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アイヌ英雄像差し替えが暗示する政府の“だまし撃ち”

2018-11-21 | アイヌ民族関連
週刊金曜日 2018年11月21日10:30AM 平田剛士

真歌公園のシャクシャイン像 (右:旧像=2015年4月13日、左:新像=2018年10月28日。共に撮影/平田剛士)
掲げた2枚はどちらも同じ人物をモチーフにした立像の写真だ。撮影場所も同じ、北海道新ひだか町静内の真歌公園である。
モデルは、1669年、台頭する和人勢力(松前藩)に対するレジスタンス戦争を指導し、非業の死を遂げたアイヌの英雄シャクシャイン(生年不詳)。
右の像が長い杖を空の彼方に差し伸ばしてエネルギッシュなのに対し、胸の前のたなごころに視線を落とした左の像はずいぶん内省的に映る。同一人物をかたどったにしては、見る者の受ける印象は正反対と言っていい。
右は地元のアイヌ有志団体「シャクシャイン顕彰会」によって1970年に建立された。その老朽化が激しいとして、NPO法人新ひだかアイヌ協会が監修・制作し、この9月に披露したばかりの新像が左の像だ。旧像は「胆振東部地震で倒壊の危険性が高まった」との理由で町役場(像の所有権者)によってすでに撤去された。
もの言わぬ立像とはいえ、この「シャクシャインの印象の差し替え」は、最近の日本政府と先住民族アイヌとの関係の変化を示唆しているように思える。ただしそれは、先住民族の権利回復に取り組む世界潮流とは真逆の変化だ。
像が立つ真歌公園は、かつてシャクシャインがチャシ(軍事拠点)を構えた戦跡だ。88年8月、北海道ウタリ協会(現在は北海道アイヌ協会)は、民族議席確保・自立化基金創設などを盛り込んだ「アイヌ新法」制定を政府や各党に求めるにあたって、この公園で大規模な決起集会を開いた。また2001年夏、現職大臣や代議士が「アイヌ民族は今はまったく同化された」などとヘイト発言を繰り返した時、各地から大勢のアイヌがこの公園に集まって抗議のシュプレヒコールを繰り返した。
歴史家の田端宏・北海道教育大学名誉教授は、北海道史研究協議会編『北海道史事典』(16年、北海道出版企画センター)の「シャクシャインの戦い」の項で、〈自律性を賭しての戦いはアイヌ民族の歴史のなかで非常に重要な意味がある。現代アイヌ民族の人びとの民族意識に強く関わるからである〉と解説している。
アイヌが政府に要求や抗議をする場としてシャクシャインのチャシ跡が選ばれてきたのは、これが理由だ。そこには、いつも旧像が屹立していた。
【「だまし討ち」の歴史、再び?】
ところが9月23日、アイヌ政策を担当する内閣府官僚らを招待して開かれた新像除幕のセレモニーは、明らかに様相が違った。加藤忠・北海道アイヌ協会理事長は「こんにち、以前には考えられないほどアイヌ政策を進めていただいている」と挨拶した。また、新ひだかアイヌ協会の大川勝会長は「(像は)戦いを呼びかけるのではなく平和と共生を祈る姿に変わった。これからはこの像がアイヌ民族の象徴になる」と語った。
政府はほくそ笑むだろう。だがアイヌ政策が進んでいるというのは本当か? 政府は20年開業を目指し国立アイヌ民族博物館建設などを進めてはいるが、土地や自然資源に関わる権利など、「先住民族の権利に関する国連宣言」(07年採択)が列挙する主要な権利の回復には冷淡なままだ。8月には、国連の監視機関から日本政府に新たな改善勧告が届いた。
さて、はじめ優勢だったシャクシャイン軍に対し、江戸幕府は鉄砲隊を投入して鎮圧にかかる。敗色濃厚となったシャクシャインは、松前藩が提示した「償い品を出せば命は助ける」という条件を受け入れ、敵陣内で講和の約束を交わすのだが、同夜の酒宴で酔い潰され、藩の暗殺隊に殺されてしまう。だまし討ちだ。
暗殺日直近の週末だった10月28日、旧像が取り壊され台座のみが残る真歌公園で、最後まで旧像存続を訴えていた顕彰会会員たちがイチャルパ(慰霊の儀式)を執りおこなった。参加者の一人はこう語った。「350年前と同じことが今またアイヌに対して繰り返されているのではないか」。
(平田剛士・フリーランス記者、2018年11月9日号)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2018/11/21/antena-370/

