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北海道新聞 2025年3月8日 4:00
木だるの中で発酵が進む塩辛を木の棒でかき混ぜる渡辺知里さん(左)と成田千真さん(中央)。小田島隆さんが作業を見守ります(中本翔さつえい)
スルメイカ漁が盛んな函館市は「イカのまち」として知られています。イカを使った加工品製造も盛んで、市内の小田島水産食品では昔ながらの木だるを使い80年近く塩辛を作り続けています。積極的に工場見学を受け入れるなど、函館の水産文化の発信にも力を入れるこの会社をこども記者まなっくの2人が訪れ、社長の小田島隆さん(72)を取材しました。
渡島地方知内町・知内小6年の成田千真さんと函館市・柏野小5年の渡辺知里さんが取材に訪れた小田島水産食品は、1914年(大正3年)に食料品店として創業。函館漁港近くにあり、塩辛の製造は小田島さんの父で先代の故・喜一郎さんが戦後間もない47年に始めました。
小田島さんの案内で工場に入ると、イカを加工する作業台がありました。「イカは作業台で専用の包丁『マキリ』で切ります。アイヌ民族が使っていた包丁です。根元まで刃が細く筒状のイカの内側に刃を入れるのに適しています」。小田島さんはマキリを2人に見せながら説明し、「イカにはゴロ(内臓)があり、これが塩辛作りには大事です」と教えてくれました。
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