水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・888」

2016-04-20 19:33:53 | Weblog



カルテ番号 や・6(26)

「すいません。
政治家じゃないから、発言を撤回します、などとは言えません。
忘れて下さい、などと勝手な事も言えません。
柳さんと会って、私が焦ってしまったようです。
でも、これは憶えていて下さい。
今後、思い当たる事が起きたら、またここにいらっしゃい。
その時は、説明します」

玲香も混乱していた。
「あの~、それは何か病気でしょうか?
今言えないような・・・
確かに、先生の手が当たった瞬間、身体に変化があったのです。
だから、先生がデタラメを言っているとは思いません。
でも、話せない内容なのですね。
深刻な病気でないなら、それだけでも教えて下さい」

院長はニッコリとして言った。
「それは大丈夫です。
むしろ、柳さんは病になりにくい方だと思いますよ。
肉体的にですが・・・
心は誰でも不安定ですから。
おそらく・・・近いうちに、また来る事になると思います。
安心して下さい。
悪い事ではありません。
もっとも、それが良い事かどうかは本人次第ですが・・・」

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(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」  「迷説恋愛論」  「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)
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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・887」

2016-04-19 19:31:51 | Weblog



カルテ番号 や・6(25)

予想もしなかった反応だ。
玲香は、院長と話をして変われるなら・・・と思っていたのだ。
まさか、手を当てた瞬間に変化があるとは。
しかも、院長の言う事が理解できない。
これからの人生が普通でない?
もしかして、とんでもない人と係わってしまったのか?

院長はゆっくりと、穏やかに話し出した。
「今の柳さんには理解できないかもしれません。
でも、これから否応無しに歩く道です。
普通の人の一生とは別な道です。
私も、柳さんの他に、もう一人だけ知っている道です。
地球という土台の上の生物としては、特殊ではありません。
特殊ではないのですが、圧倒的に少ない」

院長は、考えながら、言葉を探しながら話してくれている。
だが内容は少しも理解できない。
どうやら、私は特殊ではないと言いながら、特殊のケースらしい。
肝心な、その部分を話してくれない。
話すべきか、どうか、この院長も迷っているようだ。
一体、私に何が起こっているのだろう?
やがて、院長は自分で結論を出したようだ。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・886」

2016-04-18 19:35:15 | Weblog



カルテ番号 や・6(24)

マットに仰向けになると、院長は頭部側に座った。
そして、そっと頭に指を添えた。
瞬間、玲香はショックを憶えた。
いきなり、何かが起こったのだ。
身体の中心、下の方から何かが起きた。
それが、頭に振動した。
そして・・・何かが、解った。

「先生、これは・・・」
「柳さん、35歳でしたね。
これから、柳さんは通常とは違った人生を歩きます。
極少数の人達が仲間としていますが、出会えるかどうかは判りません。
本来、それが起こるのは、10年後からのはずですが・・・
どうやら、多少のズレもあるようですね。
私にも本当の事はわかりません」

一体何を言っているのだろう?
意味は解らない。
でも、身体の中に何かが起きてしまったのは判る。
そして平凡だと思っていたこの院長が、急に近い関係だと思えた。
どういったらいいのか・・・
身内のような・・・
そんなバカな、という理性もあるのだが・・・
玲香は混乱していた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・885」

2016-04-17 19:17:59 | Weblog



カルテ番号 や・6(23)

予約の日が来て、玲香は久しぶりに車で出かけた。
運転は好きなのだが、通常の仕事では電車とタクシーが早い。
休みの日に、高速を無目的に走るのが好きな性格だった。
治療院はすぐ見つかった。
こんな山の中、しかも、どう見ても流行っていない。
仕事と場所が合っていない。
経営のセンスが無いのだろう。

「ごめん下さい、予約していた柳です」
「どうぞ」
院長は、拍子抜けするほど平凡だった。
玲香の会う人達は、もっと何らかの能力の高さや強さを感じる。
仕事の出来る経営者達は、良し悪しは別にして、アクがある。
一見、穏やかそうにしている経営者も多いが、それがアクでもある。
だから、能力の現れが、アクのように感じるのだと思っている。
ところが、この院長にはそれがない。

