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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

伝統文化ポーラ賞:伊波メンサー織・伊波貞子さん地域賞 

2009-08-12 | 日記
(琉球新報 2009年8月11日
 【うるま】ポーラ伝統文化振興財団(佐野文比古理事長、東京)は「第29回伝統文化ポーラ賞」の受賞者をこのほど決定した。県内からは、伊波メンサー織の伊波貞子さん(88)=うるま市石川伊波=に地域賞が贈られる。贈呈式は10月15日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開かれる。
 石川伊波地区に伝わる伊波メンサー(ミンサー)織は、最も古い時代の技法を伝えているとされ、国内で現存する織機の中では北海道のアイヌ民族の「アッツウシ織」と八丈島の「カッペタ織」との3例しか見られないという。織りに使用される道具が、木の枝など身近にあるもので作られているのが特徴。
 伊波さんは、その制作と保存、次世代継承に貢献しているとして受賞が決まった。私有地と私費を投じて伊波メンサー織の作業所を開設し、研修生を受け入れて教えるなど、後継者育成と技術保存に力を入れている。市指定無形民俗文化財と県工芸士に認定されている。
 受賞の報を受けた伊波さんは「ただうれしいの一言。伊波地区に流れる伝統と歴史を、後輩たちが受け継いでくれれば本望」と笑顔。次男の英浩さん(56)は「母親の思いを後継者が引き継いで頑張ってくれれば、家族としてもうれしい」と喜んだ。
http://mainichi.jp/area/okinawa/news/20090811rky00m040008000c.html

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選挙:衆院選 4年前に自公が掲げた公約--実績評価 /北海道

2009-08-12 | 日記
(毎日新聞 2009年8月11日 地方版)
 ◇自民「おおむね実現」/公明「80点」/民主は冷ややか、「評価に値せず」「不十分」
 衆院選に向けて注目が集まるマニフェスト(政権公約)。道内各党も道内版マニフェストを掲げて有権者にアピールしている。前回05年衆院選で政権与党の自民、公明が掲げた公約は、どの程度実現できたのか。4年間の実績を検証した。
 自民党道連は「衆院選公約」として▽効率的で透明性ある行財政改革の推進▽世界に誇れる観光北海道の実現▽安全・安心の北海道づくり--など14分野の政策を掲げた。
 個別の公約は(1)北海道新幹線(札幌-新函館間)の全線フル規格での一日も早い認可・着工と早期完成(2)アイヌ文化の保存と振興(3)国際会議・国際イベントの積極的な誘致開催--など。
 (1)は08年12月に札幌-長万部間を09年度中に着工することで合意したことで、一定の成果を得たと言える。(2)もアイヌを先住民族と認めるよう国に求めた国会決議(08年)が実現した。
 一方、(3)は08年の北海道洞爺湖サミットや今年の太平洋・島サミットで成果を残したが、原油高騰や08年秋以降の急激な景気後退で観光客入り込みが減少し、観光振興の呼び水にならなかった。
 本間勲政調会長は「狙い通りにいかなかったものもあるが、掲げた政策は全部着手し、おおむね実現できた」と自己評価した。
 公明党道本部は「経済活性化」「健康で人に優しい北海道」など7章からなる重点政策を公表。小学3年までの児童手当の支給対象を中学3年に拡大や、アスベスト対策法令の制定などを掲げた。包国(かねくに)嘉介(よしすけ)広報宣伝局長は「児童手当は小学6年まで実現できたが、出産費用に健康保険適用を図る公約など、実現できていないものもある。自己採点は80点」と振り返る。
 自民の公約について民主党北海道の松井豊企画局長は「先住民族決議は超党派で取り組んだもので、政権公約とは関係がない。新幹線は開通していないこと自体、与党議員の政治力のなさを示している」と指摘。達成度の評価は「官公庁の行政課題の羅列であり、評価に値しない」と切り捨てた。公明は「自民と比べると公約を具体的に掲げていた点は評価できるが、取り組みが十分ではない」と批判した。【鈴木勝一】
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090811ddlk01010196000c.html

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【歴史の交差点】東京大学教授・山内昌之 アイヌ民族の尊厳のために

