カルテ番号 ゆ・1(20)
弓削は自分を振り返って言った。
「病になると、何故、何故自分が、と考えてしまいます。
病になった不運を嘆きます。
なった理由はわかりません。
単純に不摂生だけではないのでしょうね。
流行り病、戦争時、タイミング、いろいろが重なっていますね。
理由は・・・様々で分析しきれないところがあります。
でも、気づくのは、そこではないのですね」
院長が頷いた。
「弓削さんは、本当に冷静に観察するのですねぇ。
プロの研究者は、まるで禅僧のようですね。
気づきを病の原因に求めると、一時的には晴れることがあります。
でも、病はそれほど単純ではありません。
病の長期化で、気づきが自分を責めてしまいます。
気づくところは、おっしゃる通り、そこではないのです。
ご自分の生命力が、懸命に防ごうとした事実。
そして、今現在も進行形で防ごう、回復しようとしている事実です」
弓削は、とても話がしやすい相手だと思った。
「善悪ではなく、まっすぐ事実を観る、という点ですね。
自分達研究者も同じです。
仮説はあっても、事実をいかにまっすぐ観るかが次に進む道となります。
病は、今現在も自分の生命力が防ごうとしていてくれているのですね。
そして、回復しようと頑張っている・・・
いや、頑張っているのではなく、当たり前にしている」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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