から入り、右手に進むと方丈です。
今の方丈は桂春院の西向かいにあった韶陽院の庫裏を移築したもので、本来の方丈は今は等持院の方丈になっています。

方丈は4部屋からなります。
1番手前が6畳の「蘆雁の間」です。
襖絵が岸岱(がんたい)筆の蘆と雁であるため、そう呼ばれています。
こちらには“押入仕込茶室”があります。
妙心寺は大徳寺と違い、表向き茶道を推奨していなかったため、押入れの中に炉や茶道具一式が収まっています。
花園法皇忌の際は、こちらが待合でした。

前庭は苔と見事な松がきれいな庭園です。

さらに隣は室中です。
本尊は釈迦如来坐像ですが、遠くてよく見えません。
襖絵は狩野益信の“山水図”です。

室中の隣の部屋は花園法皇忌の際は、水屋になっていました。

さらに隣、1番奥の部屋は8畳間で、花園法皇忌の際はこちらでお茶席がありました。

長押には賤ヶ岳の戦いの7本槍といわれた福島正則の“槍”がありました。
また襖絵は狩野探幽の“猿回し図”です。
妙心寺法堂の雲龍図製作のために海福院に滞在していた狩野探幽が、酔った勢いで桐紋唐紙の襖に猿回しの絵を悪戯に描いたと云われています。
桐文の間によく見ると、墨で描いた後が見えます。
またこちらの前庭は苔のきれいな露地庭園のようです。

冬の旅では曾我蕭白筆、衣冠姿の紙本墨画「福島正則像」が展示されていました。

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大徳寺9(孤篷庵 総評)


写真左は孤篷庵(こほうあん)門前、右は今回の拝観からの推定見取り図。

2011年の非公開文化財特別拝観で9年ぶりに特別拝観がありました。

まず門前で拝観料800円を納め、石畳を歩き右の玄関に入ります。

玄関を入ると「本堂」です。
本堂南庭は平庭で、一見あっさりしていますが、左手の編笠門の前の檜に工夫があります。
地上の枝は刈り込まれ、地下の根の周囲は瓦で囲い檜が大きくならないように細工されています。
こうすることで枝に雪が積もると、牡丹の花のように見えるそうです。
この刈り込みを、「牡丹刈」といいます。

次に回り込んで、お待ちかねの京都3名席の1つ「忘筌席」です。
入ってすぐに目に付くのが、縁側の上半分に障子が張ってあり、で庭園が見えにくいのです。
しかしもちろんこれには理由があります。

忘筌席は西向きに窓があるため西日が射しこみます。まずはこれをカットするためです。
さらにここは小堀遠州にとっては自分の隠居所ですから、客人の都合は考慮していません。
つまり忘筌席の炉がある一番奥に座ると、そこからは庭園が十分に見える構造なのです。

また忘筌席の前庭には「露結」の手水鉢と、寄灯籠がこじんまりとあります。
寄灯籠は、複数の灯籠のよい部分を寄せ集めて1つにしたものだそうで、笠石は朝鮮、火袋は唐、竿石は天竺のものであるとも云われています。

襖絵は、狩野探幽の水墨画です。

さらに奥には書院の“直入軒”があるようでしたが、今回の拝観経路ではありませんでした。

何度でも行ってみたくなるところでした。

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