北海道新聞 2025年3月12日 10:46
犬が舟をひいている様子が描かれている「北蝦夷図説 二」(1855年、当館蔵)
蝦夷錦(えぞにしき)は中国でつくられた絹織物で、間宮海峡を渡って樺太(サハリン)へ、そして北海道へと運ばれました。アイヌ民族にとっては周辺民族を通じて得る交易品で、そこからさらに和人社会へともたらされていきました。
アイヌ語ではサンタサランペといいます。サンタは当時の日本からサンタンと呼ばれた大陸側の諸民族のことです。サランペは絹を指します。アイヌ語のサンタサランペは、「サンタンの絹」や「サンタンから来た絹」ということでそのように呼ばれたのでしょう。
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