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日本遺産 大雪山系とアイヌ文化の魅力発信 桝厚生(ます・こうせい)さん

2018-11-21 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/20 09:03
 環境省の自然保護官として大雪山国立公園の「番人」を務めながら、5月に文化庁の日本遺産に認定された「カムイと共に生きる上川アイヌ」の魅力を広める活動に取り組んでいる。
 上川自然保護官事務所(上川管内上川町)に2016年4月に着任。層雲峡の専門家から、上川と北見のアイヌ民族が山を越えて交流していた歴史を学んだ。休日も山に登り「雄大で厳しい大雪山系の景観に、アイヌの人々は神々の世界を見ていたのだろう」と思いをはせる。
 埼玉県狭山市出身。筑波大で民俗学を専攻し、東北地方で伝統的な狩猟文化を守るマタギと1カ月間一緒に暮らして、修士論文を書いた。「現場主義」の面白さを知り、02年に環境省に入省。05年には南極観測隊に同行する機会も得た。
 自然保護官としての仕事の目標は「地域の文化を生かした国立公園づくり」。大雪山系周辺の上川、十勝管内12市町が日本遺産に認定されたことは大きなチャンスと考えている。認定から半年。「地元の人にもあまり知られていない山の文化的な魅力をもっと伝えたい」と話す。
 旭川市大雪クリスタルホールで21日午後2時から開かれる日本遺産シンポジウムでは、討論会のパネリストとして登壇する。「大雪山系は登山道の荒廃が問題となっている。日本遺産認定を機に、大雪山系のファンを増やし、山を守る取り組みを進めよう」と訴える考えだ。41歳。(佐々木麻美)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/249928

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アイヌ民族の遺骨、慰霊

2018-11-21 | アイヌ民族関連
朝日新聞 2018年11月20日09時29分

アイヌ民族遺骨の慰霊の儀式=札幌市厚別区
北海道博物館
 札幌市厚別区の北海道博物館で19日、アイヌ民族の遺骨を慰霊する儀式が行われ、北海道アイヌ協会、道や北大、札幌医科大の関係者ら約40人が参列した。
 同博物館には、文部科学省の調査で、保管されている13体の遺骨のうち7体がアイヌ民族の遺骨であることが確認され、昨年初めて慰霊の儀式が行われた。
 石森秀三館長が「遺骨の保管に至った経緯について調査を行い、尊厳ある保管に努めていく」とあいさつ。道アイヌ協会の小川悠治理事が「遺骨がどのような経緯で大学や博物館施設に保管されているのか、禍根を残すことのないよう粛々と対応したい」とする加藤忠・同協会理事長のメッセージを代読した。
 儀式では、館内にしつらえられた祭壇の前で、アイヌの人たちが神に神酒を捧げる「カムイノミ」や先祖供養の「イチャルパ」、歌と踊り、輪舞の「ウポポとリムセ」などが行われた。 (芳垣文子)
https://digital.asahi.com/articles/CMTW1811200100003.html?_requesturl=articles%2FCMTW1811200100003.html&rm=157

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アイヌ地域振興に交付金…政府方針

2018-11-21 | アイヌ民族関連
読売新聞 2018年11月20日
観光ルートや工芸品創出
 政府は来年度にも、アイヌの人々が取り組む地域振興や産業振興などの活動に対する、新たな交付金制度を創設する方針を固めた。菅官房長官が19日、記者会見で明らかにした。従来型の文化・福祉政策から総合的な自立政策への転換を図るもので、政府は急ぎ、法的根拠となる新法の成立を目指す考えだ。
 交付金は、自治体やアイヌの関連団体などが実施する事業で、アイヌ関連施設などを結ぶ観光ルートの創設や、新たなアイヌ工芸品の開発、森林活用などが対象になるとみられる。
 内閣官房アイヌ総合政策室は、関連予算を来年度の概算要求に金額を示さずに盛り込んでおり、「アイヌの方々の要望をできる限り反映していきたい」と話している。
https://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20181120-OYTNT50044.html

