先住民族関連ニュース

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<ウポポイ オルシペ>39 変遷するユニホーム 舞台の合間、大量に製作

2022-05-14 | アイヌ民族関連
北海道新聞05/14 05:00

1990年代に白老ポロトコタンの広場で行われた踊り。踊り手はそろいの衣装を着ている
 国立アイヌ民族博物館で開かれているテーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 白老の衣服文化」の開催期間も残りわずかとなりました。
 本テーマ展示は、白老地域の衣服に着目し、昔から現在までに製作された衣服を展示し、この地域の衣服の特徴や歴史、作り手たちをみなさまに紹介する内容となっています。白老の衣服文化に影響を与えた時代の動向を示すことで、衣服の地域性が形成されていく過程が理解できる展示となっています。
 今回の展示では、白老ポロトコタンにおけるユニホームの変遷も取り入れました。当時の白老ポロトコタンでは、伝統的なチセ(家)で、アイヌ文化解説や伝統舞踊の紹介が行われました。その際に着用する衣装の素材を木綿からポリエステルに変更し、みなで衣装を分担して、ミシン縫いで製作しました。これは1975年から2002年ごろまで行われたそうです。
 当時のことを知る職員からの聞き取り調査では、毎日何十回と踊りを踊らなければならないほど来訪者への対応があったといい、その合間の時間を利用して、着用するユニホームとしての衣装を大量に製作する必要があったとうかがいました。そのため、丈夫で扱いやすいポリエステル素材を大量に調達し、職員全員で衣装の製作を協力して行ったといいます。
 これは間違いなく、その当時の人たちが主体的に選択してきた「白老の衣服文化」の一部で、白老の地域性を伝えるための工夫であると言えます。
 今回のテーマ展示を準備する中で、白老地方には日高地方から移住して来た人が多いことを新しく知ることができました。このことから、現在残されている資料を、これまでよりも広い視野でとらえなければならないことと、「アイヌ文化の地域性」を視覚的に伝える難しさを考える機会となりました。
 会期は15日まで。テーマ展示をきっかけに、白老の衣服文化の変遷をみなさまに知っていただけると幸いです。(文 八幡巴絵=国立アイヌ民族博物館学芸主査)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/680556

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熊本でアイヌ女性の生涯を描いた一人芝居「神々の謡」 アイヌ文化に触れる機会に

2022-05-14 | アイヌ民族関連
みんなの経済新聞5/13(金) 12:00配信

一人芝居「神々の謡」の過去の上演の様子
 熊本市内の日本福音ルーテル教会(礼拝堂で5月17日・18日、アイヌ出身・知里幸恵(ちりゆきえ)の生涯を描いた一人芝居「神々の謡をが上演される。(熊本経済新聞)
芝居の題材「知里幸恵」は、1903(明治36)年、北海道登別出身。アイヌ民族であることやキリスト教信者であることで差別を受けながら、人と人、人と自然との共生を目指し、「カムイユカラ」(神謡)の翻訳によって、アイヌ民族やアイヌの伝統文化の復興を導いた女性。編著書「アイヌ神謡集」の校正後に19歳で急逝。著書はこれまで28の言語に翻訳されてる。2010(平成22)年には北海道登別市内に「知里幸恵 銀のしずく記念館」が開館している。今年は知里幸恵の没後100年に当たり、同時に「アイヌ神謡集」の誕生から100年となる。
 同協会の牧師、安井宣生さんは「西日本では初めての公演。さまざまな形での対立や差別が無くならない私たちの世界で、自然を尊び、隔てを超えて共に生きることを100年前に『アイヌ神謡集』で示したアイヌの女性、知里幸恵さんにぜひ出会っていただければ」と話す。
上演は、熊本教会(熊本市中央区水道町1)=17日19時~、健軍教会(東区新生2)=18日13時30分~・19時~から。入場料は、大人=1,500円、学生=500円、中高生無料。
https://news.yahoo.co.jp/articles/23d1fa1c15b98025bb507162260b148da8a4af9e

