増補しました。
耳 ジ・みみ 耳部 ěr
耳の外観(ウィキペディアより)
解字 甲骨文字は耳を描いた象形。金文もその面影を残すが、篆文にいたり形が変わり隷書(漢代)をへて現在の耳になった。耳を音符に含む字は、耳の意のほか、耳たぶの柔らかいことから、「やわらかい」イメージがある。
意味 (1)みみ(耳)。「耳朶ジダ」(みみたぶ)「耳目ジモク」(①耳と目。②多くの人々の注意・注目)。「耳目をひく」「耳鼻科ジビカ」「耳寄(みみよ)り」(2)みみ状のもの。「食パンの耳」
参考 耳ジは部首「耳みみ・みみへん」となる。意味は、耳・耳のはたらき等を表す。常用漢字で5字、約14,600字を収録する『新漢語林』では45字収録されている。主な字は以下のとおり。
耳ジ・みみ (部首)紫色は常用漢字
聞ブン・モン・きく(耳+音符「門モン」)
職ショク・つとめ(耳+音符「戠ショク」)
聖セイ・ひじり(耳+口+音符「壬テイ」)
聴チョウ・きく(耳+直+心の会意)
聡ソウ・さとい(耳+音符「忩ソウ」)
耽タン・ふける(耳+音符「冘チン」)
聾ロウ(耳+音符「龍リュウ」)など。
イメージ
「みみ」(耳・弭・珥)
耳たぶが「やわらかい」(恥・餌・茸)
「形声字」(洱)
音の変化 ジ:耳・餌・珥・洱 ジョウ:茸 チ:恥 ビ:弭
みみ
弭 ビ・ミ・ゆはず 弓部 mǐ
骨製の弭(現在はネットにない)
現在の弓の弭ゆはずの部分(手前)、右端の弓弭が古形に近い。(中国のネットから)
解字 「弓(ゆみ)+耳(みみの形)」の会意。弓の端の耳のかたちをした部分で、弓弦(ゆづる)をかけるところ。骨や象牙など堅いもので作り、弓の先端に取り付けた。また弓の先端にあるので、末端・そこまでで止める意ともなる。
意味 (1)ゆはず(弭)。弓弭・弓筈とも書く。弓の両端にある弓の弦をかけるところ。「象弭ゾウビ」(象牙製のゆはず)(2)やめる。そこまでで終りにする。「弭兵ビヘイ」(戦争をやめる)「弭息ビソク」(やむ。平穏になる。弭も息も、やむ意)
珥 ジ・ニ・みみだま 王部 ěr・èr
解字 「王(たま)+耳(みみ)」の会意形声。王は玉の意。耳につける玉をいう。また、耳につけることから耳に「さしはさむ」意味になる。
意味 (1)みみだま(珥)。耳に飾る玉。「双珥ソウジ」(両耳の玉)「珠珥シュジ」(真珠の珥)「剣珥ケンジ」(ここで珥は剣の鐔つばの意)(2)さしはさむ(珥む)。「珥筆ジヒツ」(筆をさしはさむ。[字統]によれば、筆を冠のへりにさしはさむ意とし、筆記の職)
やわらかい
恥 チ・はじる・はじ・はじらう・はずかしい 心部 chǐ
解字 「心(こころ)+耳(やわらかい)」 の会意形声。心がやわらかく感受性があり、自分を気まり悪く思うこと。
意味 はじる(恥じる)。はじ(恥)。はじらう(恥じらう)。はずかしめる。「羞恥シュウチ」(恥ずかしく思う気持ち)「恥辱チジョク」(はずかしめ)「無恥ムチ」(恥を知らない)
餌 ジ・えさ・え 食部 ěr
解字 「𩙿(食)+耳(やわらかい)」の会意形声。やわらかい食べ物。[説文解字]は「粉をこねて作った食べ物で発音は耳ジ」とする。転じて、動物のえさ・食べ物の総称などに用いる。𩙿⇒食の表記も可。
