赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『リジェクション』 佐藤まどか 

2016-10-13 09:47:34 | その他

釣り好きの親分におもしろいって聞いて読んでみた作品。表紙にもひかれました。
東逸子さんの装画かと思ったら、丹地陽子さん。雰囲気をだしています。


副題は、「心臓と死体と時速200㎞」
死体まで出てきちゃう、ミステリーな感じのハラハラドキドキのストーリーですが、しっかり成長物語にもしているところがさすが。あっぱれっていいたくなりましたよ。

佐藤さんはイタリア在住ということで、エキゾチックな雰囲気も魅力です。バイクで疾走するように早いテンポで話は進行するのですが、子供と大人のはざまの少女の揺れる気持ちが巧みに書かれていて、主人公アシュレイになりきってドキドキしながら読みました。

レトリックがうまい。自分の心情をクロワッサンで表現してみたり、スバゲッティで表現してみたり、語彙も豊富です。ちょっと甘い恋心も書かれていますよ。

リジェクションというのは、拒絶反応のことのようです。
心臓移植の用語のようですが、これがうまくキーワードとして扱われています。

那須田淳さんはドイツに住んでいるよさをいかして作品を書いていて、佐藤まどかさんは、イタリア在住ならではの作品を書かれる。児童文学もずいぶんとグローバルな感じになってきました。これから、もっとこういう方が増えていくのかもしれません。

先の工藤純子さんも佐藤まどかさんも、季節風で切磋琢磨したいるお仲間です。
お互いの活躍をいい刺激にされているのでしょうね。

さて、今日はわたしは朝から落ち着かない。
自作を語るの日だから。


今まで話したことのない切り口で、話そうかと思います。
ブックハウス神保町です。
どうか、よろしく!
あーあ、緊張するなーー。