2009-08-11 | 日記
(産経ニュース2009.8.10 03:07)
 「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(佐藤幸治座長)は先月、1年以上の議論の結果をまとめて報告書を河村建夫官房長官に提出した。アイヌ民族は、国の政策として進められた明治以降の近代化の結果、その生活と文化に深刻な打撃を受けた人びとである。
 報告書は、北方の先住民族が受けた歴史の悲劇を直視しつつ、アイヌ民族の文化復興や生活支援にかかわる各種の施策を実現する義務が国にあることを明言した。委員の一人として、政府にはアイヌの歴史的悲劇の経緯を明記した報告書の提言を真摯(しんし)に受け止めることを期待したい。報告書は、異なる民族が互いを尊重しながら、共生しあう希望に満ちた社会の実現に向かう具体的取り組みにほかならない。
 まずなによりも日本国民は、列島にアイヌという民族的少数派が存在することを直視すべきだ。最近の研究では、近世の日本本土とアイヌ民族との交易や交流に留意しながらも、内地の領土的延長としてのフロンティアでなく、北方の境界にあった異域として蝦夷(えぞ)地(北海道)を扱う傾向が現れている。日本にとっての異国関係と国際秩序の構図に蝦夷地とアイヌを位置づけることによって、日本と外国との関係を「鎖国」だけで説明してきた定番から脱却する見方も可能になる。
 こうした見方に立って、教育の場でアイヌ民族の歴史と現在の状況を正しく理解する試みが北海道だけでなく、全国レベルで工夫されねばならない。この一助として、「アイヌ民族の日」の制定によって全国で集中した啓発活動の実施も考えられる。
 民族共生の象徴となる空間を設けて歴史の記憶を忘れず、未来の共生への誓いを新たにする記念碑の建立も有益であろう。ことにアイヌ民族の歴史と文化の尊厳をきちんと守るため、アイヌにかかわる教育や研究の充実はもとより、大学などが保管する遺骨を厳粛に慰霊する施設の設置も必要となる。これらを囲む空間を民族共生の象徴となる公園として整備することは、誰の目にも分かる良心的な工夫となるだろう。
 報告書が重視したのは、産業振興への取り組みである。たとえばアイヌの独特な工芸作品を高品質ブランドとして世界に広く紹介する上で、技術向上と販路拡大は不可欠である。これを日本全体の観光振興のグランドデザインと有機的に結びつけることも大事だ。
 さらに、北海道民の平均所得や大学進学率を下まわるアイヌの生活を向上させるために、アイヌ民族の生活実態調査を実施し、必要施策の展開を検討するように今回の第2次懇談会で提言した点は、私も参加した前回の第1次懇談会報告に見られない特質であった。
 こうした施策を総合的に企画・立案・推進するため、内閣官房などに窓口機関を設置する必要性も提言されている。アイヌの人びとの意見を踏まえ、アイヌ政策を効果的に推進し、施策の実施をモニタリングする協議の場をつくる工夫と結びつけ、この窓口をアイヌ民族政策の具体的な行政機関として充実させることも期待される。
 北海道はじめ関係する都府県や市町村、民間の企業や団体、さらに国民全体の理解と日ごろからの共生に向けた努力や友情を深める努力が望まれる次第である。(やまうち まさゆき)
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090810/acd0908100308003-n1.html

