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アイヌの無形文化を伝承するアニメーション制作への思い

2018-11-10 | アイヌ民族関連
シネマトゥデイ 2018年11月9日 21時31分

『私の育てた子グマ』より - (c)Frpac
 北海道で開催された第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭で北海道150年事業特別プログラム「アイヌのお話アニメ『オルシぺスウオプ』」と題して8本の口承文芸作品が上映され、制作を行ったスタジオロッカの高橋慶プロデューサーとアニメーション作家の小笠原大が制作秘話を語った。
 作品はいずれも、公益財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構がアイヌの無形文化の紹介資料やアイヌ語の入門教材を目的に2012年(平成24年)から実施している口承文芸視聴覚資料作成事業で制作された短編アニメーション。同映画祭はこれまでも紹介してきたが、特に今年は北海道命名150年を記念して特別プログラムを組み、物語が独特のメロディーに乗せて語られていく口承文芸作品をフィーチャーした。
上映されたのは、ある夫婦と子グマの絆を描いた『私の育てた子グマ』、女神と化け物の攻防戦をユーモラスに描いた『六つ首の化け物』、悪い心を抱くと災いが招くという戒めを歌った『空の上の雪かき』などバラエティーに富んだ8本。日本語字幕も付いており、自然と共存しながら独自の文化を育んできたアイヌの人たちのいにしえの暮らしに触れることができる。
 アニメの制作は毎年3~4本。日本語に訳された物語から作品のイメージを膨らまし、原画となるイラストを財団に提出。そこから作品の方向性を決めていくという。高橋プロデューサーは「普通のアニメと違うのは、最初に古い音声があって、その音に合わせて全体を決めていくという作業になります。ただ作風などについての自由度は高い」。その結果、作品ごとにタッチの異なる作品が生まれ、アニメーターにとっても挑戦のしがいのある企画なのだという。
 ただし、音声は新しく録音し直すため、現時点で歌える人を探す必要があるという。また正しくアイヌ文化を伝えていくことが目的ゆえ、1作品ごとに大学教授や学芸員などアイヌ文化の専門家などが監修に付き、確認しながらの作業となるという。高橋プロデューサーが「地域によっても文様や室内の作りなどが異なる。その辺りは忠実に、真実に沿って作らなければいけないのでそこが難しい」と言えば、小笠原も「初年度に手がけた作品は、アニメを作る時間よりも原画の監修の方に時間がかかっていたくらい」と語る。
 完成した作品はこうした上映イベントのほか、北海道の小中学校にDVDで配布され、アイヌ文化への理解・継承に役立てられているという。小笠原は「常に鑑賞者を意識しながら制作しています。せっかくならアイヌのことを楽しみながら学んでほしいと思いながらチャレンジしています」と作品への思いを語った。 
 なお作品は、公益財団法人 アイヌ民族文化財団のサイトやYouTubeなどでも鑑賞できる。
 同映画祭ではほか北海道出身の監督にフォーカスしたプログラム「北海道現代アニメーション総進撃!2018」もあり、地元のアニメ文化の振興にも力を入れている。(取材・文:中山治美)
https://www.cinematoday.jp/news/N0104803

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アイヌ文化の伝承を 道観光振興機構、来年3月まで毎月刊行 各地の民族の姿追う /北海道

2018-11-10 | アイヌ民族関連
会員限定有料記事 毎日新聞2018年11月9日 地方版
 北海道観光振興機構は、アイヌ文化の伝承に取り組む人たちを紹介する冊子「ASIR(アシリ)」を作成した。10月から来年3月まで毎月刊行し、道内各地のアイヌ民族の姿を追う。アシリはアイヌ語で「新しい」を意味しており、機構の担当者は「文化を受け継ぐ次世代に興味を持ってもらいたい」と話す。
 第1号の舞台は、多くのアイヌが暮らす平…
この記事は有料記事です。残り219文字(全文381文字)
https://mainichi.jp/articles/20181109/ddl/k01/040/036000c

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<根室 最東端の名城 根室半島チャシ跡群>下 周遊ツアー高まる期待(動画)

