北海道新聞 2025年3月9日 4:00
子供の告白 性の多様性と向き合う
著者は米国・シアトル在住のフリーライター。2012年に一人息子のアレックスからバイセクシュアル(性的指向が男女両方に向く人)とカミングアウトを受け、それから数年たったある日「自分は性自認や性表現が男女どちらにもあてはまらないノンバイナリーだ。『息子』とは呼ばないでほしい」と告げられた。母である著者や、夫ら親世代はどう受け止めたのか―。本書は混乱や葛藤を乗り越え、自分なりの結論を見いだすまでの奮闘の日々を、本音とともに描いている。
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北海道で過ごした少女時代が自身の根幹になったという。「北海道の人たちは外国人の私を自然に受け入れてくれた。そして家族でアイヌ民族の人たちと交流した経験は多様性を考えるきっかけになった」。本書では子供やそのパートナー、夫との関係に変化が生じたことが明かされる。「当事者や周囲の人も含め、みんなが自由に生きることができる社会になればいいと願っています」