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アイヌ2遺骨 発掘地判明…北海道博物館

2018-11-21 | アイヌ民族関連
読売新聞 2018年11月20日

 北海道博物館(札幌市)に保管されているアイヌの遺骨7体のうち、2体は函館市南茅部地区とせたな町で発掘されたものとみられることが、寄贈者の遺族からの聞き取り調査で分かった。同館の小川正人・学芸副館長が19日明らかにした。同館では返還先を特定できるかどうかを調べるため、各自治体に内容を伝えている。
 7体の遺骨は1970~80年頃、郷土史家などから同館に寄贈されたもので、研究に使われた形跡はないという。残る5体の来歴についても調査中で、同館は今年度末にも報告書をまとめる方針だ。
イチャルパで弔い
 この日、同館では遺骨に対する慰霊行事「イチャルパ」が行われた。道の主催で昨年に続き、2回目。北海道アイヌ協会や道の関係者ら約40人が参加し、カムイノミ(神酒を神にささげる儀式)やリムセ(踊り)などで弔った。
 儀式に先立ち、石森秀三館長は「保管に至った経緯を詳しく調べ、尊厳ある保管に努めたい」とあいさつした。
https://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20181120-OYTNT50046.html

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むかわ町のシシャモ 被災地復興へイベント規模拡大 (築け食の王国)

2018-11-21 | アイヌ民族関連
日本経済新聞 電子版2018/11/20 22:30
11月上旬に北海道むかわ町で開かれた「シシャモ祭り」。胆振東部地震の震源地に近かった同町の復興イベントとして例年よりも規模を拡大。町人口の2.5倍に及ぶ約2万人が来訪した。名産のシシャモには、アイヌ民族に伝わる伝説がある。飢えに苦しむ人間を救うため、神が柳の葉を魚に変えたとするものだ。「食べて復興の手助けになれば」。地震で傷付いた町に活気が戻った。
人口8100人のむかわ町は地震で、町内の約15…
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37993710Q8A121C1L41000/

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追悼コンサート レノンの遺志伝えたい 命日の来月8日、札幌で /北海道

2018-11-21 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月20日 地方版
 1980年凶弾に倒れたジョン・レノンを追悼するコンサート「GIVE PEACE A CHANCE! ~今こそ平和にチャンスを!~」が命日の12月8日、札幌市中央区南3西1のパーティー会場「フィエスタ」で開かれる。主催者代表は、ジョンの妻、オノ・ヨーコさんのいとこで札幌市在住の小野有五(ゆうご)・北大名誉教授。小野さんは「音楽を楽しみながら、ジョンとヨーコさんが訴えていたラブ・アンド・ピースを伝えたい」と参加を呼びかけている。【杉尾直哉】
 札幌ではジョン追悼コンサートが90年代から毎年開かれていたが、その後中断。昨年再開された。今年は2…
この記事は有料記事です。残り624文字(全文895文字)
https://mainichi.jp/articles/20181120/ddl/k01/040/034000c

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インディアンス 来季のホーム第2ユニは赤 長年親しまれたロゴマークは消える

2018-11-21 | 先住民族関連
スポーツナビ11/20(火) 15:44配信

 インディアンスは19日、来季に着用するユニホームを発表し、ホーム用の第2ユニホームの色には赤が採用されることになった。
 インディアンスは1975年から77年まで赤のユニホームを採用していたが、来季から約40年ぶりに復活。一方、アメリカ先住民族をモチーフにした球団のロゴマーク「ワフー酋長」は、来季から帽子やユニホームに使用されないことになった。
 「ワフー酋長」はファンに長年親しまれていたが、アメリカ先住民族の権利団体から民族を侮辱しているとの声が上がり、大リーグ機構が使用中止を決定。ただ、ファン向けのグッズには今後も「ワフー酋長」のロゴマークが入った商品が継続して販売されるという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181120-00000116-spnannex-base

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