2018-11-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/09 09:08
 日本100名城に選定された「根室半島チャシ跡群」の人気を受け、周辺の自治体でもチャシ跡を地域の魅力として生かそうという動きが出ている。
 10月下旬、根室管内標津町で開かれた「松浦武四郎北海道命名150年記念アイヌ民族文化祭」(北海道アイヌ協会主催)。関連行事の「タブ山チャシ跡」(標津町茶志骨)などを訪れるツアーに札幌や根室などから23人が参加した。
■知られぬ絶景
 「昔この地方にトシャムコロという力持ちの大将がいた。アイヌ数千人は彼の言うことをよく聞いた」
 ツアーでは標津町ポー川史跡自然公園の小野哲也学芸員(44)が、江戸時代末期に野付半島などでアイヌ語の通訳として活躍した加賀伝蔵(1804~74年)が記録した地域のアイヌの伝承を紹介した。
 根室管内のチャシ跡を巡っている根室市の団体職員、中沢基さん(45)は「普段はなかなか来られない場所。学芸員の案内が丁寧で、根室管内がクナシリ・メナシの戦いの場所だったのだとイメージが沸いてきました」と話した。
 15~18世紀にかけて築かれたとみられるタブ山チャシ跡は標高約20メートルの地点にあり、コの字形の四つの壕(ごう)が並ぶ構造。ここからは知床連山や国後島などを一望できる絶景だが、これまで観光客の目にとまることはほとんどなかった。
■標津でも熱気
 アイヌ民族の貴重な史跡を保存し観光資源として活用しようと、標津町は2017年、タブ山チャシ跡を町指定文化財に選定した。小野学芸員は「これまで、あまり関心が寄せられていなかったが、チャシ跡は歴史ファンの呼び水になる。根室管内の学芸員と意見交換し、チャシ跡を周遊できる仕組みをつくりたい」と構想を膨らませる。
 標津町内にチャシ跡を案内できるガイドは町観光ガイド協会の3人のみ。ガイドを充実させようと、同協会の会員ら15人は10月上旬に根室市のヲンネモトチャシ跡を訪れ、根室の市民ガイド団体「ねむろトコロジストの会」と意見交換した。標津町観光ガイド協会の会員は「案内したツアー客の人数は」「外国人観光客への対応は」などと熱心に質問していた。
 2020年には胆振管内白老町にアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」が開設され、今後もアイヌ文化への関心は高まっていく。標津アイヌ協会の小川悠治会長(71)は「チャシ跡は標津や羅臼などにもある。チャシ跡を巡った後、阿寒のアイヌコタンを訪れるなどツアーはいろいろと想定できる。アイヌ文化には地域の魅力を高める力がある」と期待を込めた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/246520

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窓口、店頭にアイヌ工芸品 象徴空間PRへ官民ネット 来月からリレー展示

2018-11-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/09 05:00
 胆振管内白老町で整備中のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間」をPRする官民応援ネットワークは8日、会員企業115社の窓口や店舗で来月から象徴空間開設の2020年4月までの500日間にわたり、アイヌ工芸品のリレー展示を行うことを決めた。
 同ネットの横内龍三代表(北海道経済同友会顧問)が同日、札幌市内で開かれた総会で提案した。横内代表が「象徴空間開設への機運を盛り上げるため、アイヌ文化のすばらしさを多くの人に伝えたい」と狙いを話すと、「本社1階のロビーで展示する」「本店以外の複数の店舗でも協力したい」などと賛同する声が相次いだ。
 リレー展示は、象徴空間の運営主体となるアイヌ民族文化財団(札幌)が所蔵する民族衣装のアットゥシ(樹皮衣)や木彫品のイタ(盆)などを、展示用のハンガーやショーケースなどとともに貸し出す。期間は1カ所当たり2~6週間を基本とし、複数箇所での同時開催もできる。輸送費用の一部は企業側が負担する方向で準備している。
 道などが行う「開設500日前カウントダウンイベント」の前日の12月10日、札幌市中央区の商業施設「大通ビッセ」を皮切りに始まり、各地の会員企業を巡回する。象徴空間が開設される20年4月24日に象徴空間内の国立アイヌ民族博物館で終了する。
 同ネットの会員になればリレー展示に参加できる。申し込みや問い合わせは同ネット事務局の道象徴空間開設準備支援室(電)011・206・6473へ。(村田亮)
☆「アットゥシ」のシは小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/246473

