
旧吹上町北新宿の山神社。JR行田駅から吹上方面に向かって一キロほどにあります。ここ数年で商業施設ができ、新興住宅が増えましたが、昔から元荒川左岸に位置し、自然堤防上に集落があったとされています。古くは忍領の太井村に含まれ、その太井村も熊谷市太井、門井、棚田(行田市)、そして新宿と別れました。明治期に同じ北埼玉郡に新宿村(蓮田市南新宿)があり、北新宿と改めているそうです。また読み方は「しんじゅく」ではなく、「しんしゅく」あるいは「しんしく」と濁らずに読むようです。

住宅地として周辺区域が開発され、見晴らしも様変わりしましたが、平成20年頃までは木々も多く、まさしく山神社といった感がありました。主祭神は大山祇神。

境内社として、浅間神社を祭祀していたことが見れます。昭和二十年頃までは鳥居には「正一位山神社」の篇額が掛かっていたそうです。恐らく土地柄荒川の洪水にも悩まされた処だったのでしょう。小高い塚に建てられた社殿は周辺区域の開発が進んだ今も、地域を見守るよう静かな佇まいを留めています。
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