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社説:アイヌ懇報告書 共生の空間を作ろう

2009-08-11 | 日記
(毎日新聞 2009年8月9日 東京朝刊)
今後の指針たり得る結論である。アイヌ民族に関する政策について政府の有識者懇談会が報告書をまとめた。アイヌが北海道の先住民族との認識に立ち、国民の理解を深めるための教育や生活支援も含め、総合的な取り組みを求めた。
 言語、音楽などに偏りがちだった文化復興を民族固有の生活様式の総体という視点でとらえ、北海道以外に住むアイヌも含めた生活支援の検討を求めた方向は理解できる。報告書の主張通り、政策の実施には法律による裏付けが必要だ。民族共生の具体化に向け、着実に検討を進めなければならない。
 アイヌ民族に関しては昨年6月、国会がアイヌを先住民族と認めるよう求める決議を採択、これを受けて政府は「日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族」との見解を初めて表明した。国連の権利宣言は先住民について、さまざまな権利を認めている。アイヌ民族に関する新たな政策をめぐり、懇談会は昨夏から検討を続けてきた。
 注目すべきは今後の政策について、先住民族との認識に立脚した展開を促した点だ。
 報告書では日本が近代化する過程でアイヌ文化が深刻な打撃を受け、その復興に取り組むことは国の責任と指摘した。歴史的経緯への認識を国民が幅広く共有する意味で、学習指導要領の改定による学校教育の充実を打ち出した点は重要だ。
 また、文化継承に必要な植物や魚の採取の場となる国公有地や河川などの利用について、行政も関与した条件整備を求めた。「先住権」の中身を具体化するうえで、現実的な方策だろう。
 一方で、報告書は道外に住むアイヌの実態調査を進め、全国規模で支援策を講じるよう求めた。
 アイヌの人の所得や大学進学率は現在もなお厳しい環境にあり、特に道外に住む人々への政策は放置されている。生活支援にはアイヌの人を個々に認定する必要があるが、慎重な手続きが求められることは言うまでもない。アイヌ団体などの協力も得たうえで、報告書が言う「透明性、客観性」のある認定制度を作りあげなければならない。
 アイヌ民族との共生の空間としての公園整備を提言したことも興味深い。アイヌ文化を体験し、交流を深める場であると同時に、過去に発掘されたアイヌ人骨の慰霊施設も置く構想だ。せっかくなら自然豊かな、広々とした共存の場を実現してほしい。
 アイヌ政策に関してはさきの国会決議にみられるように、与野党合意に基づく推進が望ましい。議員立法で新法の内容を検討することも、ひとつの選択肢である。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090809ddm004070009000c.html

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ビッキさんら最後の作品展

2009-08-11 | 日記
(北海道新聞08/09 10:52)
 【音威子府】彫刻家の故砂澤ビッキさんが友人と始め、没後20年を機に今回が最後となる「第14回樹(き)を語り作品展」(実行委主催)が8日、上川管内音威子府村のエコミュージアムおさしまセンターで始まった。今後は全国から作品を募る「砂澤ビッキ賞」を創設する方向だ。
 同展はビッキさんが、友人の美術家矢崎勝美さん(69)=札幌市=と1979年に始め、ビッキさんの没後も不定期に開催されてきた。今回はビッキさんの彫刻「午前3時の玩具」などの作品や道具とともに、矢崎さんら友人11人の作品も展示されている。
 同展は30日まで。入場無料。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/181785.html

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河北春秋

2009-08-08 | 日記
河北新報2009年08月08日土
10年ほど前、南陽市で開かれた民話祭りで、アイヌ民族の著名な語り部、沢井アクさんの話を聞いた。民族衣装をまとい、口琴「ムックリ」を奏でながらの熱演だった▼演目の「カムイユーカラ」は口承の叙事詩。高位のカムイ(神)であるクマが人間と争い、毛皮や肉などの恵みを与えて、神の世界へと帰っていく。丁寧な解説付きの語り。神と自然、人間が一体化した世界観が心に染みた

 ▼アイヌは北海道の先住民族であり、国には文化復興に配慮する責任がある。アイヌ政策を検討してきた政府の有識者懇談会が提出した報告書は、こう明記した。先住民族を前提とした政策は、根本的な発想の転換と言える▼注目されるのは、目指すべき国家像を「共生社会」「多様な文化」とした点。報告書が検討を求めた生活支援新法が実現すれば、独自の文化の復興に向け、大きく前進するはずだ

 ▼文化伝承を困難にしたのは国の同化、近代化政策。差別の背景にもなった。「待ち望んだ光が見えた。未来に向けた新たなスタート」。北海道アイヌ協会理事長の加藤忠さんは報告書を評価する▼来年発刊100年を迎える『遠野物語』の遠野はアイヌ語のトオ(湖)ヌップ(丘原)。アイヌの足跡は東北各地にも残る。アイヌ文化の復興、評価が進めば、日本文化は一段と彩りを増そう。
http://www.kahoku.co.jp/column/syunju/20090808_01.htm

