北海道新聞05/20 18:38
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藤戸竹喜さんの作品と分かり、常設展示が始まったクマの木彫。後方は松田真莉子学芸員
【美幌】美幌博物館(美禽)に20年近く前に寄贈されたものの、公開されることなく収蔵庫にひっそり保管されていたクマの木彫が、美幌出身でアイヌ民族の彫刻家藤戸竹喜(たけき)さん(1934~2018年)の作品と分かり、同博物館で常設展示が始まった。藤戸さんの30代の頃の作品と推測され、博物館は「これからも大切に保管したい。多くの人に見に来てほしい」としている。
木彫は幅42センチ、奥行き27センチ、高さ37センチ、重さ5・7キロ。素材は道内産のクルミ、エンジュ、イチイのいずれかとみられる。作品名は不詳。2頭の子グマがサケを奪い合い、隣で親グマが周囲を警戒、威嚇している様子が彫られている。
美幌出身で、東京都町田市で画商を営んでいた三木崇生(たかお)さん(故人)が03年、作者不詳のものを含む約150体の木彫作品とともに寄贈した。
作品の底部に「藤戸竹喜」と彫られているが、多くの作品の中に紛れて、収蔵庫で眠っていた。同博物館に今年4月に着任した松田真莉子学芸員が台帳整理の際、藤戸作品であることをあらためて確認した。
松田学芸員によると、藤戸作品の特徴はクマの毛の細かい表現や豊かな表情、そして物語性にあるという。ただ、この作品は晩年の頃と比べると毛並みは荒削りで、素材の木には晩年の作品にない黒い塗装が施されている。
藤戸さんの妻茂子さん=釧路市阿寒町在住=に確認してもらい、「(藤戸さんの作風が定着する前の)30代の作品で間違いない」との見解を得たという。松田学芸員は「美幌出身であり、北海道を代表する世界的作家。民芸品を芸術品にまで高めた功績は大きい」と話し、広く鑑賞を呼びかけている。
月曜休館。常設展示は一般300円、高校生以下や町内居住の65歳以上、障害者とその付添人はいずれも入場無料。(青山秀行)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/683365

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藤戸竹喜さんの作品と分かり、常設展示が始まったクマの木彫。後方は松田真莉子学芸員
【美幌】美幌博物館(美禽)に20年近く前に寄贈されたものの、公開されることなく収蔵庫にひっそり保管されていたクマの木彫が、美幌出身でアイヌ民族の彫刻家藤戸竹喜(たけき)さん(1934~2018年)の作品と分かり、同博物館で常設展示が始まった。藤戸さんの30代の頃の作品と推測され、博物館は「これからも大切に保管したい。多くの人に見に来てほしい」としている。
木彫は幅42センチ、奥行き27センチ、高さ37センチ、重さ5・7キロ。素材は道内産のクルミ、エンジュ、イチイのいずれかとみられる。作品名は不詳。2頭の子グマがサケを奪い合い、隣で親グマが周囲を警戒、威嚇している様子が彫られている。
美幌出身で、東京都町田市で画商を営んでいた三木崇生(たかお)さん(故人)が03年、作者不詳のものを含む約150体の木彫作品とともに寄贈した。
作品の底部に「藤戸竹喜」と彫られているが、多くの作品の中に紛れて、収蔵庫で眠っていた。同博物館に今年4月に着任した松田真莉子学芸員が台帳整理の際、藤戸作品であることをあらためて確認した。
松田学芸員によると、藤戸作品の特徴はクマの毛の細かい表現や豊かな表情、そして物語性にあるという。ただ、この作品は晩年の頃と比べると毛並みは荒削りで、素材の木には晩年の作品にない黒い塗装が施されている。
藤戸さんの妻茂子さん=釧路市阿寒町在住=に確認してもらい、「(藤戸さんの作風が定着する前の)30代の作品で間違いない」との見解を得たという。松田学芸員は「美幌出身であり、北海道を代表する世界的作家。民芸品を芸術品にまで高めた功績は大きい」と話し、広く鑑賞を呼びかけている。
月曜休館。常設展示は一般300円、高校生以下や町内居住の65歳以上、障害者とその付添人はいずれも入場無料。(青山秀行)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/683365