第27回小川未明文学賞の大賞を受賞された藤村沙希さんが、受賞作でデビューされました。
『湊町の寅吉』です。
これは小川未明賞の地元も大喜びだと思います。だって、舞台の湊町は、新潟のこと。
江戸時代の新潟湊を舞台にした、時代物、エンタメ作品なのです。
これまでまとめるには、たくさんの資料をあったようで、参考文献もずらり。かぞえると25冊も。
選考委員のねじめ正一が落語を聞いているような語りテンポのいい作品と選評されているようですが、まさにそのとおり。
落語なら人情噺の部類になるでしょうか。
元気のいい寅吉にふりまわされながら、ときに笑い、ときにしんみり、楽しませてくれます。
藤村さんも新潟の方で、わたしとは実作通信でご縁がありました。
最初から書ける方でしたが、この作品を読み、「いつのまに、こんなにうまくなったの!」と思いましたよ。
これからも活躍されることでしょう。
今回はデビューにあたり、同人誌しおりのメンバーが準備してお祝い会をされるそうです。
祝ってくれる仲間がいるっていうのは、とてもうれしいことですね。
桜の咲く頃のお祝い会、とても楽しみです。