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高橋知事、アイヌ政策支援で新交付金要望 

2018-11-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/09 05:00
 高橋はるみ知事は8日、菅義偉官房長官と首相官邸で面会し、政府が2020年までの制定を目指すアイヌ民族に関する新法の理念を具体化するため、幅広い政策を支援する新たな交付金制度の創設を求めた。菅氏は「責任を持ってしっかりと形にしていく」と述べた。
 高橋知事は道アイヌ協会の加藤忠理事長と共に、新法の早期成立や、地方自治体による地域・産業振興を後押しするため、継続的な予算の確保を求める要望書を菅氏に手渡した。面会後、知事は記者団に「新法に基づき、全国でアイヌ民族施策を展開する必要がある」と強調した。(水野薫)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/246453

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アイヌ舞踊発信へ心一つ 阿寒、平取、旭川 24、25日釧路で舞台、稽古に熱

2018-11-10 | アイヌ民族関連
北海道新聞 11/09 05:00
阿寒湖温泉で開かれた研修会で、旭川のツバメの舞の稽古に励む踊り手たち=4日
 釧路市の鳥取ドーム(鳥取北7)で24、25の両日開かれるアイヌ文化発信イベント「カムイモシリ・アイヌモシリ」(阿寒観光協会まちづくり推進機構主催)に向け、道内外のアイヌ民族約30人が、各地の伝統舞踊を織り交ぜた舞台を披露するため稽古に励んでいる。監督を務める阿寒アイヌ工芸協同組合(釧路市)の秋辺日出男専務理事(58)は「インパクトのある舞台でアイヌ文化への関心を広げたい」と力を込める。
 イベントは、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本文化発信の機運を醸成する国のプロジェクトに採択された事業。
 「テレケ!テレケ!」と題した舞台は、秋辺さんが各地で伝わる伝統儀式や舞踊を組み合わせてまとめた作品だ。祈りの儀式から始まり、釧路市阿寒町と日高管内平取町二風谷に伝わるそれぞれのツルの舞、旭川のツバメの舞など九つの舞踊で構成した。「テレケ」はアイヌ語で「跳ねろ」を意味し、歌や踊りの掛け声に使われる。
 3、4日には阿寒湖温泉で最初の研修会を開催。釧路や旭川、平取の踊り手が集まり、それぞれの舞踊を教え合うなど熱のこもった稽古を続けた。自らも舞台に立つ阿寒アイヌ工芸協同組合の西田正男代表理事(72)は「各地のアイヌ民族が、地元以外の舞踊を一緒に踊るのはまれ。心を合わせアイヌ文化を発信したい」と話す。
 イベントは24、25日とも午前10時から。舞踊は24日午後1時と午後4時、25日午後1時の計3回。阿寒湖温泉のアイヌ音楽ユニット「カピウ&アパッポ」などの演奏会、アイヌ文様の刺しゅうやムックリ(口琴)作りの体験会、アイヌアート展も開かれ、アイヌ料理の出店もある。
 入場無料(飲食や体験コーナーは有料)。問い合わせは阿寒観光協会まちづくり推進機構(電)0154・67・3200へ。(佐竹直子)
※「テレケ」の「レ」は小さい字
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/246407/

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北海道の名付け親・松浦武四郎の偉大さ落語に 津市議で落語家の桂三発さん創作

2018-11-10 | アイヌ民族関連
産経新聞 2018.11.9 07:08
 北海道の名付け親で松阪市出身の探検家、松浦武四郎の生誕200年を記念して、津市議で落語家の桂三発さん(54)が創作落語「松浦武四郎一代記」第1部を完成させた。10日に北海道釧路市で開かれる北海道命名150年記念イベントで上演する。三発さんはライフワークとして3部までつくる予定で「彼の偉大さを盛り込みながら、おもしろおかしく笑える落語にしたい」と意気込んでいる。
 生誕200年を契機に武四郎のことを調べるようになったという三発さん。「探検家として全国を旅する課程で、幕末から明治草創期の偉人たちとも交わった。歴史を体現した人」と感動しのめり込んだ。
 松浦武四郎一代記第1部は、北海道に行く前の27歳ごろまでの生涯をまとめた。四男坊として生まれたことから自由に諸国を回り、長崎で大病を患うまでの出来事を盛り込んだ。
 第2部、第3部では北海道の踏査を盛り込む考えだ。三発さんは「迫害を受けていたアイヌを救おうとした人権家としての一面や、さまざまなことに挑戦した魅力的な人柄を伝えたい」とした。
 第1部を上演するのは10日に北海道釧路市の生涯学習センターで開催される「北海道・釧路命名150年武四郎まつりin釧路」。松阪市の市民有志5人も、中国の楽器二胡で「知床旅情」などを演奏するほか、武四郎を盛り込んだ歌「北斗の星人」を披露する。
https://www.sankei.com/region/news/181109/rgn1811090031-n1.html

