イチロー選手が宣伝する「ユンケル黄帝薬」(サトウ製薬)。
最近では女性用のユンケルも宣伝している。
しかし、妊娠中やこれから妊娠予定の女性にはおススメできない。添加物「パラベン」が含まれているからだ。
パラベン(別名パラオキシ安息香酸エステル類)は、日常生活で接する最も身近な環境ホルモン物質(内分泌攪乱化学物質)だ。9種類以上あるが、使用量の多いものは4種類。抗菌作用の強い順は、下から
ブチル→プロピル→エチル→メチル
となる。環境ホルモン作用の強さも同じ順番で強くなる、とされている。
日本では、表示はどの種類を使っても「パラベン」と表示される。だから、消費者はどの種類のパラベンなのかを知ることができない。
特にユンケルに配合されているブチルパラベンとプロピルパラベンは、動物実験で、妊娠中の母親ないし子どもの曝露で、生殖器の異常や、成人後の精子の生成量減少など重大な影響をおよぼすことが確認されている。
EUでは2006年に使用禁止。
食品添加物を評価する国際機関・・・・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)でも、ブチルパラベンは保存料としての使用を禁止している。
日本ではなぜ禁止しないのか?
厚生労働省や食品安全委員会によれば、「添加物の使用実態がないから」だそうだ。使われていなから急いで禁止するにおよばない、という考え方だ。
パラベン特にブチルやプロピルは、日本では食品添加物としての使用実態はないのは確かだ。
しかし、パラベンに係る対応が遅れているのが、指定医薬部外品の栄養ドリンクだ。「ユンケル」(ブチルとプロピル)以外にも武田薬品「アリナミン」(エチル)、エーザイ「チョコラBB」(エチル)に使用されている。
特に「ユンケル」は毒性の強いブチルとプロピルを使用しているので問題だ。ユンケルのお客様相談室は、「食品添加物の規格と使用基準に沿って使用していますので安全です」と説明する。
医薬部外品は個別商品を審査して承認する制度なので、そこで安全性も審査されているというのが建前だ。しかし、厚生労働省の医薬部外品主管部局では、一つ一つの添加物の安全性の評価、それも国際的に評価内容が変わったということまで踏まえての評価はしていない。栄養ドリンクなどの指定医薬部外品のリストすら作成されていない。
厚生労働省がもっとまじめに、2006年の段階でブチルとプロピルのパラベンの使用を禁止していれば、ユンケルは別の保存料に変わっていた可能性が高い。
サトウ製薬も悪いが、厚生労働省の不作為の罪も問われる事態だ。
11月15日の国際セミナーで講演したアンドレアス・コルテンカンプ・英ブルネル大学教授は、「EUやその他の国で施行されている化学物質規制の目的は、曝露が興る前に危険性を明らかにすることだ。私たちは危険性を予測して、実際の人々には危険な曝露が起こらないようにしたい」という。
しかし、日本の厚生労働省の態度は、危険性が予測され、世界中が動いていても動かない。目に見える形で被害が明白にならない限り決して動かないらしい。
□植田武智(科学ジャーナリスト)「佐藤製薬「ユンケル」は環境ホルモン添加物を使用中」(「週刊金曜日」2014年12月12日号)
↓クリック、プリーズ。↓

最近では女性用のユンケルも宣伝している。
しかし、妊娠中やこれから妊娠予定の女性にはおススメできない。添加物「パラベン」が含まれているからだ。
パラベン(別名パラオキシ安息香酸エステル類)は、日常生活で接する最も身近な環境ホルモン物質(内分泌攪乱化学物質)だ。9種類以上あるが、使用量の多いものは4種類。抗菌作用の強い順は、下から
ブチル→プロピル→エチル→メチル
となる。環境ホルモン作用の強さも同じ順番で強くなる、とされている。
日本では、表示はどの種類を使っても「パラベン」と表示される。だから、消費者はどの種類のパラベンなのかを知ることができない。
特にユンケルに配合されているブチルパラベンとプロピルパラベンは、動物実験で、妊娠中の母親ないし子どもの曝露で、生殖器の異常や、成人後の精子の生成量減少など重大な影響をおよぼすことが確認されている。
EUでは2006年に使用禁止。
食品添加物を評価する国際機関・・・・FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)でも、ブチルパラベンは保存料としての使用を禁止している。
日本ではなぜ禁止しないのか?
厚生労働省や食品安全委員会によれば、「添加物の使用実態がないから」だそうだ。使われていなから急いで禁止するにおよばない、という考え方だ。
パラベン特にブチルやプロピルは、日本では食品添加物としての使用実態はないのは確かだ。
しかし、パラベンに係る対応が遅れているのが、指定医薬部外品の栄養ドリンクだ。「ユンケル」(ブチルとプロピル)以外にも武田薬品「アリナミン」(エチル)、エーザイ「チョコラBB」(エチル)に使用されている。
特に「ユンケル」は毒性の強いブチルとプロピルを使用しているので問題だ。ユンケルのお客様相談室は、「食品添加物の規格と使用基準に沿って使用していますので安全です」と説明する。
医薬部外品は個別商品を審査して承認する制度なので、そこで安全性も審査されているというのが建前だ。しかし、厚生労働省の医薬部外品主管部局では、一つ一つの添加物の安全性の評価、それも国際的に評価内容が変わったということまで踏まえての評価はしていない。栄養ドリンクなどの指定医薬部外品のリストすら作成されていない。
厚生労働省がもっとまじめに、2006年の段階でブチルとプロピルのパラベンの使用を禁止していれば、ユンケルは別の保存料に変わっていた可能性が高い。
サトウ製薬も悪いが、厚生労働省の不作為の罪も問われる事態だ。
11月15日の国際セミナーで講演したアンドレアス・コルテンカンプ・英ブルネル大学教授は、「EUやその他の国で施行されている化学物質規制の目的は、曝露が興る前に危険性を明らかにすることだ。私たちは危険性を予測して、実際の人々には危険な曝露が起こらないようにしたい」という。
しかし、日本の厚生労働省の態度は、危険性が予測され、世界中が動いていても動かない。目に見える形で被害が明白にならない限り決して動かないらしい。
□植田武智(科学ジャーナリスト)「佐藤製薬「ユンケル」は環境ホルモン添加物を使用中」(「週刊金曜日」2014年12月12日号)
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