意味 (1)麦粉や米粉をこねて蒸した餅状のやわらかい食べ物。ねりもち。こながき。だんご類。(2)え(餌)・えさ(餌)。動物のえさ。「餌食エジキ」(①えさとして食われるもの。②ねらわれて犠牲となる)(2)人を誘惑する手段。「好餌コウジ」(人を誘い寄せる手段)「餌(えさ)でつる」(3)たべもの。食物の総称。「食餌ショクジ」(たべもの。えさ)「薬餌ヤクジ」(薬と食物)「餌口ジコウ」(食事をする。生計をたてる。≒糊口ココウ)
茸 ジョウ・きのこ・たけ 艸部 róng・rǒng
解字 「艸(草)+耳(やわらかい)」の会意。芽吹いてのびるやわらかい草。また、鹿の生えたての角。日本では、やわらかいキノコの意で使われる。
①②
①鹿茸ロクジョウ(「生薬のはなし・鹿茸」より)②松茸(「ウィキペデア」より)
意味 (1)しげる。草が生い茂る。「茸茸ジョウジョウ」(草が盛んに茂るさま)(2)鹿の新しく生えたやわらかい角。「鹿茸ロクジョウ」(鹿の角が脱落したのち、再生中のやわらかな角。ふくろづの。漢方の強壮薬とする)(3)[国]きのこ(茸)。たけ(茸)。「松茸まつたけ」「椎茸しいたけ」
形声字
洱 ジ 氵部 ěr
解字 「氵(みず)+耳(ジ)」の形成。ジという名の川や湖を表す地名用字。
普洱茶(プーアル茶)
意味 (1)川や湖の名。「洱水ジスイ」(河南省南陽あたりを流れていた昔の川の名)「洱海ジカイ」(雲南省大理にある湖の名)(2)「普洱茶プーアルチャ」とは、雲南省の普洱(pǔ ěrプーアル)県とその周辺が主要産地のお茶。なかでも茶葉を蒸してから圧縮して円盤状にして発酵させる固形茶で知られる。固形のため運搬に便利で長期保存もできるため、古来、雲南省から四川省をへて(茶馬古道)、チベットやモンゴルへ運ばれ遊牧民もミルクティーにして愛飲している。
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
耳 ジ・みみ 耳部 ěr
耳の外観(ウィキペディアより)
解字 甲骨文字は耳を描いた象形。金文もその面影を残すが、篆文にいたり形が変わり隷書(漢代)をへて現在の耳になった。耳を音符に含む字は、耳の意のほか、耳たぶの柔らかいことから、「やわらかい」イメージがある。
意味 (1)みみ(耳)。「耳朶ジダ」(みみたぶ)「耳目ジモク」(①耳と目。②多くの人々の注意・注目)。「耳目をひく」「耳鼻科ジビカ」「耳寄(みみよ)り」(2)みみ状のもの。「食パンの耳」
参考 耳ジは部首「耳みみ・みみへん」となる。意味は、耳・耳のはたらき等を表す。常用漢字で5字、約14,600字を収録する『新漢語林』では45字収録されている。主な字は以下のとおり。
耳ジ・みみ (部首)紫色は常用漢字
聞ブン・モン・きく(耳+音符「門モン」)
職ショク・つとめ(耳+音符「戠ショク」)
聖セイ・ひじり(耳+口+音符「壬テイ」)
聴チョウ・きく(耳+直+心の会意)
聡ソウ・さとい(耳+音符「忩ソウ」)
耽タン・ふける(耳+音符「冘チン」)
聾ロウ(耳+音符「龍リュウ」)など。
イメージ
「みみ」(耳・弭・珥)
耳たぶが「やわらかい」(恥・餌・茸)
「形声字」(洱)
音の変化 ジ:耳・餌・珥・洱 ジョウ:茸 チ:恥 ビ:弭
みみ
弭 ビ・ミ・ゆはず 弓部 mǐ
骨製の弭(現在はネットにない)
現在の弓の弭ゆはずの部分(手前)、右端の弓弭が古形に近い。(中国のネットから)
解字 「弓(ゆみ)+耳(みみの形)」の会意。弓の端の耳のかたちをした部分で、弓弦(ゆづる)をかけるところ。骨や象牙など堅いもので作り、弓の先端に取り付けた。また弓の先端にあるので、末端・そこまでで止める意ともなる。
