映画「レジェンド・オブ・フォール:果てしなき想い」を観ました。
1994年公開の作品で、主演のブラッド・ピットが、まだ若い時の映画ですが、後にスーパースターになったのが、情
感を込めた一つ一つの演技に現れており、久々に感動する映画でした。
遙かなるオールド・ウエストの牧場を舞台に、愛に素直に生きられない青年(ブラッド・ピット)と、その彼を永遠に想
い続けた一人の女性(ジュリア・オーモンド)の悲しい愛の軌跡を辿った壮大なドラマです。
~あらすじ~
20世紀初めのモンタナの牧場、元騎兵大佐のウィリアム・ラドロー(アンソニー・ホプキンス)は、戦いの記憶から逃
れるため、この地に定住して3人の息子たちの成長を見守る。
中でも狩りを好む野性児の次男トリスタン(ブラッド・ピット)に深い愛情を注いでいた。
ウィリアムの妻イザベルは、過酷な自然環境に耐えられず彼と別居して街に住んでいた。
時は流れて、ハーバード大で学んでいた末っ子のサミュエルが、婚約者スザンナを連れて帰郷して来る。
やがて第一次大戦が勃発し、兄弟三人はヨーロッパ戦線に出征して行くが、父はトリスタンに末息子サミュエルの事
を頼むと送り出す。
しかしサミュエルは戦闘中にトリスタンの目の前で命を落としてしまう。
帰国したトリスタンは、悲しみにくれるスザンナを慰める。
やがて2人は結ばれるのだが、同じく彼女を愛していた長男のアルフレッドは、もう兄弟ではないと告げて街へ去って
行く。
アルフレッドは街で事業に乗り出して成功するが、戦場で弟を救えなかった罪の意識に憔悴しきったトリスタンは、
「貴方を永遠に待つわ」とすがるスザンナを残して、世界各地へ放浪の旅に出て行く。
そして数年後、放浪の旅からモンタナに帰ってきたトリスタンを迎えたのは、半身付随になった父ウィリアムであっ
た。
トリスタンが旅に出ていた間に、議員となったアルフレッドとスザンナは結婚して、新生活を始めていたのだった。
トリスタンは、ネイティヴ・アメリカンとの混血で使用人の娘・イザベルと結婚し、二人の子供にも恵まれた。
その頃、トリスタンは禁酒法に逆らうように酒の販売の商売を行っていたが、ある日、警察の待ち伏せに遇い、威嚇
射撃の流れ弾でイザベルが命を落とす。
刑務所に入ったトリスタンをスザンナが訪ね、いまだに自分の心から消せぬ、果てしないトリスタンへの想いを告白
する。
だがトリスタンはこれを拒絶し、その夜、スザンナは自から命を断ったのだった。
トリスタンは、銃を撃った警官に復讐を遂げた。
スザンナの遺体はモンタナに運ばれ、再会した長男アルフレッドは、トリスタンに「私は神と人間のルールに従ってき
た。 お前は何事にも従わなかったが、皆はお前を愛した」と、静かに語った。
追われる身となったトリスタンは、兄に子供を預かってくれるようにと頼む、そこに現れた警察は彼に銃を向けるが、
父と兄が危機を救った。
トリスタンは、また野の人となり、ラストシーンでは長年の宿敵だった熊と戦って命を落とすのだった。
父親役の名優アンソニー・ホプキンスの我が子、それぞれに対する巧みな心理描写、ジュリア・オーモンドの耐えて
待つ、トリスタンへの永遠の想い、トリスタンの拭い切れない深い悲しみ、それぞれの演技が、観る者の心を捉えて
離さない、重厚な一大感動ロマンドラマであった。
虹の彼方へ:オーバー・ザ・レィンボー