簡単な記入事項を書いてから、院長が訊いてきた。
「え~と、茂木さんの紹介でしたね。
気功体験をしたいとの事ですね」
「はい、それとお話を伺いたいと思います」
院長は、少し首を傾げて、玲香を見ていた。
「私の気功は話しながら体験できるので、何でも訊いて下さい。
話せる事、解る事なら、多分答えていきます。
それと・・・私の方からも質問するかもしれません」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・884」

2016-04-16 19:12:29 | Weblog



カルテ番号 や・6(22)

どうにも実像がつかみ難い人のようだ。
やはり実際に会って、自分の感覚に頼るのが一番のようだ。
通常、玲香は相手の事を調べてから会う。
だが、どうやらこの場合は、直接がいいようだ。
「わかりました、というか、わかりませんというか。
とにかく、直接会ってきます。
何だか、不思議な気がします」

途端に三木裕子が言った。
「そう、それ、不思議な気がする、というのがぴったり。
柳さんもきっと何か体験するわよ。
そしたら、また私達に感想を教えてね」
「もちろんです。
私にも悩みはあるのです。
もしかしたら、解決の道が開けるかもしれない」

玲香は、その先生の連絡先と場所を教えてもらった。
予約制というので、スケジュールを確認して早速連絡してみることにした。
半分期待、半分は好奇心だった。
茂木氏の会社の事も気になるが、それは後日聞くことにしよう。
それにしても、この三人の雰囲気はいい。
玲香も歳をとってから、このような関係の仲間ができるだろうか?
今の人を拒絶する性格では、難しいかもしれない。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・883」

2016-04-15 19:28:14 | Weblog



カルテ番号 や・6(21)

玲香と他の三人とは年代が違う。
年上の人達との話が好きとはいえ、年代の違いは感じる。
この三人が好んでいるのは判るが、自分に合うとは限らない。
実際は、会って感じるしかない。
「その先生は、幾つくらいかしら?」
とたんに、三人共困ったような顔をした。
どういうことなのだろう?

茂木が言った。
「ワシは仕事上、大勢の人達と会ってきた。
だいたいは年齢を見抜く事ができる、と思っている。
年齢は、優秀であるか否かとは関係ないところに現れるからだ。
ところが・・・あの先生は・・・わからない。
見たところは、40代後半かと思えるが・・・
話の内容や雰囲気が、もっと年上だし、ワシより上かと感じる事もある」

確か茂木社長は80歳だ。
その眼力は確かだと思う。
その茂木社長が不明というのは・・・
明木礼子と三木裕子も首を傾げている。
「私は歳を聞いたわ。
でも、信じられないの。
今の茂木さんのお話のように、信じられないの。
見た目は、かなり年下、でも実際は、ありえないほどの年上って感じかな」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・882」

2016-04-14 19:28:10 | Weblog



カルテ番号 や・6(20)

「治療も太極拳も教えてくれる先生ですね」
明木は微笑んで言った。
「いいえ、太極拳は教えてくれないわ。
でも、私だけは教えていただいた。
10年目に初めて会いに行って、一度だけ見せてもたったの。
それが、先ほど柳さんが見た太極拳よ。
それまでは、自分の為の太極拳。
そして、先生が見せてくれたのは、宇宙と遊ぶ太極拳」

玲香は明木礼子の言う意味はわからなかった。
ただし、あのような太極拳をする人なら、会いに行こうと思った。
自然体。
そういう感じがしたのだ。
宇宙と遊ぶような人なのだろう。
ということは、人間臭いのが薄いのだろうか。
「もしかして、その先生って、あまり人前に出ない人ですか?」

これには茂木が答えた。
「なんで、あんな山の中に閉じこもっているのか、とワシも質問した。
人前が苦手ではないようだが、自分を出すのは苦手のようじゃ。
それでいて、生活には困っている、とか言っていたな。
変わり者ではあると思う」
三木裕子は笑って言った。
「そうだけど、私には大切な先生だから」
明木礼子も言った。
「あら、私には、とても大切な先生よ」

