水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・30」

2011-05-30 20:26:21 | Weblog



この物語は、小兵衛一人の名人ぶりだけじゃない。
剣一筋の真っ直ぐな大治郎や三冬が変わっていく。
純朴の堅木が、しなやかな大木に育つ過程が描かれている。
それは、巨木の小兵衛の雰囲気から学んで変化する。
息・大治郎も次第に柔軟な人間に変わっていく。

年下のおはるを「母上」と冗談で呼んだりできるようになった。
もちろん小兵衛の冗談は普段通りだ。
「夜狐が若い女に化けて、布団にもぐり込んだかえ?」
武士であり、剣客だった当時を想像すると、かなりくだけている。
まるで町民の冗談だから、まわりの町民から慕われる。
ときには、弥七でさえ呆れるほどの冗談も言う。

「ものごとは、段取りが大切だ」
小兵衛の教えを思い出しながら、大治郎は事件を解決する。
段取りとは、先を見通し、心配りをする事。
自だけを伸ばしても段取りはできない。
他を観、まわりを観、心を配って他を動かし、自が動く。
すると、無駄な動きをしなくても事が進む。
「段取り、よかったぞ」
褒める小兵衛、褒められた大治郎、共に笑顔だ。
(「東海道・見付宿」より)


        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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