語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【保健】トマト2個で肺機能を守る ~「前」喫煙者にも効果~

2018年02月15日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)あまり意識しないが呼吸機能も30代から衰え始める。
 〈例〉息を思いっ切りはき出した際の「瞬間最大風速:ピークフロー」は年齢とともに減速し、肺活量や換気能力もじわじわ低下する。中高年以降にランニングや登山などきつめの有酸素運動がしんどくなるのは、心機能の低下に加えて、肺機能の衰えが影響するからだ。

 (2)心機能と食事の関係については多数の研究報告があるが、ここ数年、肺機能を改善する食事についての報告が増えてきた。総合すると、野菜や果物に含まれる抗酸化ビタミン──ビタミンC、D、Eとβカロテン、そしてリコピンやフラボノイドなどの「フィトケミカル」が肺機能の衰えにブレーキをかける成分のようだ。
 2017年末に報告されたドイツ・英国・ノルウェー3カ国の住民を対象とした疫学調査では、果物(リンゴ、バナナ、オレンジ、ナシ、ベリー類)、そしてトマトは肺機能の低下を抑えることが示された。
 同調査は、2002年に参加者680人(平均年齢43.8歳、男女比は1対1)について、食事の摂取状況と肺機能の検査値を調べ、10年後の数値と比較したもの。
 登録時、現役喫煙者は16.9%、過去1カ月間たばこを吸っていない前喫煙者が41%、非喫煙者は42.2%だった。

 (3)登録から10年後の検査では、肺機能は順調(?)に低下。しかし、果物類の総摂取量が多いほど衰えるスピードを抑えられることが判明したのだ。特に「生トマト」は、単独で有意に肺機能の低下を抑えた。生トマトの摂取量が1日1個未満の人は、1日2個以上を食べる人に比べ明らかに肺機能が衰えていたのである。
 研究者は「果物をたくさん含む食事は、加齢にともなう肺機能の衰えを抑える。たとえ喫煙歴があっても、肺のダメージを修復できるかもしれない」としている。
 ただ、前喫煙者が食改善で利益を得るには、果物を毎日3人前ほど食べる必要があり、少々きつい。一方の生トマトは一年中出回っていることもあり、ハードルが低そうだ。朝昼のサラダと夜の冷やしトマトで肺機能を守ろう。

□井出ゆきえ(医学ライター)「トマト2個で肺機能を守る/「前」喫煙者でも効果あり ~カラダご医見番・ライフスタイル編 No.385~」(「週刊ダイヤモンド」2018年2月10日号)
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【保健】前糖尿病患者は食習慣の改善を ~全国糖尿病週間~
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【保健】受動喫煙が歯周病リスクに ~ただし男性のみ~
【保健】貧乏ゆすりが命を救う? ~マナーより健康~
【保健】「高収入の勝ち組」の健康リスク? ~50歳以上の有害な飲酒~
【保健】照明用白色LEDのブルーライトは安全か?
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【保健】長時間労働は脳卒中リスク ~週41~48時間でも上昇~
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【佐藤優】大資本の進出で疲弊する地方の書店 ~インテリジェンス人生相談~

2018年02月15日 | ●佐藤優
 (1)『インテリジェンス人生相談』は、社会編と個人編の2冊が刊行されている。
 ここでは、社会編から一例を引こう。本書は紙上相談が主だが、これは電話相談である。
 相談者は、こうもりバット(ペンネーム)、男性、書店員、35歳だ。

 (2)こうもりバット氏は、今盛岡に住んでいるが、2年前まで秋田で自営業をしていた。親の代から60年間続いている店を継いだが、イオンが町に進出してから「町の風景」が変わった。商売がうまくいかなくなった。店をたたんだ。しかし、どうしてもその業界にいたくて、今は盛岡に来て働いている。
 秋田での仕事は何をやっていたのか、と佐藤は問う。
 当然の質問だ。職場は変わっても同じ業界で働きたいというほど、こうもりバット氏にとって魅力ある仕事を確かめておかねばなるまい。
 答は、書店業であった。

 (3)佐藤、「そうですか。盛岡のような都市部だと、大資本が進出してきますよね?」。
 秋田で店をたたむ原因となった社会事象は、盛岡でも見られるだろう、という問いだ。
 はたして、こうもりバット氏は同意していう。「そうですね、その中で戦いになっている状態です」
 そして、続ける。今一番悔しいのは、実家のすぐそばにあったイオンが撤退したことだ、と。もう少し頑張っていれば、店をたたまずに済んだのに・・・・。なぜ悔しいのか。こうもりバット氏も他の地元の人も、地域に対する責任といった気持ちだけで店を今まで経営してきたという思いがあるからだ。大資本が勝手にその土地を荒らしていくことに対して、悔しさがあるのだ。

 (4)佐藤は、こうもりバット氏の気持ちを肯定する。相談の核となる問題意識を肯定しなければ、先に進めない。
 「僕は、それがすごく重要だと思う。書店とか、そういう自営業というのは、その地域に貢献していくためにあるわけだし、土着の店が地域のためにやっているところへ、経済合理性だけで一見ちょっと安くて便利なものが入ってくると、世の中が滅茶苦茶になってくるんですよ」
 こうもりバット氏も、共通認識を有している。秋田でイオンが撤退したと聞いて、結局彼らは地域に対して何も責任は持たない、と思ったのだ。悔しい、このままでいいのか、という思いが強く湧いて、この点を佐藤に聞いてみたいと「人生相談」したのだ。

