漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「哭コク」 <大声でなく> と 「喪ソウ」 

2013年06月05日 | 漢字の音符
 コク・なく  口部         

解字 「口口(口ぐちに大声を出す)+犬(犬の犠牲)」の会意。共に埋葬する犠牲の犬で葬送の儀礼をあらわし、口口で大きな声でなくことを示す。原義は葬送の時、なくこと。口口は人が泣くのであり、犬が鳴くのではない。犬が鳴くのは吠ハイで表す。
意味 なく(哭く)。声をあげてなく。「哭泣コッキュウ」「慟哭ドウコク」(大声をあげてなげき哭くこと)

イメージ 
 「大声でなく」
(哭・喪)
音の変化  コク:哭  ソウ:喪

大声でなく
 ソウ・も・うしなう  口部            

解字 篆文は、「哭コク(大声でなく)+亾ボウ(=亡。死者)」の会意。亾ボウは死者の象形。この字で哭は、口口が犬の上でなく犬の左右にひとつずつ配されている。喪の原義は亡き人を送り大声で哭くこと。死者との別れを悲しむ葬送の意。また、死後一定期間悲しみの意を表す「も」の意味にも用いられる。
意味 (1)死者をほうむる儀式。とむらい。「喪主もシュ」「喪服もフク」 (2)も(喪)。人の死後、近親者が一定期間悲しみの意をあらわす礼。「喪中もチュウ」「喪家ソウカ」(喪中の家) (3)うしなう(喪う)。なくす。「喪失ソウシツ」「喪亡ソウボウ」(なくなる。滅亡する)
覚え方 じゅう()に、くちぐち(口口)、いち()に、れめ(レメ) ※は、ノに右はらい
<紫色は常用漢字>

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