福岡市立こども病院の人工島(アイランドシティ)移転をめぐる裁判。昨年末、福岡高裁は福岡地裁に続いて市民側の控訴を棄却。これらの判決を不当として、「福岡市立こども病院の人工島移転撤回を求める市民会議・住民訴訟原告団」は、最高裁へ上告。原告団は、こども病院の問題は終わっていないことを市民に知ってもらい、公正な審理と裁判をしてほしいという声を最高裁に届けたいと、今月、「公正な審理・裁判を求める要請書」の署名活動を始めた。福岡市の不正を正すため、一人でも多くの賛同署名が集まることを願って。
以下、要請書を転載。
公正な審理・裁判を求める要請書
最高裁判所 御中
福岡市立こども病院の人工島移転撤回を求める市民会議・住民訴訟原告団
要請の趣旨
福岡市立こども病院(以下「こども病院」)の診療とその存在に、こども患者の生命と運命を託している者たちと市民たちが、福岡市の市政の健全な蘇りを求めて止むにやまれず起こしたのが本件訴訟です。福岡地裁と福岡高裁は請求棄却の不当な判決を下しました。上告審では、審理を尽くして公正な裁判をしていただくよう、要請します。
要請の理由
私たちは、こども病院に入退院したこども患者とその家族並びにそれを支えてきた福岡の医師など医療従事者、弁護士、保育者、福岡で働き生活する市民の集まりです。私たちは以下の理由により、こども病院の人工島移転用地売買代金等返還請求の住民訴訟を起こしました。要請の理由とあわせて、提訴以降の事情も記します。
1)私たちが納めた税金が、市民の生活を苦しめることに使われたくはありません。
私たちは私たちの生活が良くなることを念願し税金を納めています。その税金が市民生活を苦しめることに使われたくありません。患者の命を危うくし福岡市内の大部分からの緊急搬送や通院に支障を来たすこども病院人工島移転に税金を使って欲しくはありません。
2)こども病院の人工島移転計画そのものが問題です。
福岡市立こども病院は、従来福岡市中央部において高次医療を担う小児専門病院としてこども患者の生命を守り、救ってきました。人工島に移転した今、市南西部ではこども病院が遠くなり困った、と患者とその家族に心配する声が広がっています。人工島は交通騒音や振動、病原ウィルスの侵入など医療環境として不適切です。こんな人工島に移転することによって患者数が減り、病院経営が破綻するのではないかと心配する声も聞こえてきます。
3)裁判所の調査嘱託の権威が失墜し、証人申請も不採用となりました。
福岡市はこども病院現在地建替え費用を、ゼネコンから聞いたとして1.5倍にし、人工島への移転を決定しました、しかし、その手続きは不透明で疑惑だらけです。それにもかかわらず、福岡地裁は自ら実施したゼネコンへの調査嘱託の結果を採用せず、福岡高裁もまたゼネコン社員の証人申請を採用しないまま判決を言い渡しました。
4)福岡市の宝、市民の誇り「こども病院」が失われてはなりません。
福岡市の宝、「福岡には市立こども病院がある」との市民の誇りが失われてはなりません。この訴訟には、患者とその家族そして多くの市民の命運と期待がかかっており、全市民が注目しています。公正な審判と判決を、切にお願いします。
転載終わり。
こちらは、こども病院人工島移転問題のことがよくわかる、福岡市議会議員荒木氏のレポート。
※賛同署名(用紙)については、こちらをご覧下さい。
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