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横浜市立大学 教室セミナーアイヌ語復興の過去~現在

2022-05-14 | アイヌ民族関連
横浜市立大学 2022.05.13
アイヌ語教育実践者のライフヒストリーからの一考察
講師: 吉本裕子先生 横浜市立大学客員研究員
日時:2022年5月27日(金) 14時半 -16時
アイヌ語は、2009年にUNESCOが発表した“Atlas of the World’s Languages in Danger”の中で、 消滅の危機にある言語(極めて深刻)に分類された。現在アイヌ語の母語話者は、ほぼゼロと推定 される。一方で、近年若い世代を中心にアイヌ語学習者は増えつつあり、アイヌ文化関連施設など では実用化の動きも見られる。本セミナーでは、アイヌ語の衰退と復興の歴史的変遷をたどりなが ら、近年若い世代の学習者を牽引してきたアイヌ語講師の教育実践や語りを分析し、アイヌ語が置 かれてきた社会状況の変容や、自明視されている日本の中の言語ヒエラルキーを問い直す。
Zoom開催 学外参加者の方は、5月24日(火)までに以下フォームよりお申込みください。 追ってZoomのリンクをお知らせします。
参加フォーム:https://forms.gle/DsAKGL7y6MfGwYEy6
https://www.yokohama-cu.ac.jp/event/20220527dr3e64000001p252.html

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中国外交部「先住民問題は米国の原罪」

2022-05-14 | 先住民族関連
新華社通信2022年5月13日 10時17分
 【新華社北京5月13日】中国外交部の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は12日の定例記者会見で、米政府が運営するインディアン寄宿学校で先住民の子ども500人以上が死亡したとの報告書を米内務省が11日に発表したことについてコメントし、米国は先住民に対する非人道的虐殺と迫害の上に建国されており、先住民問題は米国の原罪だと指摘した。
 趙氏は次のように述べた。報告書は、米国のインディアン寄宿学校における先住民の子どもたちへの虐待の悲劇的な歴史を裏付けるもので、調査が進むにつれて、死者の数は数千人から数万人に上ることが予想されている。
 報告書は「何度も求められてやっと出てきたもの」で、これまで米政府は、これらの学校の実態について、公式な統計を取ったことがなく、これらの学校に通っていた先住民の子どもたちがどのくらい死亡し、行方不明になったかについて確認してこなかった。実際に米国は当初、この歴史を認めようとせず、意図的に隠していたが、最終的に先住民や国内外の強い圧力によって調査せざるを得なくなった。そして、調査が行われると、世界を驚かせる事実が明らかになった。報告書によると、1819~1969年に、400校以上のインディアン寄宿学校で、先住民の子どもたちが鞭打ちや性的虐待、強制労働、深刻な栄養不良などの不当な扱いを受け、500人以上の子どもたちが死亡したことが明らかになった。
 米国の建国の土台は、先住民に対する非人道的虐殺と迫害の上に築かれたものだ。先住民問題は米国の原罪であり、インディアン寄宿学校は中でも突出した証拠の一つである。かつて北米の主体的な人口だったインディアンは、虐殺や追放によって激減し、現在では米国の人口の2%しかいない。先住民の子どもたちを強制的に分離させることによる文化的同化や土地の強奪は、何世代にもわたり、癒すことのできない傷を彼らに与えてきた。アメリカン・インディアンは今なお、差別を受け、健康への不安を抱え、生活苦が続いている。米国の全ての民族の中で、インディアンは最も平均寿命が短く、貧困と若者のアルコール依存症の割合が最も高く、コミュニティーの医師対患者の比率が最も低い。19年にはインディアンの約25%が貧困状態にあり、これは全国平均の2.5倍に当たる。
 米国のインディアン寄宿学校の暗い過去は、米国における体系的な人種差別主義と人権問題の氷山の一角に過ぎない。アジア系やアフリカ系、ラテン系、イスラム系などのマイノリティーは、いまだに自由に呼吸することも、安全を確保することもできていない。米国の研究機関のデータによると、全米のアジア系住民に対するヘイトクライムは21年には4.4倍に急増した。タルサ人種虐殺からジョージ・フロイド氏、そして最近の警察の残虐行為によって死亡したミシガン州のパトリック・リョーヤ氏に至るまで、人種差別の暗雲の下で命を落としたアフリカ系アメリカ人のリストは今なお増え続けている。米国の人口の19%を占めるラテン系は米国の富の2%しか所有しておらず、イスラム教徒の93.7%は「イスラム恐怖症」の陰に隠れて暮らしている。
 米国は「全ての人は生まれながらにして平等である」という約束を実行に移し、少数民族の傷を真に癒すための措置を講じるべきである。さらに重要なのは、米国が歴史に学び、人権に関する悲劇を何度も繰り返さないよう、人種差別という根強い問題に効果的に対処することだ。
https://news.livedoor.com/article/detail/22154920/