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赤やオレンジ、色鮮やかモミジ200本 京都・京北で見頃

2018-11-10 | アイヌ民族関連
京都新聞 2018年11月09日 09時21分
 京都市右京区京北の「あうる京北」敷地内にある約200本のモミジが色付き、見頃を迎えている。
 本館や宿泊棟に通じる道沿いや山手一帯に約30年前に植えられたモミジで、真っ赤な色や赤とオレンジのグラデーションの葉が秋の陽光に照らされている。紅葉は例年より1週間くらい早いという。
 10日には第15回「もみじ遊山」が開かれ、アイヌ音楽やリコーダーによる中世ルネサンスの古楽などの演奏や西の鯖街道うまいもん市が開かれる。
https://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20181109000028

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大自然の恵みを堪能!秋の北海道を旅して「元気」をいただきました!(中編)

2018-11-10 | アイヌ民族関連
地球の歩き方書籍編集部 2018年11月08日

阿寒アイヌコタン。集落の正面にあるアーチにはシマフクロウ
 北海道を舞台した人気コミック「ゴールデンカムイ」。日露戦争後、明治後期の時代設定ですが、物語を通してアイヌ文化の奥深さ、その崇高さを知るきっかけなった方も多いのではないでしょうか。北海道を旅していると、自然とともに生きるアイヌの言葉や考え方に触れるたびに、日頃なんとなく忘れていることや、大切なことに気づかせてくれるような気がします。さて、地震の影響もなく、すっかりと元気になった北海道。釧路を後にして、秋深まる阿寒、そして帯広へと旅を続けます。
湖面から湯けむりが立つ?阿寒湖と一体化したかのような絶景
まずはニュー阿寒ホテルの最上階、「天空ガーデンスパ」におじゃましました。こちらは湖と一体化したかのようなインフィニティスパとなっています。もちろん温泉で、水着を持参してもいいし、湯浴み着を借りることもできるので、日帰り利用も可能です。お湯の温度は39℃、冬のシーズンは40℃前後に保たれているため、ゆっくりと星空を眺めたり、真っ白になった阿寒湖の絶景を楽しんだりできそうですね。ちなみに冬の阿寒湖では天然わかさぎ釣りや、スノーモービル、バナナボートと氷上アクティビティがたくさん。最近では湖面に咲く氷の花、フロストフラワー探しが人気です。ただし単独で探し行くのは危険だそうで、地元で行っているツアーに参加することがおすすめです。阿寒湖の氷は場所によって薄くなっているところがあるというのがその理由。ガイドさんと一緒に、奇跡の花を探してみてはいかがでしょうか?
■ ニュー阿寒ホテル
・住所: 釧路市阿寒町阿寒湖温泉2-8-8
・URL: http://www.newakanhotel.co.jp/
■ 阿寒湖 白銀の阿寒湖 早朝散歩ツアー
・URL: http://h-takarajima.com/detail/index/3233
同じく湖畔のホテル、あかん悠久の里 鶴雅のロビーギャラリー「イランカラㇷ゚テ」には、木彫家、藤戸竹喜さんの「ふくろう祭り ヤイタンキエカシ像」をはじめとする作品が展示されています。いまにも動き出しそうな、話しかけたら答えてくれそうな生命感。どれだけの時間がかかるのかも想像しがたい緻密な彫刻が施された作品には驚きです。藤戸さんはスミソニアン協会国立自然史博物館などでの作品展で知られている世界的な彫刻家。つい先月末のこと、84歳でその生涯をとじられた藤戸竹喜さん。阿寒を訪れる際には、ぜひとも立ち寄ってほしい場所のひとつです。
■ あかん悠久の里 鶴雅
・住所: 釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-6-10
・URL: https://www.tsuruga.com/
https://news.arukikata.co.jp/column/sightseeing/Japan/Hokkaido/Hokkaido/146_728484_1541404035.html?w=146

