ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

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安倍元首相の国葬、終わる…

2022-09-27 18:00:00 | 思うこと

安倍晋三・元首相の国葬が、本日執り行われた。
断片的にしか見られなかったが、長年安倍氏の官房長官を務めた菅義偉・前首相の弔辞が素晴らしかった。
2度目の首相立候補をためらう安倍氏を銀座の焼鳥屋で口説いたエピソードには、グッときた。

私は立場上、政治的言及は極力避けているが国葬そのものについての異論は当初から持っていない。ただ国葬をめぐっては、残念な事しか起きていない事が逆説的ではあるが残念であり、これで果たして安倍氏がうかばれるのか?という思いだ。

まず安倍氏の国葬の是非が、旧・統一教会問題にすり替わってしまった件。
これはもちろんマスコミのミスリードも含んでいるが、宗教団体そのものへの現政権の歯切れの悪さによるところが大きい。
言うまでもなく、与党として連立を組む公明党の支持母体が創価学会だからだが、
「これまでは統一教会から支持を受けていたのは事実ですが、もう支持を受ける事はしません」
となぜキッパリ言えないのか。

次に、国葬の設営が安倍氏のお仲間企業「ムラヤマ」の、事実上独占で行われた件。
ムラヤマとは日本テレビの100%子会社であり、「桜を見る会」を5年連続で設営してきた企業だが、通常公費の場合は業者を入札で行うべきところ今回の国葬で入札出来たのはムラヤマ1社だった、と報じられている。
なぜならその入札条件に、
〈過去5年以内に、皇族、内閣総理大臣、衆・参両院議長及び最高裁判所長官の全て又はこれと同等の出席があった式典等(要人等を含む1,000人以上が出席)における当該業務に類似する業務(企画・演出及び警備)を行った実績(1回以上)について〉
を明記せよとあり、これに記入出来るのはムラヤマだけだったのだ。
「モリカケ桜」に共通する、お仲間を儲けさせる安倍氏の構図は国葬にまで及んだようである。

賛否あれど、これだけの規模で行われながらG7のトップが誰も出席しないのは残念で、異論を封じ込める切り札として「安倍氏の外交実績」を訴えてきたのが正直空回りしているようにも思える。

さらに残念なのは、国葬反対を訴える一部議員やタレント。
誇らしげに「不参加」に○を付けた招待状をSNSにアップしていたが、見識を疑う。
同窓会の案内状じゃあるまいし、葬式を政争の具にするのは人としてどうかと思う。
(安倍晋三氏個人の葬儀は親族によって執り行われており、既に四十九日も過ぎているので厳密には『葬儀』ではないのだが)
不参加を記した招待状を見せびらかしていた政治家達は、安倍氏の訃報に際し神妙な表情で冥福を祈るコメントをしていた。
しかしあの見せびらかしで、あの表情もコメントも全てウソだったという事になる。
そのような浅はかな人達は、今後も決して民意を得る事はないであろう。

賛否あれど、憲政史上最長の在任期間でありながら非業の死を遂げた安倍氏は歴史に名を残す政治家である事は間違いないが、自らの没後に次々と起こったゴタゴタを、果たして安倍氏は天国からどのように見ているのだろうか…?