邑 ユウ・むら 邑部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/60/b3496ff747d6dd194439de2478d7cda0.png)
解字 「囗(かこい)+卩セツ(人のひざまずいた形)」の会意。囗イは外囲いを表し、都市の城壁をめぐらした形。卩セツは人のひざまずいた形で、のちに巴に変化した。両者を合わせた邑ユウは、城壁の中に人がひざまずいている形で、人々が支配者に管理されて住む都市を表す。また、都市のほかに一般の村里の意でも使われる。邑は漢字の右辺に位置するとき、阝(おおざと)の形になる。
意味 (1)みやこ。くに。諸侯の領地。「大邑ダイユウ」(王都。殷の都)「都邑トユウ」(①みやこ。②みやこと、むら)「城邑ジョウユウ」(都会・みやこ)「食邑ショクユウ」(領地。知行所)「采邑サイユウ」(領地。知行地) (2)むら(邑)。さと。「邑宰ユウサイ」(村長)「邑里ユウリ」(むらざと)「邑落ユウラク」(むらざと)「邑犬群吠ユウケングンバイ」(村里の犬が群がって吠える。つまらない者どうしが集まって騒ぎ立てる) (3)うれえる。(=悒)「忿邑フンユウ」(いかり、うれえる) (4)姓のひとつ。「仲邑なかむら」
イメージ
「外囲いの中に住む人々」(邑・阝)
「同音代替」(悒)
音の変化 ユウ:邑・悒 おおざと:阝
外囲いの中に住む人々
阝[邑] おおざと 阝部
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/43/88e1ddbca51d3abeaea645f6d905c10f.png)
郡にみる邑ユウの変遷
解字 邑ユウは漢字の右側(旁つくり)に置かれたとき阝のかたちに変化する。邑⇒阝への変化をたどる一例として郡グンの篆文テンブンと隷書レイショ(漢代の役人などが主に使用した書体)を上に挙げた。篆文の邑は「口+卩セツ」の形だが、隷書第一字で「口+巳」になり、第二字で「口二つがタテ線でつながった形」になり、第三字で阝になった。すなわち、隷書の時代に邑⇒阝への変化は完成している。
意味 部首「阝おおざと」は、邑ユウの意味である、みやこ・くに・むら・さと等、人が住む比較的大きな場所や領域を示す。漢字の左側にきたときも同じ形になるが、これは阜フ(おか)の簡略形で、「こざと」と呼んで区別される。
常用漢字には12字があり、約14,600字を収録する『新漢語林』では116字を収録している。主な字は以下のとおり。
郊コウ(阝+音符「交コウ」)・郡グン(阝+音符「君クン」)・郎ロウ(阝+音符「良リョウ」)
部ブ(阝+音符「咅バイ」)・都ト(阝+音符「者シャ」)・郵ユウ(阝+垂の会意)など。
なお、この部の、郭カク・郷キョウ・那ナ、は音符となる。
同音代替
悒 ユウ・うれえる 忄部
解字 「忄(心)+邑(ユウ)」の形声。ユウは憂ユウ(うれえる)に通じ、心でうれえること。
意味 うれえる(悒える)。気がふさぐ。「悒鬱ユウウツ」(心配で気がふさぐ。=憂鬱)「悒悒ユウユウ」(気がふさぎ、たのしめないさま)「悁悒エンユウ」(いかり、うれえる)
<参考>
阝[阜] こざと
阜フが漢字の左側(偏)に置かれたときの形。。「こざと」は里と関係なく本来の意味である丘や山の意、壁や土塁の意。また、ハシゴ(梯子)の意などで用いられる。
部首「阝こざと」へ
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
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解字 「囗(かこい)+卩セツ(人のひざまずいた形)」の会意。囗イは外囲いを表し、都市の城壁をめぐらした形。卩セツは人のひざまずいた形で、のちに巴に変化した。両者を合わせた邑ユウは、城壁の中に人がひざまずいている形で、人々が支配者に管理されて住む都市を表す。また、都市のほかに一般の村里の意でも使われる。邑は漢字の右辺に位置するとき、阝(おおざと)の形になる。
意味 (1)みやこ。くに。諸侯の領地。「大邑ダイユウ」(王都。殷の都)「都邑トユウ」(①みやこ。②みやこと、むら)「城邑ジョウユウ」(都会・みやこ)「食邑ショクユウ」(領地。知行所)「采邑サイユウ」(領地。知行地) (2)むら(邑)。さと。「邑宰ユウサイ」(村長)「邑里ユウリ」(むらざと)「邑落ユウラク」(むらざと)「邑犬群吠ユウケングンバイ」(村里の犬が群がって吠える。つまらない者どうしが集まって騒ぎ立てる) (3)うれえる。(=悒)「忿邑フンユウ」(いかり、うれえる) (4)姓のひとつ。「仲邑なかむら」
イメージ
「外囲いの中に住む人々」(邑・阝)
「同音代替」(悒)
音の変化 ユウ:邑・悒 おおざと:阝
外囲いの中に住む人々
阝[邑] おおざと 阝部
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郡にみる邑ユウの変遷
解字 邑ユウは漢字の右側(旁つくり)に置かれたとき阝のかたちに変化する。邑⇒阝への変化をたどる一例として郡グンの篆文テンブンと隷書レイショ(漢代の役人などが主に使用した書体)を上に挙げた。篆文の邑は「口+卩セツ」の形だが、隷書第一字で「口+巳」になり、第二字で「口二つがタテ線でつながった形」になり、第三字で阝になった。すなわち、隷書の時代に邑⇒阝への変化は完成している。
意味 部首「阝おおざと」は、邑ユウの意味である、みやこ・くに・むら・さと等、人が住む比較的大きな場所や領域を示す。漢字の左側にきたときも同じ形になるが、これは阜フ(おか)の簡略形で、「こざと」と呼んで区別される。
常用漢字には12字があり、約14,600字を収録する『新漢語林』では116字を収録している。主な字は以下のとおり。
郊コウ(阝+音符「交コウ」)・郡グン(阝+音符「君クン」)・郎ロウ(阝+音符「良リョウ」)
部ブ(阝+音符「咅バイ」)・都ト(阝+音符「者シャ」)・郵ユウ(阝+垂の会意)など。
なお、この部の、郭カク・郷キョウ・那ナ、は音符となる。
同音代替
悒 ユウ・うれえる 忄部
解字 「忄(心)+邑(ユウ)」の形声。ユウは憂ユウ(うれえる)に通じ、心でうれえること。
意味 うれえる(悒える)。気がふさぐ。「悒鬱ユウウツ」(心配で気がふさぐ。=憂鬱)「悒悒ユウユウ」(気がふさぎ、たのしめないさま)「悁悒エンユウ」(いかり、うれえる)
<参考>
阝[阜] こざと
阜フが漢字の左側(偏)に置かれたときの形。。「こざと」は里と関係なく本来の意味である丘や山の意、壁や土塁の意。また、ハシゴ(梯子)の意などで用いられる。
部首「阝こざと」へ
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。