2012.1.19 03:28 [外信コラム]
「ダァジァハオ、ダッゲーホー、タイカーホゥ、ナーガイホー…」
激戦が展開された今回の台湾総統選。3人の候補者は、政見放送や集会演説の冒頭、「みなさん、こんにちは」(大家好)というあいさつに、中国語、台湾語、客家語、さらには代表的な先住民語と、3、4言語を駆使していた。
九州ほどの面積に約2300万人が暮らす台湾。その社会や文化は、この一例が示すように、まことに多様で複雑だ。
台湾籍の本省人と、国共内戦に敗れ、1949年に蒋介石とともに流入した中国大陸籍の外省人、また両者の中には独特の文化を持つ客家も。戦前「高砂族」と呼ばれた先住民はわずか2%だが14部族いる。相互の混血も進んでいる。
オランダ、清、日本などの版図に連なった歴史を持ち、それぞれの文化の残照は今も街や人に残っていて、まるで米国並みだといわれるほどの多民族、多文化共生社会だ。そこでリーダーを選ぼうというのだから、諸事複雑にならざるを得ない。
「4言語くらい駆使して当然」と台湾の友人はいうが、祖国で言葉に不自由した経験がない日本人として、あるいはこの地に複雑さを加えて去った当事国の民草の一員として、戦い終えた3候補に「お疲れさま」といいたくなった。(吉村剛史)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120119/chn12011903280000-n1.htm
「ダァジァハオ、ダッゲーホー、タイカーホゥ、ナーガイホー…」
激戦が展開された今回の台湾総統選。3人の候補者は、政見放送や集会演説の冒頭、「みなさん、こんにちは」(大家好)というあいさつに、中国語、台湾語、客家語、さらには代表的な先住民語と、3、4言語を駆使していた。
九州ほどの面積に約2300万人が暮らす台湾。その社会や文化は、この一例が示すように、まことに多様で複雑だ。
台湾籍の本省人と、国共内戦に敗れ、1949年に蒋介石とともに流入した中国大陸籍の外省人、また両者の中には独特の文化を持つ客家も。戦前「高砂族」と呼ばれた先住民はわずか2%だが14部族いる。相互の混血も進んでいる。
オランダ、清、日本などの版図に連なった歴史を持ち、それぞれの文化の残照は今も街や人に残っていて、まるで米国並みだといわれるほどの多民族、多文化共生社会だ。そこでリーダーを選ぼうというのだから、諸事複雑にならざるを得ない。
「4言語くらい駆使して当然」と台湾の友人はいうが、祖国で言葉に不自由した経験がない日本人として、あるいはこの地に複雑さを加えて去った当事国の民草の一員として、戦い終えた3候補に「お疲れさま」といいたくなった。(吉村剛史)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120119/chn12011903280000-n1.htm