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米選挙、先住民女性の初当選に見る大きな変化

2018-11-10 | 先住民族関連
ナショナルジオグラフィック 2018.11.09
先住民が市民権を得てほぼ100年、ようやくの快挙

国道66号線に立つデブ・ハーランド氏。選挙事務所のあるニューメキシコ州アルバカーキ、ノブヒル地区で撮影。ハーランド氏は約65人の先住民女性とともに、2018年の中間選挙に出馬。連邦議会初の先住民女性議員の一人となった。(PHOTOGRAPH BY DANIELLA ZALCMAN, NATIONAL GEOGRAPHIC)
 2018年の米中間選挙で起きた歴史的な出来事の一つは、連邦議会で初めて先住民女性議員が誕生したことだろう。
 元ニューメキシコ州民主党会長でラグナ・プエブロ族のデブ・ハーランド氏が当選したほか、カンザス州でもホーチャンク族の弁護士シャリス・デービッズ氏が共和党のケビン・ヨーダー下院議員を破った。
 ネイティブアメリカンの人々についてのニュースを扱うオンラインニュースサイト「Indian Country Today」の編集者マーク・トラハント氏は、2人の勝利が歴史に与える影響について、どれだけ大げさな言葉を並べても言い足りないと話す。1789年以降に誕生した連邦議員約1万2000人のうち、先住民の血を引く議員は300人ほどだが、その中に女性は一人も含まれていなかった。
「国民の代表たちの議論の中に、アメリカ先住民がいなくてはなりません。その重要性を、先住民のコミュニティーは理解するでしょう」
 2018年の中間選挙は女性たちにとっても歴史的な選挙となった。下院選挙では、新人31人、現職65人、合計で96人の女性議員が生まれた。ミシガン州とミネソタ州では、史上初のムスリム女性議員が誕生した。民主党のラシダ・タリーブ氏、民主農民労働党のイルハン・オマル氏だ。(参考記事:「目を見張る広がりと多彩さ、米国のイスラム教徒たち 写真10点」)
 こうした劇的な選挙結果の背景には、セクシャルハラスメント問題や女性の声を抑え込んできた権力構造について、全米が再考を迫られているということがある。「#MeToo」運動から連邦裁判所判事ブレット・カバノー氏の公聴会まで、怒りが政界における女性の台頭を後押しした。
 デービッズ氏は弁護士であるだけでなく、同性愛者であること、格闘家であることを公言している。今回の選挙では、LGBTQの候補者も複数当選した。コロラド州では、民主党のジャレッド・ポリス下院議員が、同性愛者であることを公表している初めての知事となった。また、オレゴン州ではケイト・ブラウン氏が知事選に再選した。(参考記事:「曖昧になる男女の境界」)
 ハーランド氏とデービッズ氏の勝利は先住民にとって、政治への完全参加を勝ち取るまでの長い道のりの象徴でもある。米国政府がすべての先住民に市民権を与えたのは1924年。ハーランド氏の地元であるニューメキシコ州が先住民に選挙権を認めたのは1962年で、50州のうち最後だった。(参考記事:「暗殺から50年、世界1000カ所に広がる「キング牧師通り」 写真6点」)
 先住民の政治活動に火がついたきっかけは、2016年に始まったダコタ・アクセス・パイプラインへの抗議行動だと考えられている。
 トラハント氏は言う。「スタンディングロック先住民居留地での抗議行動は一つの節目でした。パイプラインの設置を阻止できるかどうかにかかわらず、新たな力によって、より大きな何かができると気づいた瞬間です」。選挙前、先住民の連邦議員は2人しかいなかった。チカソー族のトム・コール氏とチェロキー族のマークウェイン・マリン氏で、いずれもオクラホマ州の共和党議員だ。今回の選挙では、2人に続こうと、数十人の先住民が立候補した。(参考記事:「米国西部でダム3基撤去へ、自然再生めざす先」)
 ハーランド氏とデービッズ氏は職業軍人の家庭に育った。先住民のコミュニティーに深く根差している伝統の一つだ。先住民は米国が関わったすべての戦争を戦ってきた。軍人という職業を選択する人も非常に多い。
 デービッズ氏は退役軍人のシングルマザーに育てられた。ハーランド氏の父親(先住民ではない)は海兵隊員で、銀星章を授与され、アーリントン国立墓地に埋葬されている。ハーランド氏自身は35代目のニューメキシコ州民を自称し、母親と祖母から不屈の精神を受け継いだと話す。(参考記事:「古代プエブロに母系支配者、「世襲」の起源に光」)
「祖母はバケツいっぱいの灯油とブラシで、列車のディーゼルエンジンの汚れを落としていました。母は25年間、連邦政府の職員として、先住民の教育に携わりました。私は2人から勤労意欲を受け継ぎました」
 先住民はアフリカ系米国人と同様、人頭税や読み書きテストといった有権者抑圧戦略の対象とされてきた。例えば、10月には、ノースダコタ州のスピリットレイク族が有権者身元証明法に関する訴えを起こしている。訴えによれば、この法律が原因で、居留地の住民たちは選挙権を奪われているという。
 それでもトラハント氏らは、ハーランド氏とデービッズ氏が連邦議員になることで、先住民たちの心に強い印象を刻んだと確信している。
「ラグナ・プエブロ居留地に暮らす女の子が『大きくなったら大統領になりたい』と言えるようになったのです。これまではあり得ないことでした。2人のような女性を見たことがなかったためです。これはどのような選挙より重要なことだと思います」
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/110900244/

