今年の大河ドラマ「どうする家康」。三河の小国の跡取りから人質時代を経て、多くの家臣らと共に悩みながら太平の世を作り上げる生涯を丁寧にまた興味深く描いている。ドラマの中で信長、秀吉、そして家康がすでに交わりを持ち戦国の世を駆け抜けているが、後の三英傑とよばれる三者についてその性格を詠った句がよく知られている。「ホトトギス」の句である。
鳴かぬなら殺してしまえホトトギス
これは信長が短気で残忍な性格を表している。
鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス
これは秀吉が知恵者で行動力に長けたことを表している。
鳴かぬなら泣くまで待とうホトトギス
これは家康が天下取りの機会をじっとうかがっていたことを示している。
このホトトギスの句が広く知られるようになったのは江戸時代後期のことであり、平戸藩主松浦静山が随筆「甲子夜話」に引用してからとされている。もちろん本人が実際に読んだ句ではない。
それまでの価値観を打ち壊し、革新的手法で京に上った信長。身分的ハンデを乗り越え、己の才覚で立身出世を遂げた秀吉。古くからの価値観を大事にしながら機を待つ家康。
戦国のという大転換期を納めた人物を表す句は、今の時代にも多くのことを教えてくれる。
ホトトギスの句には続きがあって
鳴け聞こう我が領分のホトトギス
これは加藤清正の配慮を表したものだといい、
更に現代では松下幸之助が
鳴かぬならそれもまたよしホトトギス
と詠んでいるそうである。
鳥の鳴き声に人の生き方やものの道理を表現する日本人らしい一面で非常に興味深い。
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