染めに使う呉汁(生豆乳)を絞った後のおからは、
調理して人が食べてもよいが、先日は庭の植物の周りに撒いておいた。
浅く埋めれば肥料になるが、直に置いたので
虫の餌になると思っていたら、数日間すずめたちが舞い下りてきて
ついばんでいる。
アリはまだ来ないが、以前、一匹ひとつずつ白いおからの粒を運ぶ様子は、
面白さとゆるぎなさを感じた。
自然界における有機物の分解は、地表にむき出しのものは
虫など小動物に食べられるが、枯れ草や落ち葉が積み重なって
中のものは、雨による湿り氣とともにゆっくりと微生物の酵素で
分解(発酵)され、同時に植物の養分を生み出す。
大自然の循環の中では、深い落ち葉の中で
好氣と嫌氣の微生物が共存しながらボカシ状態となる。
一般的な切り返し堆肥のように60~70℃に上がることはなく、
そのような人為的な堆肥は、雑菌を殺すために高温状態を
要しているが、熱によって養分も壊れていくため、
元の有機物のポテンシャルを相当失っている。
やはり、人が何かを行なうときは、その仕組みが
自然界に存在しているものを用いるべきと感じ、
その方があらゆる視点から理に適っている。
だから、生ごみや落ち葉や米ぬかを積み上げて
混ぜ続けて高温発酵させずとも、ただ野菜くずを
土に浅く埋め、生きた堆肥として生かせば、
少量でもそれなりの効果が出るでしょう。
軽くでも土をかぶせておかなければ虫に食べられますが、
その虫の糞にもまだ3割の栄養は残っていて、小さい糞が
暗く湿った土中に転げ落ちて微生物の餌となるため、
ただ野菜くずを放置するだけでも無意味ではありません。
ふえる虫を求めて小鳥やカエルがやってきて、
小鳥の糞から何かが発芽したり、
天敵も含めた豊かな生態系が成り立つかもしれません。
循環の中に、野菜くずを出す人も参加しているというのが町の自然。
今日は15時から福生のRainbow Tribeという輸入雑貨店で
ふろしき実習があります。象柄のインド布の大風呂敷おみやげつき。
平日であり、参加者は少なめと存じますが、むすびというのは
一つずつ、ひとりずつつながっていくものなので
分け隔てなく丁寧に行ないます。
今朝は大あさの大風呂敷と、リネン(亜麻)の
弁当包みサイズ小ふろしきを本藍染めしています。
小豆のようなよい匂いに藍が建ちました。
麻が木綿より丈夫なのは、乾きやすさとともに
裂けにくい性質により、たとえ穴があいても
そこから裂け目が広がっていかないという利点があります。
今回の小風呂敷は、端処理を三つ巻きではなく
まさかの?1度折りにして、その代わりにほつれ防止に
かがり縫いのようなことをします。
たった1重でも減ることで、乾きやすさが高まりますが、
実際に結んでみて使いよいかどうか、試してみます。
| Trackback ( 0 )
|