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山梨)台湾の写真展、北杜で12月2日まで

2018-11-10 | 先住民族関連
朝日新聞 2018年11月9日03時00分谷口哲雄
 台湾の人々を多彩にとらえた写真展「島の記憶―1970~90年代の台湾写真」が、山梨県北杜市高根町清里の清里フォトアートミュージアムで開かれている。
 台湾は多くの島々からなり、先住民族も含めさまざまな暮らしがある。70~90年代は87年の戒厳令解除をはじめ、台湾が政治的・社会的に大きく動いた。台湾を代表する写真家11人の152点を通して、経済成長や民主化の陰で失われた社会を振り返っている。
 今年3~5月に国立台湾美術館であった展覧会の巡回展示で、広報担当の前島孝一さん(48)は「日本人があまり知らない台湾の人々の喜びや悲しみが丹念に切り取られている。同じアジアの島国として、共感できる部分がたくさんあるはず」と話す。
 12月2日まで、午前10時~午後6時。火曜休み(20日開館)。一般800円、学生600円、中高生400円。問い合わせはフォトアートミュージアム(0551・48・5599)へ。(谷口哲雄)
https://www.asahi.com/articles/ASLBC2V16LBCUZOB001.html

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バンガラ・ダンス・シアターが埼玉で開幕、デボラ・ブラウン「待ち望んでいました」

