(苫小牧民報 2012年 1/23)
アイヌフォーラム北海道2012が21日、白老町中央公民館で開かれた。政府が白老町を適地とした「民族共生の象徴的空間」(象徴空間)の早期整備へ地元の機運を盛り上げようと、道が主催したイベント。伝統舞踊のステージなど多彩な催しが繰り広げられ、約400人がアイヌ民族の政策や文化伝承の現状に理解を深めた。
オープニングでは、主催者を代表し、道の多田健一郎副知事が「象徴空間の整備が白老で円滑に展開できるよう、皆さまのお力添えを頂きたい」とあいさつ。戸田安彦町長も「アイヌ民族の歴史や問題を、道民の皆さんがそれぞれの立場でPRしてほしい」と期待を述べた。
アイヌ政策の現状を紹介する「アイヌワンポイントセミナー」では、北海道大学アイヌ・先住民族センターの常本照樹教授、佐々木利和教授がそれぞれ講演。常本教授は今後のアイヌ政策の方向性を解説し、「多くの国民がアイヌの歴史や文化を認識しなくては、アイヌ民族の生活支援などが円滑に進められない」と、象徴空間のコンセプトの一つである国民理解の重要性を指摘。佐々木教授は象徴空間の在り方について、「国が主体的になって自然公園などを整備する事業だが、アイヌの人々や自治体の積極的な参画も欠かせない」と強調。「アイヌ語と日本語を併記した地名の案内板を至る所に設置し、白老の空間をアイヌ語で埋めていくことなど、(地元で)地道にできることもある」と提言した。
札幌大学は、アイヌ子弟を学生として受け入れ、文化の担い手として養成する教育システム「ウレシパ・プロジェクト」を発表。学生たちがアイヌ古式舞踊の「弓の舞」などの練習成果を披露したほか、同大の本田優子教授が「プロジェクトにはアイヌ民族以外にも和人や海外の留学生も参加しており、学生たちは多様性の価値を肌で感じている」などと、取り組みの成果を語った。
このほかステージでは、札幌市こどもの劇場やまびこ座が、登別出身のアイヌ文芸家・神成マツのウエペケレ(口承文芸)を題材にした人形劇を、アイヌ民族博物館は古式舞踊や伝統儀式カムイノミなどが一体となった「ポロトコタンの夜」をそれぞれ上演。観客らはアイヌ文化の世界を存分に堪能していた。
http://www.tomamin.co.jp/2012s/s12012302.html
アイヌフォーラム北海道2012が21日、白老町中央公民館で開かれた。政府が白老町を適地とした「民族共生の象徴的空間」(象徴空間)の早期整備へ地元の機運を盛り上げようと、道が主催したイベント。伝統舞踊のステージなど多彩な催しが繰り広げられ、約400人がアイヌ民族の政策や文化伝承の現状に理解を深めた。
オープニングでは、主催者を代表し、道の多田健一郎副知事が「象徴空間の整備が白老で円滑に展開できるよう、皆さまのお力添えを頂きたい」とあいさつ。戸田安彦町長も「アイヌ民族の歴史や問題を、道民の皆さんがそれぞれの立場でPRしてほしい」と期待を述べた。
アイヌ政策の現状を紹介する「アイヌワンポイントセミナー」では、北海道大学アイヌ・先住民族センターの常本照樹教授、佐々木利和教授がそれぞれ講演。常本教授は今後のアイヌ政策の方向性を解説し、「多くの国民がアイヌの歴史や文化を認識しなくては、アイヌ民族の生活支援などが円滑に進められない」と、象徴空間のコンセプトの一つである国民理解の重要性を指摘。佐々木教授は象徴空間の在り方について、「国が主体的になって自然公園などを整備する事業だが、アイヌの人々や自治体の積極的な参画も欠かせない」と強調。「アイヌ語と日本語を併記した地名の案内板を至る所に設置し、白老の空間をアイヌ語で埋めていくことなど、(地元で)地道にできることもある」と提言した。
札幌大学は、アイヌ子弟を学生として受け入れ、文化の担い手として養成する教育システム「ウレシパ・プロジェクト」を発表。学生たちがアイヌ古式舞踊の「弓の舞」などの練習成果を披露したほか、同大の本田優子教授が「プロジェクトにはアイヌ民族以外にも和人や海外の留学生も参加しており、学生たちは多様性の価値を肌で感じている」などと、取り組みの成果を語った。
このほかステージでは、札幌市こどもの劇場やまびこ座が、登別出身のアイヌ文芸家・神成マツのウエペケレ(口承文芸)を題材にした人形劇を、アイヌ民族博物館は古式舞踊や伝統儀式カムイノミなどが一体となった「ポロトコタンの夜」をそれぞれ上演。観客らはアイヌ文化の世界を存分に堪能していた。
http://www.tomamin.co.jp/2012s/s12012302.html