意味 (1)ゆはず(弭)。弓弭・弓筈とも書く。弓の両端にある弓の弦をかけるところ。「象弭ゾウビ」(象牙製のゆはず)(2)やめる。そこまでで終りにする。「弭兵ビヘイ」(戦争をやめる)「弭息ビソク」(やむ。平穏になる。弭も息も、やむ意)
珥 ジ・ニ・みみだま 王部 ěr・èr
解字 「王(たま)+耳(みみ)」の会意形声。王は玉の意。耳につける玉をいう。また、耳につけることから耳に「さしはさむ」意味になる。
意味 (1)みみだま(珥)。耳に飾る玉。「双珥ソウジ」(両耳の玉)「珠珥シュジ」(真珠の珥)「剣珥ケンジ」(ここで珥は剣の鐔つばの意)(2)さしはさむ(珥む)。「珥筆ジヒツ」(筆をさしはさむ。[字統]によれば、筆を冠のへりにさしはさむ意とし、筆記の職)
やわらかい
恥 チ・はじる・はじ・はじらう・はずかしい 心部 chǐ
解字 「心(こころ)+耳(やわらかい)」 の会意形声。心がやわらかく感受性があり、自分を気まり悪く思うこと。
意味 はじる(恥じる)。はじ(恥)。はじらう(恥じらう)。はずかしめる。「羞恥シュウチ」(恥ずかしく思う気持ち)「恥辱チジョク」(はずかしめ)「無恥ムチ」(恥を知らない)
餌 ジ・えさ・え 食部 ěr
解字 「𩙿(食)+耳(やわらかい)」の会意形声。やわらかい食べ物。[説文解字]は「粉をこねて作った食べ物で発音は耳ジ」とする。転じて、動物のえさ・食べ物の総称などに用いる。𩙿⇒食の表記も可。
意味 (1)麦粉や米粉をこねて蒸した餅状のやわらかい食べ物。ねりもち。こながき。だんご類。(2)え(餌)・えさ(餌)。動物のえさ。「餌食エジキ」(①えさとして食われるもの。②ねらわれて犠牲となる)(2)人を誘惑する手段。「好餌コウジ」(人を誘い寄せる手段)「餌(えさ)でつる」(3)たべもの。食物の総称。「食餌ショクジ」(たべもの。えさ)「薬餌ヤクジ」(薬と食物)「餌口ジコウ」(食事をする。生計をたてる。≒糊口ココウ)
茸 ジョウ・きのこ・たけ 艸部 róng・rǒng
解字 「艸(草)+耳(やわらかい)」の会意。芽吹いてのびるやわらかい草。また、鹿の生えたての角。日本では、やわらかいキノコの意で使われる。
①②
①鹿茸ロクジョウ(「生薬のはなし・鹿茸」より)②松茸(「ウィキペデア」より)
意味 (1)しげる。草が生い茂る。「茸茸ジョウジョウ」(草が盛んに茂るさま)(2)鹿の新しく生えたやわらかい角。「鹿茸ロクジョウ」(鹿の角が脱落したのち、再生中のやわらかな角。ふくろづの。漢方の強壮薬とする)(3)[国]きのこ(茸)。たけ(茸)。「松茸まつたけ」「椎茸しいたけ」
形声字
洱 ジ 氵部 ěr
解字 「氵(みず)+耳(ジ)」の形成。ジという名の川や湖を表す地名用字。
普洱茶(プーアル茶)
意味 (1)川や湖の名。「洱水ジスイ」(河南省南陽あたりを流れていた昔の川の名)「洱海ジカイ」(雲南省大理にある湖の名)(2)「普洱茶プーアルチャ」とは、雲南省の普洱(pǔ ěrプーアル)県とその周辺が主要産地のお茶。なかでも茶葉を蒸してから圧縮して円盤状にして発酵させる固形茶で知られる。固形のため運搬に便利で長期保存もできるため、古来、雲南省から四川省をへて(茶馬古道)、チベットやモンゴルへ運ばれ遊牧民もミルクティーにして愛飲している。
<紫色は常用漢字>
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