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【白老】弓も火おこしも ポロトでアイヌ体験キャンプ

2009-08-08 | 日記
(苫小牧民報2009年 8/7)
白老町内の小学4~6年生を対象にした「ポロトの森自然体験キャンプ」(白老観光協会主催)が6、7日の2日間、ポロト自然休養林キャンプ場で開かれた。37人が参加し、アイヌ民族の食文化や豊かな自然と触れ合った。
 キャンプは今年で3年目。北海道BBQカレッジ、自然観察教室一樹会、ネイチャーガイドめむの会が協力している。
 6日は、昼食でアイヌの伝統料理チェプオハウ(サケの汁物)やいなきびごはん、焼きサケに舌鼓。木の弓矢を使った模擬狩猟や、火打ち石を使った火おこしなどといった生活様式も体験した。白老小4年の大西魁君は「弓がうまく放てたので、面白かった」と満足顔だった。
 ほかには、川遊びや星空観察、森林散策なども体験。夏本番を思わせる暑さも手伝い、子供たちは生き生きとした表情で野外キャンプの醍醐味(だいごみ)を味わっていた。
http://www.tomamin.co.jp/2009s/s09080702.html

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アイヌ民族記述拡充を 教科書会社に要望

2009-08-08 | 日記
(朝日新聞 2009年08月07日)
■国、教科書会社に要望
 国は6日、中学校の歴史・公民の教科書でアイヌ民族の歴史や文化などに関連する記述を拡充するよう関係出版社に求めた。政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が河村官房長官に提出した報告書で、国民の理解を深めるには教育が重要とうたったことを受けた行動だ。有識者懇事務局の内閣官房アイヌ政策推進室が12社約35人に対し、近代化の過程でアイヌ民族が貧窮を余儀なくされ、固有の文化が打撃を受けたことで差別や格差が生まれたことなどを説明した。
 中学社会の学習指導要領では、江戸時代の鎖国中に北方との交易をしていたアイヌ民族にも着目させることとしている。歴史の教科書はこれに沿ってアイヌ民族に触れており、公民の教科書も大半が差別の現状に言及している。ただ、記述量にばらつきがあり、報告書も「必ずしも児童・生徒の発達段階に応じた学習体系となっていない」などと指摘していた。
(神元敦司)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000908070002

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【北海道の富士~09夏】(2)浜益富士(黄金山)

2009-08-08 | 日記
(朝日新聞 2009年08月07日)
■浜益富士(黄金山) 739メートル
■伝承抱き 時代重ねる
 日本海沿いの国道を北上して石狩市浜益地区に入ると、おわんを逆さにしたような形の山が目に飛び込んできた。地元の商店主で「こがね山岳会」の事務局長を務める渡邉千秋さん(57)は「この山を見ると浜益に帰ってきたなと感じます。高い山じゃないけど身近で、故郷のシンボル的風景ですから」と話す。
   ▲  ▲
 均整の取れた姿から「浜益富士」「黄金(こがね)富士」とも呼ばれる「黄金山(こがねやま)」。由来は江戸以前の昔から金鉱があったという言い伝えによるもので、松浦武四郎の「西蝦夷日誌」にも記載がある。ふもとの稲作農家佐々木友治さん(76)は「坑道はなくなったが、頂上にほこらがあって20年ほど前までは雨ごいに登る人もいた」と語る。人とのつながりが絶えたことのない山だ。
 山にはもう一つアイヌ語の名前「ピンネタイオルシペ」がある。意味は「木々の茂る平原にそびえる雄山」。この山を含めた一帯がアイヌの英雄叙事詩・ユカラとゆかりの深い場所で、名寄市の九度山(くどさん)(クトゥンヌプリ)とともにピリカノカ(アイヌ語で「美しい形」)として先月、国の名勝に指定されたばかりだ。
 ユカラは、超人的な主人公が時に北の海を渡り、様々な戦いを繰り広げるという有名な物語。地元ではユカラを語るアイヌの人々はほとんどいなくなったが、主人公が住んだチャシ(砦(とりで))の伝承調査などから、黄金山はユカラ舞台の候補地のひとつとされる。
 いしかり砂丘の風資料館の石橋孝夫・文化財課課長は「松前藩のはるか前の時代から、日本海沿岸のこの辺りは樺太など北方と活発な交流があった。そんな歴史背景や過去の記憶の上にユカラの物語も生まれたのではないか」と推測する。
   ▲  ▲
 様々な時代・人々の伝承を抱いてきた山には今、年間2千人ほどの登山者が訪れる。整備された登山道を1時間半ほど登れば、標高739メートルの山頂だ。眼下にはコタン(集落)の間を緩やかに流れる川の流れと、その向こうに広がる日本海――。しばし時間を忘れ、先人たちの営みに思いをはせた。
(吉住琢二)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000680908070001

