露を救うための
籠と
影を救うための
一個のパン
不動のものの周りに
正確に 輪をちぢめる虫たち
こころもち 内側へ向け替えられた
灯のもとで
予言のように 小粒になる果実たち
死んだ者たちを蘇らせるために
殺意なき者たちの殺意が
かえってリンドウの色を深くする
と 慌ただしい旅からまだ醒めきらぬ者たち
の欠伸が
いっそう その色を深くする
□安藤次男「食卓にて、夏の終わりに」(駒井哲郎・画『からんどりえ』(ユリイカ、1960))
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【詩歌】安藤次男「夕立」」
「【詩歌】安藤次男「碑銘」 ~敗戦忌~」
「【詩歌】安藤次男「年齢について」」
「【詩歌】安藤次男「鎮魂歌」」
「【詩歌】安藤次男「球根たち」」
籠と
影を救うための
一個のパン
不動のものの周りに
正確に 輪をちぢめる虫たち
こころもち 内側へ向け替えられた
灯のもとで
予言のように 小粒になる果実たち
死んだ者たちを蘇らせるために
殺意なき者たちの殺意が
かえってリンドウの色を深くする
と 慌ただしい旅からまだ醒めきらぬ者たち
の欠伸が
いっそう その色を深くする
□安藤次男「食卓にて、夏の終わりに」(駒井哲郎・画『からんどりえ』(ユリイカ、1960))
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【詩歌】安藤次男「夕立」」
「【詩歌】安藤次男「碑銘」 ~敗戦忌~」
「【詩歌】安藤次男「年齢について」」
「【詩歌】安藤次男「鎮魂歌」」
「【詩歌】安藤次男「球根たち」」