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『アバター』13年ぶりの新作映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』惑星パンドラの約10年後を描く

2022-05-14 | 先住民族関連
財経新聞2022年5月13日 11:16
 『アバター』の続編となる新作映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が、2022年12月に公開される。監督はジェームズ・キャメロン。
■ジェームズ・キャメロンの映画『アバター』とは
 2009年に公開されたジェームズ・キャメロンによる映画『アバター』は、地球から遠く離れた惑星パンドラを舞台に、パンドラの先住民族ナヴィと、地球人のDNAを組み合わせる”アバター・プロジェクト”を起点に繰り広げられるSF作品だ。
独自の革新的な3Dカメラを使用することで、他の3D作品とは比較にならないクオリティを実現させたのが大きな特徴。壮大な物語と究極の映像世界へと誘う『アバター』は世界中で大旋風を巻き起こし、全世界歴代興行収入第1位を記録(2022年4月26日現在)。日本国内においても歴代洋画実写興収ランキング4位、興行収入156億円を超えるヒットを記録し、社会現象を巻き起こした。
 〈映画『アバター』あらすじをおさらい〉
22世紀、希少鉱物を求めた人類は地球から遠く離れた惑星パンドラで〈アバター・プロジェクト〉に着手していた。“ナヴィ”と呼ばれるこの星の種族と人間のDNAを組み合わせた肉体〈アバター〉を操作員の意識で操ることで、人に有毒な大気の問題をクリアし、莫大な利益をもたらす鉱物を採掘する。
この計画に参加した元兵士ジェイクは車椅子の身だったが、〈アバター〉を得て体の自由を取り戻す。惑星パンドラの地に降り立ち、ナヴィの族長の娘ネイティリと恋に落ちるジェイク。しかし彼はパンドラの生命を脅かす任務に疑問を抱き、この星の運命を決する選択を強いられていく……。
■13年ぶりの新作は『アバター』から10年後を描く
 新作映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で描かれるのは、『アバター』から約10年後。ジェームズ・キャメロンが『アバター』以降13年もの時間と全精力を傾け、「惑星パンドラ」の世界で新たに圧倒的な物語を構築する。また、映像技術も飛躍的に進化させ、人類が実体験できうる映像の最高点を映画館で実現する。
 ジェームズ・キャメロンは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の監督・製作・脚本を担当。映画の公開に向けて、下記の通りコメントしている。
「この作品では、滑らかな動きを可能に するハイ・フレーム・レート、解像度の高い3D映像、リアルな視覚効果など、前作を遥かに超える映像の限界に挑んでいる。 人類のパンドラへの帰還を特別な体験にするために、すべてのショットが、映画館の大スクリーンでの、高画質で、没入感のある3D映像体験のために創られている。 私たちはそれをやってのけたと思っている 」
■サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーバーら続投
 また、キャストとして、サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーバーらが前作より続投。サム・ワーシントンは元海兵隊員のジェイク・サリーを、ゾーイ・サルダナは、パンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリを演じる。
 〈映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』あらすじ〉
舞台は第1作目から約10年後、地球からはるか彼方の惑星パンドラの神秘的な世界。元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)とパンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)の子供たちからなる家族の物語。一家は神聖なる森を追われ海の部族に助けを求めるが、その楽園のような海辺の世界にも人類の侵略の手が迫っていた。
【詳細】
映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』
公開時期:2022年12月
監督・製作・脚本:ジェームズ・キャメロン
製作:ジョン・ランドー
出演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーバー、スティーヴン・ラング、ジョヴァンニ・リビシ、ケイト・ウィンスレット、ミシェル・ヨー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
※本記事はファッションプレスのニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。
https://zaikei.co.jp/article/20220513/671967.html

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『ONE PIECE』『ゴールデンカムイ』『はたらく細胞』… 現役東大生が選んだ「勉強になるマンガ」

