「迷想中・迷走中・829」

ある気功師・434

法王への質疑応答は基本的には仏教に関してだ。

だが、龍村ツアーの大部分はヨガ講師。

怖れを知らない熟女軍団だ。

仏教よりも超有名人の法王に関しての質問が出た。

おそらく法王も今まで質問された事が無いだろう。

そんな怖れを知らない内容だった。

いいのか、そんな質問して・・・

私はこれでも多少の常識がある。

だから、ここでは内容を書けない・・・

龍村師匠なら私と同じく常識がある。

だが実姉の和子先生も怖れを知らない熟女だ。

きっとこんな質問は法王も困るだろう、と思った。

ならば、面白い・・・

通訳の和子先生は、そういう熟女だった。

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「迷想中・迷走中・828」

ある気功師・433

通訳の和子先生も他の質問が気になっていたのだろう。

もういいか、と合図してきた。

私はその時のあきらめの言い訳を考えた。

法王に直接会えて、話が出来たのだから充分だ。

本来の質問の意図が通じて無かったが、充分だ。

会えただけでも奇跡の連続だったからだ。

一つの奇跡では会えなかった。

瞑想期間を中断するなんて、お付きの高僧も思って無かった。

そして単なる儀礼としての謁見ではなかった。

儀礼謁見でも充分だ。

その場合、5分～10分が通常だ。

今回も法王が終わりにした時が終了だ。

それが、結果的に、なんと、2時間以上だった。

ありえない長さだ。

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「迷想中・迷走中・827」

ある気功師・432

私の法王への質問の意図はそういう事だ。

だが限られた時間、他の順番待ちの質問者。

時間もどれだけ残されているか不明のまま。

私は・・・諦めてしまった・・・

せっかくのチャンスを自分から諦めたのだ。

私の質問の意図が判ったら法王はどう答えたろうか。

とても褒めてくれたにちがいない。

私の仏教の解釈に一目おいてくれたと思う。

ああすればよかった。

こうすればよかった。

人生はそんな事ばかりある。

その中でも、大きな後悔がある出来事だった。

法王に質問できるなんて、もう出来ないだろう。

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「迷想中・迷走中・826」

ある気功師・431

ダラムサラの通称ノルブリンカで拝見した曼陀羅図。

曼陀羅図はこの世を表現している。

その壁一面の巨大曼陀羅図の中心。

それが仏教の本質だと説明された。

この世の中心は生命。

この世は、生まれ、死ぬまで。

生命が存続している間が、慈悲なのだ。

僅か一日でも、仏教の慈悲を行っている。

仏教はこの世以外も説明している。

あの世、だ。

だが、それはあの世に行ってからでいい。

この世に居る間は、生命が最重要なのだ。

この点を多くの宗教は勘違いしている。

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「迷想中・迷走中・825」

ある気功師・430

生命がそれぞれの立場で生きる。

死ぬまで、生きる。

それが存在理由。

それだけで、この世に存在した意味になる。

それ以上の意味や理由を求め、持たせるのは間違いだ。

やたら立派な人生の意味を主張するのは間違いだ。

ハッキリ言う。

間違い、だ。

多くの宗教組織やエライ人の言うのは、間違いだ。

この世は、そんなに立派に創られていない。

意味が解らずに死んだら、意味がない？

そんな欠陥だらけのこの世であるはずがない。

意味は求めなくていいのだ。

生命は生きる事だけで完成されている。

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「迷想中・迷走中・824」

ある気功師・429

自分だけの修行や魂磨きなんて趣味の域だ。

趣味だから他人がアレコレ言うべき事じゃない。

だがエラソーに他人にまで押し付けるのは間違いだ。

教えだとか真実だとかは、ウソだ。

何故この世に多種多様な生命が一緒なのか。

何故、生命は有限なのか。

それは、慈悲、というキーワードで解ける。

他の因を引き受けるという因果で解ける。

この世に存在した理由。

それは、生きる、という事。

努力や精進は趣味でいい。

ただ、生きる。

それだけで、他の因と関わり他の為になる。

仏教的に、この世は、とても慈悲深く創られていた。

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「迷想中・迷走中・823」

ある気功師・428

何故この世は多種多様な生物がいるのか。

何故この地球上に生命が溢れているのか。

何故一生は苦楽があり悲喜があるのか。

何故一生という時限があるのか。

宗教は生きる意味を自分が進化する為としている。

困難を乗り越え、自分を更に高みに上げるとしている。

因果に関しては、悪の因を改める為としている。

そんな個人的な理由なら、この世はいらない。

自分一人だけで修行でも何でもすればいい。

他人を巻き込むな。

そう思う。

だから、自分だけの進化なんて、嘘、だ。

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「迷想中・迷走中・822」

ある気功師・427

理不尽を受け入れる。

それが慈悲だろう。

表現の例えとして、他の罪を引き受ける。

生まれながらに他の罪、他の悲しみを引き受ける。

私はキリスト教には詳しくない。

だが、キリちゃん（イエス）が原罪と表現したのは・・・

もしかしたら・・・

誰もこんな解釈はしないけどね。

他の原因を引き受け、それを浄化（調和）する。

それが、この世が存在する意味。

生きている目的。

それなら仏教的に理屈が通る。

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「迷想中・迷走中・821」

ある気功師・426

理不尽なこの世だ。

私が何をした。

この仕打ち。

そう思う事が多々あるだろう。

前世が悪かったのか？

そんな事言われてもなぁ・・・

この仕打ちが因果の果なら・・・

憶えてないし・・・

憶えてない責任なんて、やはり理不尽だ。

だから私は思ったのだ。

因は誰かのモノ。

つまり別な人が果だけ引き受けている。

引き受けた人は理不尽に思う。

あるいは、とてつもなくラッキーに思う。

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「迷想中・迷走中・820」

ある気功師・425

更にその先も考えていた。

だが、それは質問に入っていない。

何故なら、このツアー全員が理解できないかもしれない。

龍村師匠は理解するかもしれないが、通常の質問に入らない。

それは仏教の本質である慈悲。

この世の存在意味に関してだからだ。

この世というが、生命があるから意味がある。

ただの岩やマグマの塊だけなら意味を付ける必要がない。

意味というのは生命あってこそ、なのだ。

何故この世に生まれているのか？

大きなテーマでもある。

それを私は仏教の本質の慈悲と因果の関係とした。

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