2018-11-10 | 先住民族関連
ステージナタリー 11/9(金) 18:02配信
バンガラ・ダンス・シアター「Spirit 2018」「I.B.I.S」が、本日11月9日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて開幕する。
1989年に設立されたバンガラ・ダンス・シアターは、アボリジナルやトレス海峡諸島民の伝統的な舞踊と、現代的なダンスを融合させた作品を創作するダンスカンパニー。オーストラリア先住民独自の儀式や風習を再現するだけでなく、彼らが現代社会といかに共存しているかをコンテンポラリーダンスで表現している。
4度目の来日となる今回は、同カンパニー芸術監督のスティーヴン・ペイジが振付を手がけた「Spirit 2018」と、ダンス技術との融合を図りながら、オーストラリアの文化や歴史を称えた「I.B.I.S」を上演。「I.B.I.S」で振付を手がけ、ダンサーとして出演もするデボラ・ブラウンは、開幕に際し「今回、ダンスという形で日本と繋がりをもてることを大変嬉しく思っています。皆さまがバンガラの舞台を楽しみ、私たちのコミュニティや家族の一員のように感じていただければ嬉しく思います」と観客にメッセージを送った。上演時間は約1時間30分を予定。公演は明日11月10日まで。なお当日券は両公演とも開演の1時間前より会場受付で販売予定。
■ デボラ・ブラウン コメント
バンガラは、2005年に愛知で行われた愛・地球博でのパフォーマンスで来日し、その時日本のお客さまが私たちをあたたかく迎えてくださったことを記憶しています。ですので日本に戻ってくるのをずっと待ち望んでいました!
今回、私が振付した作品「I.B.I.S」を彩の国さいたま芸術劇場で上演できることをとても楽しみしていました。作品の舞台であり私のルーツでもあるトレス海峡諸島(※オーストラリアとパプアニューギニアの間にある島々でアボリジナルとは異なる文化をもった先住民族が暮らす)は、19世紀後半(明治時代)、真珠貝産業が盛んだった頃、多くの日本人が移住し、日本との間に特別な繋がりのある場所です。今回、ダンスという形で日本と繋がりをもてることを大変嬉しく思っています。
皆さまがバンガラの舞台を楽しみ、私たちのコミュニティや家族の一員のように感じていただければ嬉しく思います。
■ バンガラ・ダンス・シアター「Spirit 2018」「I.B.I.S」
2018年11月9日(金)・10日(土)
埼玉県 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
「Spirit 2018」
振付:スティーヴン・ペイジ
先住民ダンス振付:ドゥジャカプラ・ムンヤリュン
音楽:デビッド・ペイジ、スティーブ・フランシス
出演:バンガラ・ダンス・シアター
「I.B.I.S」
振付:デボラ・ブラウン、ワアンゲンガ・ブランコ
音楽:スティーブ・フランシス
出演:バンガラ・ダンス・シアター
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181109-00000121-natalies-ent

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古代から現代へと歴史を繋ぐ、イタリア・トスカーナの美しい街「ルッカ」

2018-11-10 | 先住民族関連
ニコニコニュース 2018/11/08 21:30

イタリア北部のトスカーナ地方にある小さな町ルッカ。古代ローマ時代まで遡るという歴史ある町は四方を城壁で囲まれ、内部では「古都」と呼ぶにふさわしい情緒ある街並みが続きます。
ルッカの町を一番はじめに開いたのは、もとはイタリア中部の先住民族であったエトルリア人。その後紀元前2世紀にはローマ帝国の植民都市となり、やがて自治都市としての権利を獲得していきました。
旧市街の中に残されている楕円形の競技場は、ローマ時代の繁栄を象徴する建物。アリーナ部分だった広場を、観客席だった建物が囲んでいます。一見するとここが円形競技場だとは分からないかもしれませんが、広場の中央に立ってみれば周囲の建物が円形に並んでいる事が実感できるはずです。
観客席だった建物は、現在カフェやレストラン、ショップのほか、住居としても利用されています。ローマ時代には建物1階部分にあるアーチ形の部分から、剣闘士や猛獣が入場していました。
当時の姿のままで保存されているローマ時代の円形競技場が多い一方で、このように現在も使用されている競技場はここだけ。これぞまさに歴史との共存といえるのではないでしょうか。
町の中心、ローマ時代から人々の憩いの場所であったサン・ミケーレ広場には、大理石のファサードが印象的なサン・ミケーレ・イン・フォロ教会が建っています。教会は11世紀に建てられ、屋根の上には悪の象徴である龍を倒す大天使ミカエルの像が取り付けられています。
ルッカ様式のファサードは13世紀に製作されたもの。ひとつひとつの装飾は細かいながらも、それらが集まることで迫力のある全体像を演出しています。
自分の居場所が分からなくなってしまうほど、細い道が縦横無尽に巡っているルッカの町。町全体の雰囲気も相まって、まるで中世のイタリアに迷い込んだかのようです。
またルッカは、世界的作曲家として成功を収めたプッチーニ誕生の地。自身初となるオペラ作品を24歳という若さで完成させたプッチーニは、その後『トスカ』や『蝶々夫人』など、現在でも根強い人気を誇る作品の数々をこの世に送り出しました。
ルッカはほかの町からアクセスしやすいのも魅力。フィレンツェから電車で約1時間半、ピサからは約30分の場所にあります。フィレンツェに宿泊して日帰りでピサを訪れる方も多いと思いますが、その際にはルッカにも足をのばしてみてください。
古代から中世、現代へと歴史を紡ぐ落ち着いた街並みが、訪れる者にその歴史を語りかけてくれることでしょう。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw4161735?news_ref=50_50