2022-05-14 | アイヌ民族関連
現代ビジネス5/13(金) 11:02配信
「マンガばかり読んでいないで勉強しなさい!」と叱られていたのは昔の話。最近では勉強になるマンガが多数出版されており、東大生もマンガを読むことで勉強につなげているという。そこで『東大×マンガ』の監修者で、自身も「マンガを読んでいたから東大に合格できた」と語る西岡壱誠氏に、現役東大生が読んでいる「勉強に役立つマンガ」を挙げてもらった。
生物の勉強になる『はたらく細胞』
 みなさんは、東大に合格する人って漫画なんて読んでないんじゃないか? と思っていませんか? 
 実はそんなことはありません。東大生でも普通に漫画を読んでいますし、なんなら漫画を読んで勉強につなげています。僕も偏差値35から東大に合格した人間ですが、僕自身漫画を読んでいたからこそ東大に合格できたのだと思っています。
 「漫画」と「勉強」。一見結びつきそうにないこの2つについて、今日はみなさんにお話ししたいと思います。
 まずみなさんにお伝えしたいのは、最近では勉強になる漫画が多く出版されているということです。
 たとえば『はたらく細胞』という漫画があります。これを読むと、人間の中の細胞がどんな風に身体の環境を守っているのかがわかります。赤血球や白血球がどういう風に菌と戦っているのかがわかり、「恒常性=ホメオスタシス」という考え方がわかり、生物の勉強になります。
 『乙嫁語り』という漫画は19世紀の中央アジアの歴史がわかります。読めばここでの生活がどのようなものだったのか、当時のロシアの南下がどのように行われていたのかがわかり、世界史の勉強になります。
 最近完結した『ゴールデンカムイ』は、日露戦争後の北海道を舞台にアイヌ民族たちを巻き込むバトル漫画なわけですが、当時の蝦夷地の生活がわかり、日本史の勉強になります。題材からして勉強になる漫画というのが数多く存在しているわけです。
『ONE PIECE』でフランス革命がわかる
 それに加えて、漫画というのは教科書に彩りを加えてくれると思います。
 歴史の教科書を読んでいても、無機質に書かれた一文一文の連なりとして見てしまったらあまり面白いとは感じられません。「フランス革命ではこんなことが起こった」「戦国武将の織田信長が本能寺の変で倒された」とか、読んでいても「ふーん」で終わってしまう場合があります。
 しかしそんな中でも、その時代の空気感なんかがわかると、教科書が違った側面を見せてくれることがあるのです。
 たとえば、みなさんが世界史の教科書を使って「フランス革命」の勉強をしていたとして、多くの人がきっと1つ疑問に思ったことがあるはずです。
 「なんでこんなに多くの人が処刑されたのだろうか?」と。
 あの時代、権力者たちが代わる代わる処刑されていきました。「この年にはこの人が処刑されました」「次の年にはこの人も処刑されました」と、人がどんどん処刑されていて、「なんでそんな処刑されまくるんだよ」とツッコミを入れたくなった人もいるはずです。
 でも空気がわかると、この疑問も氷塊します。
 この疑問を氷解させてくれる作品は、なんと意外や意外、あの『ONE PIECE』(以降『ワンピース』)です。
 ちょっと思い出してください。『ワンピース』という作品は、ゴールド・D・ロジャーの処刑のシーンが全てのきっかけになっています。
 この「ロジャーの処刑」は多くの人の前で行われ、一種の娯楽として昇華されていました。ただただ憎悪の目でロジャーという大海賊を見ていたというわけでもなく、そこには好奇の目がありました。「あの偉人、ロジャーが死ぬところを見よう」と、そういう目線で見守っていたわけです。
 だからこそ、彼の死際に放った一言が大きな影響を与えることになったのです。有名なあのセリフ、「おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ! この世のすべてをそこに置いてきた!」ですね。
『イノサン』で当時の「空気」を感じる
 現代の日本において、死刑執行は誰にも見えないところでひっそりと行われます。だから僕らにこの感覚はわかりきらないわけですが、『ワンピース』では、死刑執行が多くの人の目にとまる形で行われていて、ある種のイベントとして描かれているわけです。
 同じように『ワンピース』では主人公の兄エースは海軍に処刑されることになるわけですが、その際の処刑は私たちの知っているものとは全然違います。彼の死を歴史上の出来事として位置付けるために、海軍では多くの準備がなされていました。
 多くの人がエースの処刑を見ていて、仲間である白ひげがくることも予想していた。明確に、その処刑に「何かの意義」が付与されていたわけです。
 処刑が1つのイベントであり、歴史のターニングポイントとして位置づけようとする空気感があり、事実としてこの作品の中では、この処刑が1つの契機になっていったわけです。
 『ワンピース』はもちろんフィクションではありますが、これは現実の話でも同じです。
 フランス革命を描いた漫画に『イノサン』という作品があります。これは『世界で2番目に処刑を行なった死刑執行人』であり、『フランス革命に一番人生を翻弄された男』であるシャルル=アンリ・サンソンという実際の人物の人生を描いた漫画です。
 この作品でも多くの処刑が登場し、その全てがショーのようです。当時、処刑は娯楽であり、その残酷な舞台のスターこそが、処刑人シャルル=アンリ・サンソンだったわけです。
 この作品を読んで見えてくるのは、先ほどの『ワンピース』の例と同じように、死刑執行がイベントでありショーだった、という空気です。ここをわかった上でフランス革命の相次ぐ処刑の多さを見ると、見えてくるものが違うのではないかなと思います。
戦国武将を見る目が変わる『へうげもの』
 空気を知る、というのはこのように、教科書の一文がより鮮明に、より想像力を持って読めるようになるということです。それも漫画なら、絵柄や背景があるからこそ、小説やネット以上に臨場感を持って理解することができるようになります。まるでフランス革命の処刑に立ち会っているかのような空気を纏いながら読むことができるのです。
 字面だけ追っていては見えてこないことを、しっかりと空気を理解して読むことで違った側面を見ることができる。だから東大生は、教科書を読んでいても漫画と結びつけて楽しく読むことができるのです。
 このような空気を理解できる漫画はたくさんあります。
 『はだしのゲン』などの戦争漫画を読んだ後で戦争に関する記述を読むと、より臨場感を持って理解できるはずです。
 『テルマエ・ロマエ』を読んだ後でローマ人に関する記述を読むと、違った目線で見ることができるはずです。
 『へうげもの』を読んだ後で戦国武将たちの動向に関する記述を読むと、違った解釈が生まれるはずです。
 『角栄に花束を』を読んだ後で戦後の内閣総理大臣を追っていくと、愛着を持って彼らの行動を理解することができるはずです。
 こんな風に、漫画を読むことで後から勉強する際の「得られる知識の幅」というのが大きく異なるのです。学生であれば、教科書の記述が面白く感じられるようになると、もっと勉強したいという意欲も湧いてきて成績も上がりやすいです。
 今や本当に、いろんな勉強になる漫画が出版されています。今回紹介した漫画以外も含めて、たくさん読んで勉強してもらえればと思います! 
西岡 壱誠(株式会社カルペ・ディエム代表)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b77f6e4155e274d18ab5468e9996c3a8d490d0e4