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選挙:衆院選 マニフェスト「米とFTA締結」が波紋 民主、火消しに躍起 /北海道

2009-08-05 | 日記
(毎日新聞 2009年8月5日 地方版)
 ◇自民は「断固阻止」で反撃
 衆院選(30日投開票)に向けたマニフェストに、民主党が「米国と自由貿易協定(FTA)の締結」を盛り込んだことが、波紋を呼んでいる。農産物の輸入が増加すると道内農業は壊滅的な影響を受けるため、民主陣営は「打撃を与えることは絶対にしない」と火消しに躍起。一方、自民党道連は重点政策(道内版マニフェスト)素案に「FTA締結は断固阻止する」と盛り込み、反撃を始めた。【堀井恵里子、田中裕之、本間浩昭、鈴木勝一】
 「自由貿易は進めないとならないが(食料)自給率向上や地産地消などを基本に農業政策をつくり上げる。これに矛盾するFTA交渉をするつもりは一切ない」
 4日、札幌市内で開かれた民主党のマニフェスト説明会。菅直人代表代行は冒頭でFTA問題に触れ「公示後に配布する最終版には、その趣旨をしっかり盛り込みたい」と農業分野の自由化を除外する考えを示した。
 農業産出額が全国の約12%を占める北海道。自由化は酪農も含めた農家全体の死活問題となる。道11区の民主前職、石川知裕氏(36)は「(自由化を想定していると)誤解を与え、ご心配をおかけしています」と釈明。十勝管内士幌町の畑作農家、横山和敏さん(48)は「関税が引き下げられたらやっていけない。現状を認識した対応を取ってほしい」と注文を付けた。
 根室管内中標津町で同日あった説明会でも、民主党は「米などの重要品目の関税は撤廃しないような形で締結する」と除外規定を設ける方針を強調した。
 一方、自民党道連がまとめたマニフェスト素案は、観光振興と経済活性化を図るため「北海道観光振興特別措置法」の制定を掲げているほか、アイヌ民族の生活向上など独自の政策も盛り込んだ。さらに「民主党マニフェストに明記されている『日米FTA交渉締結』は断固阻止し、北海道農業を守ります」と名指しで批判した。
 中川義雄参院議員は業界団体に対する説明会で「米国とFTAを締結したら北海道の農業は大変なことになる。無責任な民主党には政権を渡さない」と支持を求めた。
==============
 《自民党道連重点政策(素案)の概要》
 ◇経済・雇用
・新幹線札幌延伸の認可・着工を実現
・必要な社会資本整備を継続
 ◇社会保障・暮らし
・障害者自立支援法の改正
・住宅・学校・病院の耐震化
 ◇子育て・教育
・出産一時金を35万円から42万円に
・今後3年間で幼児教育無償化
 ◇農業・水産業
・「日米FTA締結」を阻止
・燃油価格安定基金制度を創設
 ◇環境
・雪氷、風力などのエネルギー活用
・校庭芝生化など学校関連エコ事業推進
 ◇林業
・道産材の利用拡大で木材産業を支援
・木質ペレットなどの利活用促進
 ◇歴史・文化
・北方領土交流事業などへの支援拡充
・道内で実施中のアイヌ政策を全国展開
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090805ddlk01010193000c.html

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’09衆院選:各党に聞く/5 社民党道連・山内恵子代表 /北海道