 (5)佐藤の返事は、大枠のところではやはり政治家が変えなくちゃいけない、というものだ。
 こうもりバット氏、「うちは小さな町だったんですけど、この町の行政も、口では『地方で、地方で』と言いながらも、結局は大手の方に流れていくというありさまでした。それは経済の流れとして仕方ないと思うんですけど、例えば、人口30万の盛岡という都市のコミュニティの中で、『自分たちはこの地域で生きているんだ』という誇りみたいなものを持つ方法が、何かないのかなと思って」
 ちょっとものわかりがよすぎる感じもするが、地方都市というコミュニティといったテーマは、きわめて今日的なものだ。例えば、広井良典は、持続可能な福祉社会というコンセプトからコミュニティにアプローチしている(広井良典/小林正弥編著『コミュニティ』、勁草書房、2010)。

 (6)しかし、佐藤はあくまで政治に固執する。しかも、政治家に。
 佐藤は、達増岩手県知事に手紙を書いてはどうか、と助言する。達増知事とは二、三度会ったが、彼は地域振興を本当に一生懸命考えている、と。そして、具体的に指嗾するのだ。簡易書留にして知事宛に送れば、知事は絶対目をとおすから、それから面会すればよいのではないか・・・・。
 (元)国家公務員の発想である。
 こうもりバット氏、「そうですね」と相槌をうつだけにとどめている。文面だけではわからないが、いくぶん鼻白んだのではあるまいか。
 佐藤はしかし、たたみかける。「それで、具体的に何ができるかということだけど、やはり、知事はかなり情報も持っているし、解決法を考えているんですよ。それでも、そういう草の根のところで、地域のために一生懸命やろうとしている事業者の声というのは、案外聞こえていない可能性がある。今、あなたは書店を経営しているわけですか?」
 こうもりバット氏、答えていわく、否、今は雇われの管理職である。
 佐藤は助言を続ける。管理職ならある程度権限があるから、仕事の中で地域貢献に携わろうとした場合に選択肢に一定の幅ができる。盛岡はたいへんな教育都市だ。岩手大学があるし岩手県立大学もある。教育に対する情熱の高い土地だから、書店は大切にされる土地柄だ。だから、今の仕事で頑張ればよい・・・・。
 秋田は秋田、過去は過去として措いといて、今をつかめ。ソール・ベローふうに言えば、“Seize the Day”。

 (7)書店業にとっては土地柄もよい、と佐藤は指摘する。もっとも、大資本も土地柄のよさに目をつける。
 佐藤、「そういった土地柄だと、書店でも大型店が入ってくるでしょ?」。
 こうもりバット氏、「はい」。
 佐藤、「だから生き残り合戦になるんだけど、その様子を発信していくことが必要だと思う」。

 (8)佐藤のいわゆる「発信」は、ブログやホームページではない。知事との面会である。
 こうもりバット氏、佐藤の意図を汲んで、手紙を書いてみる、とは答えている。

 (9)知事への手紙が妥当であるかどうか、別の意見をもつ読者はいるだろう。知事は、政治家であると同時に、地方行政のトップである。トプ・ダウンで大枠は決まるが、地方行政はボトム・アップが大きな力をもつ。
 首尾よくいったかどうか、後日譚は本書の性格からしてわからない。
 しかし、それはそれでよい。本来個人的であるべき人生相談を不特定多数の読者が横から覗いても、相談者固有の、特定のケースに対する回答をそのまま読者が援用できるはずがない。得るのは、あくまで考えるヒントである。自分の状況に合った答は、自分で探しだすしかない。

□佐藤優『インテリジェンス人生相談 -社会編-』(扶桑社、2009)
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【南雲つぐみ】高齢ドライバーの増加 ~軽度認知障害(MCI)~

2018年02月15日 | 医療・保健・福祉・介護
 人口の高齢化に伴って運転免許保有者全体も高齢化している。どのぐらい増えているかというと、2001(平成13)年では75歳以上の免許保有者は、154万人で全体の2%だったのに対し、17年では513万人で6.2%と約3倍になっている。65歳以上では01年では全体の10.1%に対し、17年では21.5%、5人に1人は高齢ドライバーなのだ。
 認知症の初期症状ともいわれる軽度認知障害(MCI)は、ちょっとした不注意やケアレスミスが目立ち、物忘れが急増する段階。しかし、全般的な認知機能は正常で、生活に大きな支障はない。運転に当てはめると、これまで通りにできているが、例えば「慣れた道で、ふと道が分からなくなる」「つい面倒になって、いつもの確認作業を怠る」などは、MCIによる症状とされる。
 注意力が落ちると、歩行者に目を向けているつもりでも、見えていないことがある。歩行者は、ドライバーの目線がきちんとこちらを捉えているかを確認し、できるだけアイコンタクトを取るようにしよう。

□南雲つぐみ(医学ライター)「高齢ドライバーの増加 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年2月12日)を引用
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