東洋経済 2025年3月4日 武光 誠
近年発表された古代人のDNA解析の成果により、古墳時代の人びとの25%は朝鮮半島からの移住者であることが明らかになり、歴史教科書で学んだ「渡来人」をとりまくイメージは一変しています。これは、日本の文化の成り立ちにも関わってくるトピックです。
日本史研究で多数の実績がある武光誠氏の著書『渡来人とは何者か』では、金沢大学や理化学研究所が発表した最新論文を示し、古代からの日本と大陸の関係を丁寧にひもときながら、『日本書紀』などに記された伝説的要素と史実を可能なかぎり整理し、従来「渡来人」と呼ばれた人びとや「渡来系」を自称する豪族の素性、渡来時期、ヤマト政権での足跡を明らかにしています。
古代人のDNA解析から解明された「渡来人」の正体とは何か? 本当に技術者や知識人の集団だったのか? 実像と虚像がないまぜになった「渡来人」をめぐる古代史の輪郭はどのように形成されてきたのか? 書籍『渡来人とは何者か』より、鮮烈な序文から1万5000字を一挙掲載します。
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