皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

八雲神社とおんな天王

2017-07-10 21:21:35 | 神社と歴史
先週末は羽生の夏祭りてんのうさまでした。羽生に勤務する事5年になりますが、仕事がらなかなか祭りをみることもできず、祭りの後通りを一人あるいています。祭りの前の熱気より、終わったあとの寂しさの方が味わい深く、私は好きです。
八雲神社の創建は天録三年。(972年)羽生領七十四村の鎮守とす、と例祭祝詞にあるそうです。ご祭神は須佐之男命。古くは牛頭天王と称したが、明治期に八雲神社に改称している。職場の地元の人に聞いてもみな、てんのうさまと呼んでいます。神社境内地は隣接の神明社とならび、商店街の通りから細い参道を入るためややわかりづらい位置です。(向かって左が八雲神社)
祭りのあとには市民プラザで神輿を見る事ができます。おんな天王様の由来です。
孝謙天皇の御代、村君地区に邑君大夫といふ村の長のところに加須の樋遣川の姫が嫁いだのち、年に一度里帰りをされました。この里帰りは、姫君の亡くなった後も「おかえり」といふ祭りとして語り継がれ、実際に加須の御室神社まで担がれたそうです。現在の神輿(おんな天王)は文政8年(1825)の建立と伝えられています。
祭典の間、各戸で麦藁を炊いて御神灯としたそうです。
ところで八雲神社の由来は、古事記の上巻須佐之男命の八俣大蛇神話にあります。大蛇を退治し、櫛名比売と夫婦となる際に歌を詠んでいます。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに
八重垣造る その八重垣を
日の本で初めての和歌だとされます。
新妻を得た喜びを雄しくおおらかに歌い上げたと称されます。
夏の空に浮かぶ雄大な雲にまで届く、神輿の掛け声が今年も響き渡りました。
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