増補しました。
亶 タン・セン 亠部 dǎn・dàn・chán・zhān
解字 上部は「亠(やね)+回(二重のかこい)」の㐭リンで、中に穀物などを入れて厚い壁で囲い、屋根をのせた形で稟リン・ヒン(こめぐら)の原字。下部に発音を表す旦タンがついた。旦は、この字の発音タン・センを表すだけで意味に関係しない。[説文解字]は「多榖也(なり)」とし穀物が多い意とする。[同注]は「本義は多榖と爲(な)すが、引伸インシン(転義)之(の)義は、厚(あつい)也、信(まこと)也、誠(まこと)也」とする。また、センの発音は専セン(もっぱら)に通じ、もっぱら・ほしいままの意味を表す。
意味 (1)ゆたか。多穀。実りが多い。 (2)あつい(亶い)。厚い。あつみがある。 (3)まことに(亶に)。まこと。「亶(まこと)に其れ然(しか)る乎(か)」(本当にそうであるなあ) (4)ほしいまま(亶)。もっぱら。(=擅)
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意味(2)の「厚い(あつみ)」(亶・壇・氈)
意味(1)の「ゆたか」(檀)
「形声字」(擅・羶・顫)
音の変化 タン・ダン:亶・壇・檀 セン:氈・擅・羶・顫
厚い(あつみ)
壇 ダン・タン 土部 tán・dàn・shàn
解字 「土(つち)+亶(厚い)」の会意形声。土を厚く盛り、平らにした台。土にかかわらず高い台をいう。
意味 (1)他より一段高くした台。「祭壇サイダン」「壇上ダンジョウ」「基壇キダン」「壇場ダンジョウ」(祭礼を行なうために土を盛り平らにした場所) (2)(同じ壇に乗っている)専門家の集団。「画壇ガダン」「文壇ブンダン」
氈 セン 毛部 zhān
解字 「毛(け)+亶(厚い)」の会意形声。厚い毛織りの敷物。
緋毛氈の台
意味 もうせん(毛氈)。毛織の敷物。「緋毛氈ヒモウセン」(赤い色の毛氈)「毛氈苔モウセンごけ」(赤い腺毛があり緋毛氈を敷いたように生える苔)
ゆたか
檀 ダン・タン・まゆみ 木部 tán
解字 「木(き)+亶(ゆたか)」の会意形声。香りのゆたかな木。日本では、まゆみに当てる。
紫檀
意味 (1)びゃくだん科の香りのゆたかな常緑樹。仏像・細工物などの材料となる。「白檀ビャクダン」「黒檀コクタン」「紫檀シタン」 (2)[国]まゆみ(檀)。ニシキギ科の落葉低木。昔、この材で弓を作った。真弓とも書く。「檀弓ダンキュウ」(まゆみで作った弓。まゆみの木)「檀紙ダンシ」(まゆみの樹皮を材料とした和紙) (3)梵語の音訳字。「檀那ダンナ」(danaの音訳で布施の意)「檀家ダンカ」(一定の寺院に属し布施をする俗家)「檀林ダンリン」(寺の学問所・寺院)
形声字
擅 セン 扌部 shàn
解字 「扌(手)+亶(セン)」の形声。センは専セン(ひとりじめする)に通じ、手で独り占めする意。
意味 ほしいままにする。ひとりじめする。「独擅場ドクセンジョウ」(ひとり舞台。誤って独壇場ドクダンジョウともいい、この語が通用している)「擅権センケン」(権力をほしいままにする=専権)「擅断センダン」(=専断)
羶 セン・なまぐさい 羊部 shān
解字 甲骨文字は羊が三匹集まる形。甲骨文字辞典は「羊を多く並べた形であり祭祀儀礼を表現したもの」とする。金文は羊が二匹となり、篆文第一字は羊が三匹となった。[説文解字]は「羊、臭(にお)う也(なり)」とし、羊の生肉がにおう意とする。第二字は「羊と亶センに从(したが)う」とし、同じ意味で亶センは発音を表した形声字。
意味 (1)なまぐさい(羶い)。羊のなま肉。「葷羶クンセン」(においの強い野菜と、生ぐさい肉)「羶血クンケツ」(生臭い血)「腥羶セイセン」(腥も羶も、生臭い意) (2)「羶行センコウ」とは、人にしたわれる言行。ありが羊の肉にしたい寄ってくるのを例えた言葉。
顫 セン・ふるえる 頁部 chàn・shān・zhàn
解字 「頁(あたま)+亶(セン)」の形声。[説文解字注]に「頭(あたま)定(まら)不(ず)也(なり)」とあり、[字通]は「頭がふるえること、手足がわななくような状態になること」とする。
意味 (1)ふるえる(顫える)。おののく。「顫動センドウ」(ふるえうごく)「顫恐センキョウ」(ふるえおそれる)「顫栗センリツ」(おののきふるえる。戦慄)「顫掉セントウ」(ふるえ動かす)(2)よろよろする。ゆらゆらする。「顫巍センギ」(①ものをゆする・ゆれる、③よろよろする)「顫微センビ」(ゆらゆらする)
<紫色は常用漢字>
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亶 タン・セン 亠部 dǎn・dàn・chán・zhān
