語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【本】「八重の桜」歴史ハンドブック ~NHK大河ドラマ副読本~

2013年05月05日 | 歴史
 2013年5月3日付け朝日新聞によれば、NHK大河ドラマ「八重の桜」が契機となって、新たな史実が掘り起こされた。例えば、八重の最初の夫、川崎尚之助の研究も大きく進んだ。
 川崎は、但馬国出石出身で、会津藩士ではなかった。籠城戦で逃亡した、という見方もあったが、近年発掘された史料によれば籠城戦を戦い抜き、東京にて謹慎後、会津藩士らとともに斗南藩へ移った。食糧調達のトラブルの責を負い、裁判の当事者となり、東京にて病死【注】。

 こうした新たな知見も盛り込んだNHK大河ドラマ副読本が『NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 八重の桜』。TVドラマはTVドラマの常として歴史的事実が簡略化されていて、この点が物足りない、という人に便利な本。
 著者は、同社大学神学研究科博士課程(前期)修了後、会津若松教会牧師を経て、新島学園短期大学宗教主任・准教授。「新島襄」「キリスト教入門」を講ずる。
 本書は、テーマごとに見開き1ないし2ページまたは1ぺージごとに記事をまとめてあるから、読みやすい。写真豊富、人物関係図あり年表あり、とざっと眺めるだけでも楽しい。ガイドブックだが、八重の生涯とその関係者、そして変転の激しい時代ををよく浮き彫りにして、頒価1,000円はお得な価格だ。
 本書の構成は次のとおり。

 (1)「ドキュメント 八重の生涯」と題し、八重の2つの人生を追う。写真豊富。
  第1部 幕末のジャンヌ・ダルク(会津編)
  第2部 明治のハンサムウーマン(京都編)

 (2)八重とその時代に対する多角的なアプローチ。
  (a)「明治のキリスト教」ほか、1ページ単位でキーワードを解説。
  (b)兄・山本覚馬および夫・新島襄の小伝。
  (c)(b)以外の関係者(男性)のミニ伝記(人物事典)。
  (d)関係者(女性)のミニ伝記(人物事典)。
  (e)幕末の会津藩研究(会津戦争)。
  (f)史蹟紀行(会津および京都)。
  (g)エッセイ2編(「幕末の会津と八重の戦い」「闘う女の一生 新島八重の生涯」)。
  (h)その他・・・・人物関係図、八重アルバム、コラム「八重異聞」。

 【注】記事「大河効果で新たな史実 研究成果、「八重の桜」に」(2013年月日付け朝日新聞)

□山下智子『NHK大河ドラマ歴史ハンドブック 八重の桜』(NHK出版、2013.1)

   

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