語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】朝食にトマト炒め ~前立腺がんの再発抑制~

2018年06月02日 | 医療・保健・福祉・介護
 露地もののトマトが旬を迎える。本来トマトは乾燥を好むので、高温多湿の真夏よりも日差しが強く比較的乾燥した季節のほうが、糖度は高くなると聞いた。トマトの栄養といえば、赤い色素成分のリコピンだ。スイカ、ピンクグレープフルーツ、パプリカなどの赤い野菜に多く含まれる。
 抗酸化作用が強く、動脈硬化を予防するとされるほか、アメリカのバーバラ・アン・カルマノスがん研究所の研究によると、リコピンを含む食物を摂取することによって前立腺がんの再発抑制が見られたという報告がある。最近話題の「時間栄養学」では、リコピンは朝食に取ると吸収率が高まるというデータがある。リコピンは、加熱したり油脂と一緒にとるとさらに吸収が高まるので、トマトの卵炒めなどにすると良さそうだ。
 一方、ミカンやグレープフルーツなどのかんきつ系は、空腹時よりも食後に取るほうが良い。かんきつ系にはビタミンCが多く含まれるが、水溶性で排出されやすい。おなかに何か入っている時のほうが
排せつされにくく、体内に留まってくれる。

□南雲つぐみ(医学ライター)「朝食にトマト炒め ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年5月29日)を引用
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【佐藤優】アベノミクスとファシズム ~いま生きる「資本論」(2)~

2018年06月02日 | ●佐藤優
 <では、これ【引用者注:市場メカニスム】を規制すればいいのかと、暴力装置を背景にした国家なるものが出てきて、賃金であるとか労働条件を定めていく。その代わり、労働者はストライキなどするな、働かざる者食うべからずだ、などと言い出す。こうなると、ファシズムの経済になるわけですね。そしてファシズムは、必ず官僚支配になります。
 宇野弘蔵が「ファシズムの強さは無理論なところにある」と言っています【注】。理論がなくて、気合いでやっていく。これ、アベノミクスを思い出しませんか(会場笑)。安倍さんの特徴は、マルクス経済学も近代経済学も何も勉強していないということです。無理論の強さってあるんですよね。安倍さんは浜田宏一さんの話を聞いて、「状況はよくわからないけど、インフレターゲットは絶対にいい。気合い入れてやっていこう」。そんな感じでやっている。だから、長期国債の金利がどういうふうになるかとか考えていないのです。この〈考えていない強さ〉があるんです。景気を良くするためには賃金を上げてからだとなると、連合が賃上げを言っていないのに、首相自らが「内部留保があるんだから払え」と賃金を上げさせたわけですよね。これは国際基準から見ると、ファシズムの賃金論です。「おい、経団連会長、ちょっと来い。お前ら、内部留保を置いてあるのにけしからん、労働者の賃金上げろ」。これ、共産党が言っていることと同じじゃないですか。前に紹介したムッソリーニと同じじゃないですか。安倍さんも共産党も、ファシズムの経済学を主張しているんです。
 ですからアベノミクスというのは、反知性主義とヤンキー的なナルシシズムとのアマルガムですよ。これは別に珍しい現象ではなく、フランスのサルコジ(前大統領)現象なんかに似ているように思います。エマニュエル・トッドが『帝国以後』でサルコジをボロクソに批判していましたが、あれを読むと、サルコジではなくて安倍さんを批判しているように思えてしょうがない。>

 【注】
【佐藤優】『ファシズムの正体』の目次
【佐藤優】まえがき ~『ファシズムの正体』~
【佐藤優】日本のファシズム関連本は役に立たない ~今ファシズムを学ぶ理由(1)~
【佐藤優】新・帝国主義の時代 ~今ファシズムを学ぶ理由(2)~
【佐藤優】グローバル資本主義に対する三つの処方箋 ~今ファシズムを学ぶ理由(3)~
【佐藤優】福祉国家としてのファシズム ~今ファシズムを学ぶ理由(4)~
【佐藤優】日本人のファシズム・アレルギー ~今ファシズムを学ぶ理由(5)~
【佐藤優】真理は人を自由にする ~今ファシズムを学ぶ理由(6)~
【佐藤優】あとがき ~『ファシズムの正体』~

□佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014)の「6 直接的人間関係」の「資本主義の論理が届かない場所」から一部引用

 【参考】
【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~
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