2009-08-05 | 日記
(毎日新聞 2009年8月4日 地方版)
 ◇「経済」から「福祉」へ転換
 憲法あってこその「政権交代」を訴えます。格差が拡大する「経済大国」から平和で豊かな「福祉国家」に切り替える絶好のチャンスです。小泉改革と自公政権は平和と生活を破壊しました。二つの再建が最大の課題です。
 2大政党制は多様な民意を反映できません。改憲の動きも危惧(きぐ)されます。民主党は反対していた海上自衛隊のインド洋での給油活動中止を公約に明示しませんでした。ぶれは見過ごせません。
 北海道は全国に比べて失業率が高く、小泉改革の「痛み」を押し付けられた地域です。雇用対策や地域医療の再生、アイヌ民族の権利回復などさまざまな課題があります。格差解消のため、高校までの授業料を無料にする政策も急がれます。
 農業問題では、当面は所得補償制度を導入する一方、農業再生や地産地消、新規参入の支援策を講じて自給率を高めなくてはなりません。安心安全な農業とは両立しない原発や、核廃棄物を持ち込ませず、持続可能なエネルギーに転換を図ることも重要です。
 国会に女性議員が少ないことも問題です。衆院議員は約9%しかおらず、先進国でも最下位レベルです。選挙戦では、こうした課題や政策が議論されなくてはなりません。【聞き手・金子淳】=つづく
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090804ddlk01010294000c.html

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選挙:衆院選 非正規労働者を半減 共産道委が重点政策、具体的目標値示す /北海道

2009-08-05 | 日記
毎日新聞 2009年8月4日 地方版
 30日投開票の衆院選に向け、共産党北海道委員会は3日、道内の非正規雇用労働者の半減や医師・看護師の不足解消などを掲げた道内での重点政策(道内版マニフェスト)を発表した。党中央委員会が策定したマニフェストとは異なり、具体的な目標値を示したのが特徴となっている。
 道内版マニフェストでは雇用や農林漁業、中小企業など12分野の重点政策を提示。道内で77万人とされる非正規労働者の半減のほか、医師500人・看護師7000人の不足解消を挙げた。また、整備新幹線やアイヌ施策で党中央委版よりも踏み込み、北海道新幹線の札幌延伸では条件次第で凍結するとしている。マニフェストは党北海道委のホームページで近く掲載する予定。
    ◇
 共産党の市田忠義書記局長は3日、札幌市中央区で街頭演説し、「麻生太郎首相は『安心な生活を』と言っているが、自公政権の退場こそが安心な生活の第一歩だ」と自公政権を批判。その上で、「何としても比例の1議席をお願いしたい」と比例議席獲得を強調した。【仲田力行】
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20090804ddlk01010291000c.html

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共産道委、道内向け政策

2009-08-05 | 日記
(朝日新聞2009年08月04日)
■北方領土問題手厚く
 共産党道委員会は3日、道内向けの「総選挙政策」を発表した。党が7月下旬に発表したマニフェスト(政権公約)に関連したものだが、北方領土問題への対応をより手厚く書き込み、アイヌ民族の生活と権利を守る政策を道内で対処するべき問題として盛り込んだ。
 党道委は昨年10月にいったん総選挙向けの重点政策をまとめていた。だが、最新の情勢を踏まえ、農林漁業対策などを修正した。
 重点政策にあげたのは社会保障や地方自治、憲法・平和、環境など12項目。雇用対策では、季節労働者の就労事業に100億円を投じるとし、農林漁業対策では日米自由貿易協定(FTA)や日豪経済連携協定(EPA)交渉の中止をうたった。
 中小企業対策では、大規模林道やダムといった大型工事を中止する代わりに、学校耐震化のような地元密着の公共事業を増やし、地元企業の仕事量の確保を目指す。北海道新幹線の札幌延伸は、いったん凍結するとした。
 またこの日は、同党の市田忠義書記局長が札幌市を訪れ、夕方から中央区で街頭演説。「共産党の躍進がない自公政権退陣では、国民の要求が実現できない」と述べ、比例道ブロックでの議席奪還に向け、支持を訴えた。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000908040001