解字 上部は「亠(やね)+回(二重のかこい)」の㐭リンで、中に穀物などを入れて厚い壁で囲い、屋根をのせた形で稟リン・ヒン(こめぐら)の原字。下部に発音を表す旦タンがついた。旦は、この字の発音タン・センを表すだけで意味に関係しない。[説文解字]は「多榖也(なり)」とし穀物が多い意とする。[同注]は「本義は多榖と爲(な)すが、引伸インシン(転義)之(の)義は、厚(あつい)也、信(まこと)也、誠(まこと)也」とする。また、センの発音は専セン(もっぱら)に通じ、もっぱら・ほしいままの意味を表す。
意味 (1)ゆたか。多穀。実りが多い。 (2)あつい(亶い)。厚い。あつみがある。 (3)まことに(亶に)。まこと。「亶(まこと)に其れ然(しか)る乎(か)」(本当にそうであるなあ) (4)ほしいまま(亶)。もっぱら。(=擅)
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意味(2)の「厚い(あつみ)」(亶・壇・氈)
意味(1)の「ゆたか」(檀)
「形声字」(擅・羶・顫)
音の変化 タン・ダン:亶・壇・檀 セン:氈・擅・羶・顫
厚い(あつみ)
壇 ダン・タン 土部 tán・dàn・shàn
解字 「土(つち)+亶(厚い)」の会意形声。土を厚く盛り、平らにした台。土にかかわらず高い台をいう。
意味 (1)他より一段高くした台。「祭壇サイダン」「壇上ダンジョウ」「基壇キダン」「壇場ダンジョウ」(祭礼を行なうために土を盛り平らにした場所) (2)(同じ壇に乗っている)専門家の集団。「画壇ガダン」「文壇ブンダン」
氈 セン 毛部 zhān
解字 「毛(け)+亶(厚い)」の会意形声。厚い毛織りの敷物。
緋毛氈の台
意味 もうせん(毛氈)。毛織の敷物。「緋毛氈ヒモウセン」(赤い色の毛氈)「毛氈苔モウセンごけ」(赤い腺毛があり緋毛氈を敷いたように生える苔)
ゆたか
檀 ダン・タン・まゆみ 木部 tán
解字 「木(き)+亶(ゆたか)」の会意形声。香りのゆたかな木。日本では、まゆみに当てる。
紫檀
意味 (1)びゃくだん科の香りのゆたかな常緑樹。仏像・細工物などの材料となる。「白檀ビャクダン」「黒檀コクタン」「紫檀シタン」 (2)[国]まゆみ(檀)。ニシキギ科の落葉低木。昔、この材で弓を作った。真弓とも書く。「檀弓ダンキュウ」(まゆみで作った弓。まゆみの木)「檀紙ダンシ」(まゆみの樹皮を材料とした和紙) (3)梵語の音訳字。「檀那ダンナ」(danaの音訳で布施の意)「檀家ダンカ」(一定の寺院に属し布施をする俗家)「檀林ダンリン」(寺の学問所・寺院)
形声字
擅 セン 扌部 shàn
解字 「扌(手)+亶(セン)」の形声。センは専セン(ひとりじめする)に通じ、手で独り占めする意。
意味 ほしいままにする。ひとりじめする。「独擅場ドクセンジョウ」(ひとり舞台。誤って独壇場ドクダンジョウともいい、この語が通用している)「擅権センケン」(権力をほしいままにする=専権)「擅断センダン」(=専断)
羶 セン・なまぐさい 羊部 shān
解字 甲骨文字は羊が三匹集まる形。甲骨文字辞典は「羊を多く並べた形であり祭祀儀礼を表現したもの」とする。金文は羊が二匹となり、篆文第一字は羊が三匹となった。[説文解字]は「羊、臭(にお)う也(なり)」とし、羊の生肉がにおう意とする。第二字は「羊と亶センに从(したが)う」とし、同じ意味で亶センは発音を表した形声字。
意味 (1)なまぐさい(羶い)。羊のなま肉。「葷羶クンセン」(においの強い野菜と、生ぐさい肉)「羶血クンケツ」(生臭い血)「腥羶セイセン」(腥も羶も、生臭い意) (2)「羶行センコウ」とは、人にしたわれる言行。ありが羊の肉にしたい寄ってくるのを例えた言葉。
顫 セン・ふるえる 頁部 chàn・shān・zhàn
解字 「頁(あたま)+亶(セン)」の形声。[説文解字注]に「頭(あたま)定(まら)不(ず)也(なり)」とあり、[字通]は「頭がふるえること、手足がわななくような状態になること」とする。
意味 (1)ふるえる(顫える)。おののく。「顫動センドウ」(ふるえうごく)「顫恐センキョウ」(ふるえおそれる)「顫栗センリツ」(おののきふるえる。戦慄)「顫掉セントウ」(ふるえ動かす)(2)よろよろする。ゆらゆらする。「顫巍センギ」(①ものをゆする・ゆれる、③よろよろする)「顫微センビ」(ゆらゆらする)
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