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テレビアニメ『ゴールデンカムイ』×サンリオキャラクターズPOP UP SHOP開催

2022-05-14 | アイヌ民族関連
オリコンニュース5/13(金) 18:00配信
 テレビアニメ『ゴールデンカムイ』とサンリオキャラクターズのPOP UP SHOPがサッポロファクトリーにて開催されることが決定した。
 原作は、2014年8月より『週刊ヤングジャンプ』で連載がスタート。明治時代の北海道を舞台に、アイヌが遺したという大金を手に入れるため、日露戦争の死線を潜り抜けた元軍人の杉元佐一が、アイヌの少女・アシリパと行動をともにし、一攫千金を夢みる物語。
 これまでテレビアニメが3度放送(1期2018年4月~6月、2期同年10月~12月、3期2020年10月~12月※4期が10月より放送予定)、「マンガ大賞2016」など数々の漫画賞を受賞したほか、2019年5月にイギリス・ロンドンの大英博物館で行われた漫画展『The Citi exhibition Manga』ではキービジュアルに採用されるなど、世界的な人気作品となっている。
 20キャラクターによる、かわいいコラボビジュアルを使用したグッズを販売。テレビアニメ『ゴールデンカムイ』のキャラクターと、サンリオキャラクターズの意外な共通点を楽しむことができる。
■『ゴールデンカムイ』×サンリオキャラクターズPOP UP SHOP
開催期間:2022年6月2日~5日
開催場所:サッポロファクトリー 2条館2F 特設会場
https://news.yahoo.co.jp/articles/46b6bafd54222eaa5d8977880c40e834f81d68bd

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神道」が1300年も生きのびてきた本当の理由 世界でも珍しい「古代以前の神々」と「神仏習合」