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社説 アイヌ政策―先住民族と認める法律を

2009-08-05 | 日記
(朝日新聞 2009年8月2日)
 日本の先住民族であるアイヌの人々に対する国としての取り組みが、ようやく動き出した。
 「歴史の反省に立ち、先住民族と共生する社会に向けた政策づくりを」と政府の懇談会が提言したのだ。
 国連が2年前に先住民族の権利宣言を採択し、日本の国会も昨年6月、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択した。それを受けてのことだ。
 北海道を中心に先住していたアイヌ民族は開拓が進む中、先祖伝来の土地を失い、移住や和人への同化を迫られた。戦後も「滅びゆく民族」といわれ、貧困と差別に苦しんだ。同化政策を進めた北海道旧土人保護法が廃止されたのはなんと20世紀末の97年だ。
 懇談会報告は「国の政策として近代化を進めた結果、先住民族であるアイヌの人びとの文化は深刻な打撃を受けた」「国にはアイヌ文化の復興に配慮すべき強い責任がある」と明言した。
 さらに「先住民族との共生は、国の成り立ちにかかわる問題だ」とも指摘した。国民一人ひとりが心に留めるべきことではないだろうか。
 これまでにも、アイヌ文化振興法などに基づく施策はあったが、民族の位置づけがあいまいだったため、福祉や文化面に限定された。北海道庁の調査では、道内のアイヌ人口は2万4千人弱だ。北海道大学の今年の調査では、アイヌの人びとの生活保護率は全国平均の2.5倍、大学進学率は半分だ。
 アイヌの人びとは道外にも住んでいるが、日本全体で一体何人いるのかさえ分かっていない。政府が調査したこともないからだ。
 差別や無関心は、次の世代でも新たな貧困と格差を生む。そんな悪循環は断ち切らなければならない。教育の場でも、アイヌ民族の歴史や現状をきちんと教えてきただろうか、と報告は問いかけている。
 アイヌ叙事詩の「ユカラ」は世界的に知られ、古式舞踊はユネスコの無形文化遺産候補だ。アイヌ民族は国連の「権利宣言」の制定に大きな役割を果たし、その呼びかけで各国の先住民族のネットワークも生まれている。
 報告は、先住民族としての土地・資源の利用についても「一定の配慮」を求めている。「アイヌ民族の日」の制定や、「民族共生の象徴」となる自然公園の整備も提言している。
 まず国会で、先住民族としてのアイヌの存在を明確に認める法律をつくることだ。そのうえで政府とアイヌ代表が協議する場を設置し、対等な立場で今後の政策を話し合うようにすべきである。
 先住民族が胸を張って活躍することで、国民全体が多様な価値観や文化を共有できる。こうした日本を早く築きたい。
http://www.asahi.com/paper/editorial20090802.html

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卓上四季 アイヌモシリ

2009-08-03 | 日記
(北海道新聞7月31日)
明治政府の目が東アジアに向かうのは、維新から間もない1870年代だった。朝鮮への侵略を図る征韓論が台頭し、最初の海外派兵とされる台湾出兵が行われた▼日中両国に従っていた琉球王国(沖縄)が、日本の単独支配になるのもこのころだ。「琉球処分」である。明治政府の威圧により、最後の琉球王・尚泰が首里城を明け渡す。現地では不服従運動も続いた▼琉球王国が、外務省管轄の「琉球藩」になるのと同じ年、北海道に「地所規則」「土地売買規則」がつくられた。アイヌ民族が狩りや漁をし、木の実や枝を得ていた土地の多くが国家のものになる。和人の移住者などに払い下げられてゆく▼入植は急増した。アイヌ民族独自の文化は否定され、日本化が求められた。こうした流れから、〈北海道「開拓」は(明治政府の)東アジア侵略の第一段階となった〉。北大名誉教授の井上勝生さんは、著書「幕末・維新」(岩波新書)で指摘する▼アイヌ民族への総合政策を示す有識者懇の報告書が出た。「同化政策でアイヌの文化は深刻な打撃を受けた」「圧倒的多数の移住者の中で被支配的な立場に追い込まれ」-ここにも書かれている▼アイヌモシリ(人間の大地)を奪った歴史は重い。文化復興に国の責任を認め、生活支援を求める報告書は当然として、それで十分か。「移住者」の流れをくむ者には、考える責任があろう。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/180132.html

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