好きな海に、やって来た。
不意に海を見たくなり、地元の河を夜通し下って下って
たまにコンビニで立ち読み休憩しつつ、
足の指先は痛けれど、静けさ切なさを越え、
雀起床のチュンチュンワールドに笑みをもらって
憧れの夜明け、暖かな陽に頬を射抜かれながら
ようやくここは、潮の香漂う アー 海なり!
隅の欠けた堤防に風呂敷リュックを置き、
頑張った靴と湿った靴下をぽんと脱ぎすて
お日さまにやられて火照った身体に潮風を当てるべく
私はえい!ままよと
Tシャツをかっさらいて、上は水着の胸覆いのみとなりました。
オフレコでは、この乳隠しさえもまた
藍色の風呂敷といっぽんのひもを結わいたものなのです。
ますますぶっちゃけるように、腰に大風呂敷を巻いてから
ジーパンと下着を下ろし、これでいっちょう
私の南半身は腰巻のみという
ふた昔以上前の乙女っちに変身したんです。
髪は既に頂上で結んであるので、
いよいよいよっと私は海へと進み、躊躇なく
ちゃぱんちゃぱんと潮水を踏み鳴らしはじめました。
この時間に海水に浸かっている日本人は
何人いるだろう。
私は、みんなの足やふくらはぎが
温かく一つに繋がってる感覚に酔ってみました。
胸は半分濡れていないし万全と包まれているが、
幅の足らない腰巻のスリットが動いて
生のお尻が見えてるだろう。
周りにひと氣はないけど、もうちょっとだけ沖へ歩みて
腰骨までは浸かった。
波のたびにお尻はメーテルだろうが、
温かな潮水に不安は走らず
ゴンズイ玉とトモカヅキだけを注意してる。
肩まで浸りたくなって
私はゆっくりと膝を曲げていった。
無限な波のゆらぎを眺めつつ、かかとを砂に埋ずめていたら、
自分のからだの境界が曖昧になっている。
もう明るいのに星々の燦然ときらめき、動いているのはユッフォーみたい。
すぐそこにゃイルカがぽんぽん跳ねてて、
いつの間にか浜辺には人々の立ってて、よく見ると懐かしい顔ばかり。
私は今どうなってんのかな。
いつまでもここに沈んでいられない、
いつかは腰巻を整えて岸へ上がり
服を着て現実に戻らなきゃ。
ジャパンと立ってみたら、私はみなぎっていた。
リセットなんかじゃない。時間を忘れたこの間、
言葉にできない方々から色々と教えてもらった確信がある。
この体も進化を得て、夜通し来た道は10分で戻れそうだ。
光る肌を手拭いでぬぐい、
暖まったパンツとズボンをするすると履き、
胸当てはそのままにシャツをかぶった。
改めて見上げるこの空も、道もトンビも靴も車もみんな
「つながっている」
私は大きくそれを感じ、水筒の水をひとくちふくむと、
地球に添い遂げようと決心したのです。
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