2022-05-14 | アイヌ民族関連
東洋経済5/13(金) 9:01配信
現在の私たちが知っている「神道」のイメージはどのようなものでしょうか。たとえば村や町の地域に必ずある鳥居と社殿。これが古代からあったもので、お寺と神社はまったく別のものというイメージではないでしょうか。
しかし、その実際はかなり違います。このたび『教養としての神道:生きのびる神々』を上梓した神道研究の第一人者・島薗進氏が、その歴史を通して、神道の実像を解き明かしていきます。
■神仏習合によってこそ神々は生きのびてきた
 神道は日本で生まれ育った宗教だ。多くの日本人がそう思っている。だが、「神道とは何か?」と聞かれると、うまく答えられない。この問いへの答えを集めてみても、その中身は思い思いであり、立場ごとにバラバラという感じだ。
 試みに「神道はいつからあるのか?」という問いを投げかけてみよう。「神道の起源」についての問いである。農業が進む以前の縄文時代、列島の広い地域が森で覆われていた時代だ、という答えがある。神社には森(鎮守の森)が伴うこと、社殿ができる前の、自然の神秘のなかでの神々の祭りにこそ神道の原型があるという考えだ。いやいや、稲作農耕の儀礼とそれを代表する朝廷の祀りこそが神道の原型で、それが確立したのは7世紀の終わり頃だという議論がある。
 それらに対して、朝廷の祀りは全国の神祇祭祀に受け入れられたわけではなく、神道とよべるようなまとまりができてくるのはせいぜい平安時代だという議論もある。さらに、平安時代はもちろん鎌倉時代になっても、神道が自立した宗教となるには至っていない、室町時代になってはじめて教義や組織も備えた神道が成立する、といった議論もある。
 このように「神道とは何か」について意見が多様になる大きな理由の1つは、明治維新後に神道がどう変わったかが、わかりにくくなっていることにある。神仏分離が起こったために、それまでの神祗信仰のあり方がわかりにくくなってしまっていることが大きい。神仏習合によってこそ、神々は生きのびてきたという一面がある。
 祇園祭で知られる八坂神社は、かつて祇園感神院とよばれていた。「祇園」はお釈迦様が説法をした祇園精舎から来ている。人々は仏教の守護神、牛頭(ごず)天王のご利益を求めて参詣していた。スサノオノミコトが祭神というのはまったく新しいわけではないが、牛が頭に乗った牛頭天王の像が親しみ深かった時代が長かった。
 天竜川上流の秋葉神社は火伏せ(火災防止)の神として知られる三尺坊大権現を祀る施設として参拝者を集めていた。三尺坊というのは平安時代初期に実在したとされる密教的な行者だという。神仏分離後、秋葉神社には三尺坊大権現はいなくなり、迦具土神を祀っている。記紀神話に記載されているが、民間にはあまり知られていなかった神を祭神としたのは明治維新後のことだ。
 この例のように山岳信仰は神道の歴史で大きな役割を果たしてきた。その山岳信仰は神仏習合の修験道が導き手だった。明治維新後の神仏分離で、これらの礼拝施設から仏教色が排除された。儒学を学んだ武士が江戸時代にいくつかの藩で行ったことを維新政府が旗を振って強引に推し進めたのだ。
■神仏習合で生きのびた神々
 では、八坂神社や秋葉神社の神道信仰の歴史は、明治維新後に始まるのだろうか。もちろんそんなことはない。八幡信仰、稲荷信仰、山岳信仰などの歴史は奈良時代、あるいはそれ以前までさかのぼる。神道の歴史を語るとき、奈良時代の神仏習合の傾向が強い八幡信仰や稲荷信仰を語らないわけにいかないだろう。その頃からすでに神仏習合が始まっており、それによってこそ、八幡や稲荷は、霊威ある神祇として崇敬を集めてきた。今でも稲荷神(ダキニ天)を祀って参詣者が多い豊川稲荷妙厳寺のようなお寺もある。
 しかし、さらにそれ以前はどうか。たとえば、宗像大社、大神神社、出雲大社、諏訪大社などの神祇信仰には古代国家以前の信仰の面影がうかがえる。社殿のない聖地や訪れる神の面影が後代にも残ってきた。沖縄やアイヌの信仰とも、縄文時代の信仰にも通じるのではないかと考えられている。