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・881」

2016-04-13 21:14:23 | Weblog



カルテ番号 や・6(19)

「皆さんが言う、その先生とは何処のどういった先生ですか?
私にも教えてもらえますか?
たぶん、私にも必要な気がします」
三人共頷いて、茂木と三木は明木礼子を見た。
説明は最初の明木礼子がするべきと、暗黙の視線だ。
明木礼子も笑って頷いた。

「もちろんよ、柳さん。
その先生というのは、群馬県の最北にいるわ。
気功治療家の先生よ。
治療家とはいえ、悩み事相談もしてくれるわ。
もっとも、それも治療範囲の中だけど。
とにかく、体験してみてね。
一人一人が感じる事、気づく事は違うけれど、変わるのは間違いないわ」

玲香は、気功と聞いて、中国に行った時を思い出した。
朝の公園で、それぞれが太極拳のような動きをしていた。
日本のテレビでやる、そろったものではなく、各自バラバラだ。
中国にも気功師という治療をする人がいたが、あまり良い印象はなかった。
どうしてもハッタリがあるような気がして、正直信用していなかった。
それでも、この三人が言うのなら、素晴らしい能力があるのだろう。
気功と聞いて、ちょっと複雑な思いもしていた。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・880」

2016-04-12 19:21:51 | Weblog



カルテ番号 や・6(18)

茂木滋も頷いて言った。
「その言葉は、今の歳になってよく解る。
自分の世界をしっかり持つと、他の人や動物や環境などの世界と親しくなる。
以前は判らなかった。
社会という一つの世界の中しか考えられなかった。
そして、自分と他人、他のモノとは対立するものだと思っていた。
特にビジネス界などは、他人や他社は敵と思っていた。
自分の世界を持つというのは、本当の自立の事だったのじゃなぁ」

三木裕子も言った。
「私は自立というテーマの悩みだったから、やはり今は解るわ。
それまでは、自立が孤立になっていたのよ。
一人で生きる、ということにこだわって、自分の世界がなかったのね。
やはり社会の中で自立する、と思い込んでいたのね。
それが、あの先生と話して、すぐ溶けた。
自分の世界って、難しい事ではなかったわ。
愉しい、楽しい事だったわ。」

正に導かれて来た、と玲香は思った。
今まで、他人の目を気にしての自立の女を演じてきたのだ。
社会的に演じていたのだ。
でも、それは自立ではないと気づいていた。
だから、本当の自立を求めていたのだ。
自分の秘密の病気も、そこに根があることは、何となくわかっていた。
きっと、もう少しで抜け出せる気がする。

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「風間陽水の依頼簿(カルテ)・879」

2016-04-11 19:06:25 | Weblog



カルテ番号 や・6(17)

玲香は、何故太極拳を見せたのか、考えた。
太極拳の先生が、この三人を変えたのだろうか?
だが、他の二人が太極拳を練習しているとも思えない。
「その太極拳の先生が、御三方の共通点ですか?」
三人はニコニコとしていた。
「柳さんは、頭の良い人なのですね。
その人が私達の共通の人。
ただし、太極拳の先生ではないのです。
もちろん、怪しい宗教などとも違いますよ」

明木礼子はベンチで自分のバッグから水筒を出した。
そして、人数分のコップも出して、お茶を入れた。
「どうぞ。これも三人が飲んだ共通点よ。
私の手作りの玄米茶」
茂木がなつかしそうに言った。
「そうじゃったな。このお茶も結び付けてくれた一つじゃ。
明木さんがお茶をくれたから、いろいろと話が出来た」

三木裕子も言った。
「そうね。人を親しくさせる魔法のお茶ね。
礼子さんは、スッと心に入る雰囲気があるのよね。
もしかして、それも太極拳の力かしら?」
明木礼子は、少し考えてから言った。
「そうかもしれないわね。
でも私の先生は、他の人との交わりではなく、自分の世界の太極拳と教えてくれたわ。
結果的に、人だけでなく、他の全てと馴染むようになるみたい」

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