皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

五月人形を飾るわけは

2022-04-19 20:35:40 | 風の習わし時を超え

風薫る五月。新緑が眩しい季節に欠かせないのが五月人形と鯉のぼり。
兜や弓、太刀を飾る意味については『端午の節句』の風習としてとらえられています。

端午の節句は元々古代中国の季節行事であり『五節句』の一つです。(七草、桃、端午、笹(竹)、菊)節句とは季節の変わり目という意味です。季節の変わり目には邪気が寄りやすいので、季節ごとにお供えをして厄を祓い無病息災を祈る風習がありました。

そもそも季節は春夏秋冬の四つととらえられていますが、昔の人は土用を含めた五季としてとらえ一年を七十五日前後で区切っていたそうです。
『人のうわさも七十五日』
ということわざの通り季節が変わればみんな忘れてしまうと信じられてきたのです。

現在の五月はさわやかな初夏ですが旧暦においては今の六月ですので所謂梅雨時期です。『端午』とは旧暦五月の最初の午の日を指します。

武家社会である鎌倉から室町時代には、この時期各武家では鎧や兜を出して家の中に飾る習慣があったそうです。梅雨時期の風通しのためでした。
端午の節句の鎧兜や武具の飾りつけの起源はここにあるそうです。
端午の節句の飾りつけは男の子を病気やけがなどの厄災から守り、立派に成長することを願う風習です。
もちろん平和な世の中であってほしい。しかし世界情勢を見ればわかる通り争いや戦いがない世の中は長く続かないことは歴史が教えてくれています。武具はいつの世も手放してはならず、平和のために自らを磨き供えることが大切だと鎧兜は教えてくれています。

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