 こんな古代国家や文字文明以前の信仰が、神祇信仰を通して古代、中世、近世、近代と生きのびて、現代にまで大きな力を及ぼしてきている。古代国家以前からの神々がこのように生きのびてきたのは、世界のなかでもあまり例がないことだ。自然のなかの霊や霊的な力、また死者の霊を身近に感じる日本の文化はアニミズム的とよばれることもある。アニミズム的な文化と、古代以前の神々が生きのびてきたことには深い関わりがある。
■神仏習合と朝廷・国家祭祀
 では、どのようにして神々は生きのびてきたのか。仏教の力を借りて、神仏習合の形をとることによってという要因を考えなくてはならない。神仏習合は神祗信仰の歴史の一部だし、神道の歴史の一部でもある。
 だが、神道が長い歴史を生きのびてきたもう1つの大きな要因がある。それは古代において、国家と朝廷の祭祀が組織化されたということだ。この組織化の画期と言えるのは、7世紀の末、天武・持統朝であり、中国にならって律令制度が組み立てられたときだ。
 太政官と並んで神祇官が設けられ、朝廷の稲作儀礼の祭祀を軸に全国の神祇への班幣(幣帛の班給)の制度が作られ、天照大神の下での天皇による国家統治を説く記紀が編纂され、皇室の祖先神を祀る伊勢神宮の祭祀と国家の連携が堅固なものとなった。古代国家が神道儀礼と神道の神話を備えたシステムを作ったのだ。
 この古代の律令国家の神道システムは、「天」を祀る中国の国家体制にならったが、遠い「天」よりも「土」の匂いがする神々をも祀ったのは日本風だ。ただし、当時は朝廷や国家の儀礼が多くの人々の生活に影響を与えるようなものではなかった。だが、祭祀システムと神話的な伝承が王権を支え、政治体制の背後で神聖な国家秩序の基礎にあるという意識は続いてきた。
 このように考えると、7世紀末以来、神道には国家祭祀と神仏習合の信仰という2本の大きな柱があって、双方はしばしばまるで別個のもののように展開し、対立することもあったが、実は影響し合い、支え合うような関係にもあったと捉えることができる。
 興味深いことは、すでに記紀神話にこの2本立ての体制が自ら描き出されていることだ。王権の神的起源を描くことに主眼がある記紀神話だが、それにしては出雲神話に多くのスペースがさかれている。アマテラスよりも、スサノオやオオクニヌシのほうが活躍し、心に焼き付くキャラクターなのだ。つまり、記紀神話は天津神よりも国津神のほうに親しみがもてるように描かれており、その両者がともに主役というような構成になっている。
 実際、古代律令体制の下の国家的な神道祭祀は、ややさえない出発だった。幣帛を全国の神祇に班給する制度は長続きしなかった。記紀神話が人々の生活に影響を及ぼすような事態も少なかった。だが、後代にいくつかの大きな転機を経て、記紀神話や朝廷や国家の神道祭祀は強化され、影響力を強めていく。
■儒学者らが育てた国体論
 本地垂迹説や中世神話とよばれるような記紀解釈の新たな展開があり、やがて国家の枠の外での神道独自の組織や思想の展開があり、15世紀には吉田神道のような政治力をもった組織も形成される。他方、中国の儒学思想の影響を受けながら、日本の国家秩序の神聖性について理論化する試みも起こる。14世紀の北畠親房はその早い例だが、江戸時代には儒家神道や水戸学を尊ぶ歴史研究が進み、やがて神権的国体論が形成されていく。
 織豊政権から江戸時代の初期に至る時期、そして明治維新と、2つの大きな転機を経て、国家祭祀と国家中枢の神聖性は強化されていった。神道はじわじわと力を付けていき、近代の国家神道や神権的国体論に至る。ついには小学校に教育勅語や天皇の肖像を収めた奉安殿ができ、子どもたちが毎日、礼拝するまでに至ったのだ。水戸学のような儒学思想の影響が大きかったが、万世一系の天皇統治を裏付ける「天壌無窮の神勅」は記紀神話に由来するものだ。
 日本の宗教文化の特徴を語るには、国家神道とアニミズムに触れざるをえない。そして、そのどちらも、神道の歴史を振り返り、仏教や儒教にも言及しないとなかなか説明しにくいのだ。しかし、神道史の大きな流れを捉えるとぐっと視界が開け、説明しやすくなるだろう。
島薗 進 :宗教学者、東京大学名誉教授
https://news.yahoo.co.jp/articles/453a31bf9672cd042d799a4607cffb3fadce4f36

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