皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

千の風になって

2017-06-09 21:27:39 | 記憶の片隅
結婚して十三年になりますが、結婚式にご列席頂いたかたで、昨年亡くなったかたがいらっしゃいます。
たまたま夫婦そろって休みだったため、今日は墓参りにいくことが出来ました。義父の会社の上司であったかたで、子供がいなかったこともあり、妻が子供のころから、可愛がってもらっていたようです。
昨年春に亡くなったことを義父が会社の知人経由でハガキで知り、いつかお墓参りしたいと言っていたのが、今日叶いました。結婚祝いに頂いた食器を改めて出していました。人生の節目には手紙や記念品をいただくなど、家族のように可愛がってもらったようです。奥様に先立たれため、お一人で暮らしているなか本当に気にかけて頂いたようでした。
人は死後どうなるのか。真っ暗な闇の中に、何も聞こえない、何も感じることのない世界があるのか、子供のころから、死んだ後のことを考える事が怖くて仕方なかった。今でも死ぬのが怖い。でも人は死んでも尚、思いを残す。頂いた手紙や記念品を見ながらそんなことを思いました。
人生という長い旅。いつ終わるのかは分からないことがほとんどで、しかも手にしているのは片道切符であることは間違いありません。今日一日を精一杯生きる。次の世代に思いを残す。そうした時間を積み重ねていきたいと思います。
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下岩瀬八幡神社

2017-06-08 20:37:07 | 神社と歴史
国道122号バイパス沿いに大型施設の工事が進んでいます。羽生病院が移転するようです。地域の中核病院ですので、多くの人々の感心を集めているようです。移転の経緯について様々なことがあったのでしょう。その南側にある八幡神社です。この地の岩瀬の地名は隣村砂山の当たりを流れる会の川によります。昔は流れも広く、また隣地区の小松は駒津が転じて地名となったように、古くは水の流れの豊かな地域だったことがわかります。
社記によれば、入江駿河守の屋敷の鎮守であったが、屋敷は潰れて神社のみが残ったとされています。祭神は誉田別命で、内陣に八幡大明神像を安置しています。弘化四年の三峰権現の石祠です。参道は長く境内地が広いのは、昔願掛けをして願いが叶い、寄進したものによるそうです。本殿近くに松の大木があり、戦時中まで願掛けを行ったとされます。一区画挟んだ須影の八幡神社には源頼朝の旗かけの松があったとされ、この地域の松の歴史の古さを物語っています。境内から眺めるクレーン車は願掛けの松の高さを大きくしのぎ、歴史の世界から現実へと引き戻されます。病院の移転後は、人の流れも多くなりのどかな田園風景も一変してしまうかもしれません。
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五月雨をあつめて早し

2017-06-07 22:10:52 | 心は言葉に包まれて
5月の暑さが嘘のように、あっという間に梅雨入りしました。テレビ朝日の朝の番組が好きで、林先生の言葉検定を欠かさず見ています。「梅雨」と書くのは梅の実が熟する頃の雨だからかという説や、カビが出やすい頃の雨で「黴雨」と言った説があるそうです。
旧暦の五月に当たり五月雨の言葉もあります。今ではだらだらと続く様子をさす言葉です。松尾芭蕉の奥の細道に「五月雨を集めてはやし最上川」の句がありますが、元は「集めて涼し」と吟ったところを推敲の上の差し替えたそうです。実際に船に乗って流れが早いことにたいそう驚いたことを伝えたかったようです。
肌寒さが戻り、じめじめした気候の中でも一つの言葉の表現を大切にする。
そんな毎日でありたいと思います。
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6月6日は楽器の日

2017-06-06 21:57:07 | 神社と歴史

本日6月6日は「楽器の日」だそうです。(全国楽器協会による)
「芸事の稽古ははじめは、6歳の6月6日に行う」という習わしに由来するそうです。この日から芸事を始めると、上達が早いといわれており、また数を指を折って数えると、六を数えたときに「小指が立つ」ことから、「子が立つ」と言われていたそうです。
 こうしたわずかな仕草や振る舞いが語源となって言葉や教えにつながるところが日本語の素晴らしいところのように思います。
 いつの時代も、親が子を愛でる気持ちに変わりわなく、その一番の喜びは「自立」であるように感じます。
娘がピアノを習いだしたのもやはり幼稚園年長に入るころだったように思います。
 楽器といえば音楽、芸能に通じ、神道でいえばアメノウズメにつながります。(天宇受売命)
 古事記の天の岩屋神話の中で、天照大御神が天の岩戸にお隠れになった際、神がかったように神楽を踊り狂って、アマテラスの気を引いたとされます。
後に天孫降臨の際に邇邇芸命に従って地上に降り立ち、芸能の神とされました。
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