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<金口木舌>島の自己決定権

2018-11-10 | 先住民族関連
琉球新報 2018年11月9日 06:00
 南太平洋のフランス特別自治体ニューカレドニアで独立の是非を問う住民投票があった。独立反対が56・4%を占めた。1853年にフランスが併合したこの島は、国連が指定する「非自治地域」の一つだ
▼植民地時代の支配層だった欧州系移民と先住民族カナクは貧富の差が大きい。カナク主体の独立運動が1980年代に活発化し、多数の死者を伴う衝突も起きた。住民投票は98年に独立派、反対派、仏政府の3者で結んだ協定に基づき実施された
▼島は植民地時代に流刑地とされ、現在はフランス軍の基地や実弾演習場がある。大国に振り回される歴史は沖縄と似ている。太平洋戦争前には800人を超える県人が島に渡り、ニッケル鉱山などで働いた
▼ジャーナリストの三木健さんの著書「空白の移民史」にはカナクの人々と結婚した県人の話もある。県人は戦時中に収容所に隔離され、戦後は故郷に強制送還された。多くは現地出身の妻や子どもと生き別れた
▼父や祖父を失った県系2世、3世のことが沖縄で報じられたのは90年代以降だ。現在は交流団体が双方で設立され、多数の県系人が世界のウチナーンチュ大会に参加している
▼住民投票は2022年までに最大であと2回行われる。島の人々が自己決定権を行使しようとしている。その意思が尊重されるよう、縁の深い沖縄から見守り続けたい。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-831358.html

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博物館、あり方議論活発 国際会議京都大会開催まで1年

2018-11-10 | 先住民族関連
京都新聞 【 2018年11月09日 21時18分 】
大学博物館相互の連携について議論する「大学博物館・コレクション国際委員会」メンバーと京都の関係者ら(9月30日・京都市下京区)
 世界140カ国・地域から専門家が集う来年9月の「国際博物館会議(ICOM)京都大会」の開催まで1年を切り、博物館のあり方を問うシンポジウムが相次いで開かれている。文化財修復や展示、戦争など計30の委員会で話し合う本番に向け、関係者らが議論を重ねている。
 京都の14大学でつくる「京都・大学ミュージアム連携」は9月下旬、スアイ・アクソイICOM会長と大学博物館・コレクション国際委員会(UMAC)のマルタ・ローレンソ委員長を招いた。
 同連携は、京都の大学博物館所蔵品展を12月から台湾で開く。「アジアの大学ミュージアムによる積極的な活動が期待されており、資金や事務局など足元固めの必要性を痛感した」と並木誠士・京都工芸繊維大美術工芸資料館館長は話す。
 博物館機能の見直しを考えるため、国立民族学博物館(大阪府吹田市)も国際シンポジウム「ミュージアムの未来」を開催。伊藤敦規准教授が米国先住民のホピ族からの聞き取り映像を「民族の記憶の集合体」と捉え、研究者だけでなく、先住民自身が映像を再編集する意義を説明した。「博物館は単なる展示施設でなく、地域コミュニティーになるべき。今後は機能そのものが再定義される」と強調した。
 吉田憲司館長は、「ミュージアム」をかつて美術館と博物館に訳し分けた歴史を踏まえ、「展示品を美術館は作品、博物館は資料として扱い、個々の役割が強化された。半面、それぞれの世界しか見ていないのではないか」と述べ、両者の区分を取り払うことを検討すべきとした。
 福島県立博物館長の赤坂憲雄氏は、国際高等研究所(木津川市)で講演。パリで学んだ芸術家の故岡本太郎さんの収集品が民族学博物館の開館時に納められ、人類学が博物館を活性化してきた歩みを振り返った。
 京都大人文科学研究所も17日にシンポジウム「博物館と文化財の危機」を催し、展示による文化財の劣化など観光化や商品化への懸念を議論する。ICOM京都大会組織委員長の佐々木丞平・京都国立博物館館長は「廃仏毀釈(きしゃく)への危機感から博物館が誕生するなど、ミュージアムは社会の課題と向き合ってきた。何をどう見せるかなど大会まで議論をしてほしい」と期待する。
https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181109000200

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