提灯を下げた様な形で俯いて咲く『ホタルブクロ』、むかし提灯の古名を
「火垂」 と呼んでいました。
そんな事もあってか、昔々子供達が、蛍をこの花袋に入れて遊んでいたと
ころ、ぼんやりとその光が外から透けて見えたことから、ホタルブクロとなっ
たとか・・・花の名そのものが、なかなか趣のある野草ではありませんか。
初夏からひと月余りに亘って、野山や庭先に咲いています。
また時期を同じくして、「ゲンジボタル」が、すぐ近くの谷川の草叢や闇を、
乱れ飛んで、とても幻想的な雰囲気を醸し出しています。
このホタルブクロに止まる『ゲンジボタル』の名の由来も・・・まだ平氏(平
家)全盛の時代、源氏の長老として源頼政は、中央政界(平家)に留まっ
た。
しかし後に、念願の平氏打倒を計画したものの、その計画が露見し、平家
の追討を受けて戦いに敗れ、遂に自害して果てた。
その頼政の怨念が、亡霊となって平氏と戦うために、蛍となって彷徨ってい
るとして、『源氏蛍:ゲンジボタル』の名に由来しているそうである。
一の谷や屋島の合戦で、奇襲の名手・義経の兵に敗れた、平氏は安徳天
皇を奉じて西へ西へと逃れ、あの源氏・平氏の最後の戦い『壇ノ浦(下関市)
の合戦』で、関門海峡において、平氏は源氏の源義経の軍と決戦の末に敗
れた。
平氏が奉じたまだ幼少の安徳天皇をはじめ、平家一門の多くは海に身を投
じて果て滅亡している。
野辺の花や闇を飛び交う蛍にも、こんな伝説に想いを馳せ、噛み締めなが
ら、愛でるのもまたいいです。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~
ブルー・ムーン~ジュリー・ロンドン