空模様が気掛かりだったが、思い切って日課のウォーキングに出
掛けてみた。
案の定、ポツリポツリと小雨が降り出して来た。
車に引き返し傘を差して再びトライ、この道は三年半ほど前、術後
の体力回復と気力の充実の為にと、ひたすら歩いたコースである。
佐陀川の土手に上って見ると、葦原が生い茂り、古ぼけた船小屋と
つながれた小船が水面に映る、こんな素敵な景色が広がっていた。
(あの頃は、心にゆとりが無く、景色もろくに見えていなかった様な気がする)
「葦」を見るにつけて、ブレーズ・パスカル(思想家・数学者)の遺稿に
あったとされる、『人間は考える葦である。』の言葉を思い出す。
「葦」が何故、人間の比喩に持ち出されたのか、随分昔、書物で読
んだ様な記憶がある?
「葦」は弱いため、少しの風が吹くとすぐしなり、曲がって倒れてしま
うが、風が去って行くと次第に身を起こし、また元の様に立ち上がり
何事も無かった様に微風に揺られている。
人間は、自然や運命の猛威の前に無力であるが、それに従い不屈
の精神力を持つ(考える力)ことによって、猛威をくぐり抜けて、自ら
の姿で立ちあがる。
人間とは、そんな「賢明で優れた存在である。」と、「葦と人間」を比
喩していた様な気がする。
その、生き物を育む葦原が、徐々に蘇りつつあることは、なにより嬉
しいことでもある。
~今日も良い一日を~
❤佐陀川に生い茂る葦原