呑む気オヤジ/病窓より望む蔵王連峰便り

訳アリで山暮らしから都会に戻ったオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

クラシック~笑える話&笑えない話

2006-12-28 | コンサート・LIVE・演劇などの話
♪苦笑できる話しと、出来ない話がある!

先日の「神奈川フィル特別演奏会~第九」に、yurikamomeさんからコメントを頂いた。
(上記ページのコメント欄をご覧くださいな)

以下、一部抜粋・・・。

『ところで、1,2,3楽章といえば
近くにいた楽章間によくしゃべるおかぁさんたちが
終わったと同時に手をたたきながら言った言葉。
「第9もいい曲だけど、その前にやった3曲は何?。」
「あ、私もはじめて聴いたけどいい曲よね」
「でも退屈だったわ・・・・・・」』

意味、分かりますか?
要するにこのお母さん方は、「第九」と言えばあの「喜びの歌」の第4楽章だけで
その他(第1楽章から3楽章)は別な曲だと思い込んでいるようなんだな。
まあ合唱団のメンバーのお付合いとか、誰かにチケット貰ったからとかで
普段はクラシックなんか興味ない人も来ていることだろう。
第4楽章だけでも楽しんでくれたのなら、素晴らしいことだと思う。
かなりのクラシック好きでも1~3楽章は退屈だという人が居るくらいだから
知らない(聴いたことがない)人がいたって仕方がないよね。
まあこれは「笑い話」の部類だね。


でも笑えない話・・・、もう20年近く昔のこと。

当時父さんは仕事上で某新宿区議会議員と付合いがあった。
その議員さんが、父さんが音楽好きというので1枚のチケットをくれたんだ。
それは新宿文化センターでの東京都交響楽団のコンサートのチケットだった。
「ボクはクラシックに興味ないから、良かったら聴いてきて」ということ。
なんと指揮者はオットマール・スウィトナー氏!
曲はベートーヴェンの3番だったか、ブラームスの1番だったか・・・。
とにかく父さんの大好きな曲で、よくTVでN響を指揮していたスウィトナーさんだ。
演奏もとても素晴らしく、大感激した!
会場全体も感動に包まれて、演奏が終わった後は自然とスタンディングオベーション!
ところが父さんの席の周りには、明らかに感動のスタンディングとは違う
「やっと終わった、さぁ帰るべぇ~」みたいな集団がゴソゴソと立ち上がり始めた。
彼らはキョロキョロと周りを見回し
「あれ、みんな帰るために立ち上がったんじゃないぞ!」と気づき
なんとなくばつが悪そうに拍手喝さいに加わった・・・。

情けない!!
要するに、父さんがチケットを貰った先生と同様の区議会議員で
興味はないんだけど、仕方がなくやってきた連中なんだな。
はぁ~先生方よ、もうちょっと文化的なものに興味を持とうよ!
文化振興も議員さんの仕事でしょう!
その時は日本にクラシックが育たない事情を垣間見た気がしたね。
ちょっと大袈裟な言い方だけど、これは「笑えない話」だなぁ。
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呑む気父さんの読書感想文・その38 「殺人の門」

2006-12-28 | 本の話
殺人の門

角川書店

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♪「殺人の門」東野圭吾著 角川文庫

友人Sに借りた本、父さんの好きな東野圭吾の小説だ。
Sに言わせると「後味悪いよ~」とのこと。

主人公の「私」は歯科医の家に生まれ、子供の頃は裕福な生活を送っていた。
しかしあることを切っ掛けに、一家離散となり貧乏で孤独な人生を歩む。
友人の倉持は何かと「私」の面倒を見ようと仕事を紹介してくれたりするが
いつもそれが、いろいろなトラブルにつながってゆく。
「私」は倉持の親切心に疑問を持ち始めて・・・。

そんなに後味の悪さは気にならなかった。
確かに「何でそこまでお人好しで、いつもトラブルに巻き込まれるんだ!」とか
「そこまで計算して人を貶めるか!」とか
「そこまでされれば殺意だって芽生えるよな」など
読んでいて暗い気分になるところもあった。
でも読み終わり、「ああ最後はそうなるか」と妙に納得する部分もあり・・・。

それよりも東野圭吾の小説の多彩さに感心した。
いわゆる「学園モノ&本格推理小説」からスタートした同氏だけど
「秘密」や「手紙」「時生」などの涙ホロリの話しを書くかと思えば
「分身」「変身」などのミステリーや
「白夜行」などのどす黒い情念たっぷりの話しも得意だ。
父さんはなにが好きかと聞かれれば、「秘密」系がなんとも好きだけど
この「殺人の門」も、紛れもなく東野作品。
直木賞受賞作の「容疑者Xの献身」よりは、ず~っと面白く読めた。
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