『信さん:炭坑町のセレナーデ』
TVのチャンネルを捜していると、昭和30年代の炭坑町・・・そこに息子と
二人で生活する母子のシーン。 好きな女優さんの一人「小雪」が出る映画だ。
実生活では、結婚、出産、子育てと、スクリーンからここ数年遠ざかっていたた
め、随分久しぶりに見た感じである。
あの「ラストサムライ」や「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズ等で、重厚でキラ
リと光る演技を見せ、将来、大女優になる風格さえ感じさせる女性だ。
またこの映画の中で、「どこかで見たような・・・」と思っていたら、ラストサムライ
でも小雪と共演し、素晴らしい演技を披露した子役の池松壮亮が、今回も息子
役を演じていた。
~あらすじ~
昭和38年、美智代(小雪) は、生まれ故郷の福岡の炭坑町に息子(小学生)・
守と共に帰って来る。
その町は炭坑によって支えられ、大人も子供も男も女も、貧しくとも明るく皆が
肩を寄せ合って助け合いながら暮らす街だった。
ある日「守」が、地元の悪ガキ供に取り囲まれ、いじめられている所に、一人の
少年が通り掛かりあっという間に打ち負かす。
その少年は、地元では誰ひとり知らぬ者もない、札付きの少年「信さん」だっ
た。
親を早く亡くして親戚に引き取られ、いつも疎まれ厄介者扱いを受けている孤
独な少年であった。
・・・誰も自分のことなど分かってくれない・・・そう思ってきた「信さん」にとって、
息子を守ってくれたこの事件を機に、やさしく接してくれる「美智代」に、信さん
は次第に心を開き、特別な存在となっていくのだが・・・・最初は、母親への愛に
似た淡い恋心の様でもあった。
だが、成長した信さん(石田卓也)や「守」、そしてこの炭鉱町にも、受け止め乗
り越えなければならない、幾つもの過酷で厳しい現実が待ち受けているのだっ
た……そして、それぞれに大きな悲しみを乗り越え、希望の将来に向かって歩
き出していくのだった。
昭和30年代の九州地方の炭坑町を舞台に、貧しいながらも明るく必死に生き
る人々の、日常と過酷な運命を描く社会派の骨太なヒューマンドラマであるが、
60歳代前後のおじさん、おばさん達には、映像の一つ一つが昭和へのノスタ
ルジアにあふれる映画であった。
~今日も良い一日であります様に~
Nini Rossoの「Silenzo」