水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「迷解剣客商売・21」

2011-05-21 20:00:17 | Weblog



小兵衛はある日突然道場を閉める。
剣客の道を辞めてしまうのだ。
剣客の道から外れてしまうのだ。
「剣より女体が好きになって・・・」
修行の旅から帰ってきた息大治郎に言う。
名人になってしまったからだ。

小兵衛の師、辻平衛門もそうだった。
無外流という真髄がそうであるのかわからない。
ある日突然宗家としての道場から隠遁する。
地方に飄然と出て行ってしまうのだ。
「お前ら、あとは好きなように生きろ」
師も名人になってしまったのだろう。

まだ一流の段階の大治郎には理解できない。
旅先での事件に巻き込まれても、解決法が見えない。
自分の腕なら一流だが、一流では解決の道が見えないのだ。
小兵衛なら、自分がしてよいことと、しなくてよいことが判る。
「年をとるとな、手足がきかぬ。
そのかわり、世の中をみる眼がピタリと決まる。
思ってみなかった気楽さがあるものよ」
名人は、無駄な動きが少なくなるようだ。


        
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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