壺[壷] コ・つぼ 士部
解字 甲骨文から篆文まで、蓋(ふた)のついた酒壺の象形。現代字の上部の士はフタを表し、その下はふくらんだつぼの本体を表す。酒壺だけでなく広く「つぼ」の意味を表す。壷は異体字で、壺と同じく使われている。
意味 (1)つぼ(壺)。口がすぼんだ容器。酒つぼ。「壺中コチュウ」(つぼの中)「壺觴コショウ」(酒つぼとさかずき) (2)深くくぼんだところ。「滝壺たきつぼ」 (3)お灸や指圧で効き目があるところ。「壺を押す」
壱[壹] イチ・イツ <みちる気をとじこめる>
壱[壹] イチ・イツ・ひとつ 士部
解字 篆文は、壺の中に吉(とじこめる意)を書いて、中に満ちる気をとじこめている形。壺の中のものが発酵して中にみちる状態をいう。旧字は壹に作り、壺の上部と豆(たかつき)が合わさった形をしている。イチ・イツの発音から、数字の一に仮借カシャ(当て字)された。新字体の壱は、旧字の豆がヒに変化した。
意味 (1)ひとつ(壱つ)。(2)もっぱら。ひとたび。みな。ひとえに。「壱意イチイ」(その事だけに心を注ぐ)「壱食イツショク」(会食)(3)地名。「壱岐いき」(もと壱岐国。現在、長崎県壱岐市。九州と朝鮮半島との間に対馬とともに飛び石状にある島)
※金銭の証書などでは、間違いを防ぐために「一」の代わりに「壱」を用いる。
イメージ
壺の中に気が「みちる」(壱・懿)
壺の中に気を「とじこめる」(饐・噎)
音の変化 イチ:壱 イ:懿・饐 エツ:噎
みちる
懿 イ・よい 心部
解字 「次(吐息をもらす)+心(こころ)+壹(みちる)」の会意形声。壺の中にみちる香気に感動して心からため息をもらすこと。よい。りっぱな意となる。次はため息をもらす形、音符「次ジ」を参照。
意味 (1)よい(懿い)。立派な。「懿徳イトク」(すぐれた徳)「懿風イフウ」(立派な風習)「懿績イセキ」(立派な功績) (2)人名。「司馬 懿シバ イ」(後漢末期から三国 時代曹魏にかけての武将・政治家)
とじこめる
饐 イ・エツ・すえる 食部
解字 「𩙿(食べ物)+壹(とじこめる)」の会意形声。食べ物を壺のなかに閉じ込めた結果、食べ物がくさること。日本語の「すえる」はご飯がすっぱくなることから。
意味 (1)すえる(饐える)。食べ物がくさること。「冷や飯も饐(す)える頃」 (2)むせぶ。(=噎)
噎 エツ・イツ・むせぶ 口部
解字 「口(くち)+壹(とじこめる)」の会意形声。口から入った食べ物が、のどでつまって、むせぶこと。
意味 (1)むせぶ(噎ぶ)。=咽(むせ)ぶ。「噎噎エツエツ」(むせぶ)「噎嘔エツオウ」(むせて口の物を吐く)「煙噎エンエツ」(けむりにむせぶ)
<紫色は常用漢字>
解字 甲骨文から篆文まで、蓋(ふた)のついた酒壺の象形。現代字の上部の士はフタを表し、その下はふくらんだつぼの本体を表す。酒壺だけでなく広く「つぼ」の意味を表す。壷は異体字で、壺と同じく使われている。
意味 (1)つぼ(壺)。口がすぼんだ容器。酒つぼ。「壺中コチュウ」(つぼの中)「壺觴コショウ」(酒つぼとさかずき) (2)深くくぼんだところ。「滝壺たきつぼ」 (3)お灸や指圧で効き目があるところ。「壺を押す」
壱[壹] イチ・イツ <みちる気をとじこめる>
壱[壹] イチ・イツ・ひとつ 士部
解字 篆文は、壺の中に吉(とじこめる意)を書いて、中に満ちる気をとじこめている形。壺の中のものが発酵して中にみちる状態をいう。旧字は壹に作り、壺の上部と豆(たかつき)が合わさった形をしている。イチ・イツの発音から、数字の一に仮借カシャ(当て字)された。新字体の壱は、旧字の豆がヒに変化した。
意味 (1)ひとつ(壱つ)。(2)もっぱら。ひとたび。みな。ひとえに。「壱意イチイ」(その事だけに心を注ぐ)「壱食イツショク」(会食)(3)地名。「壱岐いき」(もと壱岐国。現在、長崎県壱岐市。九州と朝鮮半島との間に対馬とともに飛び石状にある島)
※金銭の証書などでは、間違いを防ぐために「一」の代わりに「壱」を用いる。
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壺の中に気が「みちる」(壱・懿)
壺の中に気を「とじこめる」(饐・噎)
音の変化 イチ:壱 イ:懿・饐 エツ:噎
みちる
懿 イ・よい 心部
解字 「次(吐息をもらす)+心(こころ)+壹(みちる)」の会意形声。壺の中にみちる香気に感動して心からため息をもらすこと。よい。りっぱな意となる。次はため息をもらす形、音符「次ジ」を参照。
意味 (1)よい(懿い)。立派な。「懿徳イトク」(すぐれた徳)「懿風イフウ」(立派な風習)「懿績イセキ」(立派な功績) (2)人名。「司馬 懿シバ イ」(後漢末期から三国 時代曹魏にかけての武将・政治家)
とじこめる
饐 イ・エツ・すえる 食部
解字 「𩙿(食べ物)+壹(とじこめる)」の会意形声。食べ物を壺のなかに閉じ込めた結果、食べ物がくさること。日本語の「すえる」はご飯がすっぱくなることから。
意味 (1)すえる(饐える)。食べ物がくさること。「冷や飯も饐(す)える頃」 (2)むせぶ。(=噎)
噎 エツ・イツ・むせぶ 口部
解字 「口(くち)+壹(とじこめる)」の会意形声。口から入った食べ物が、のどでつまって、むせぶこと。
意味 (1)むせぶ(噎ぶ)。=咽(むせ)ぶ。「噎噎エツエツ」(むせぶ)「噎嘔エツオウ」(むせて口の物を吐く)「煙噎エンエツ」(けむりにむせぶ)
<紫色は常用漢字>