今年の日本児童文学者協会の協会賞も新人賞も贈呈式ができませんでした。すごく残念。せめて受賞作は読まないとと思い、新人賞の『一富士茄子牛焦げルギー』を読みました。
とてもよかった。一気読みです。途中で止められない。
関西弁のノリの軽妙な会話に笑い、シリアスな場面でしんみりし、そして、最後 夢の世界ですかっとする。
ほんと、男性作家らしい、型破りで豪快な作品です。それでいて、心理もしっかりすくいとっています。
絵本作家の方が書かれたということで、サイトをのぞいたら、ずいぶんと幻想的ですてきな絵です。活躍されてる方なんですね。
ストーリーはオトンの夢で願いをかなえてもらえることになり、餅が焦げなくなり、そのため、焦げるギーがたまって・・・・と書いたら、なんだかわからないのですが、ぜひ、読んでください。
オカンの突然の死をどうのりこえるかというのが、テーマにもなっています。悲しみの描写が心にしみます。うまいです。
なんか、泣けて泣けて
泣きながら、わたしは友だちの石川純子さんを思いだしてしまいました。
この春、突然、亡くなってしまって。病気だということは知っていましたが、あまりにも突然でした。ご主人も突然すぎるといってました。
関西弁の明るい石川さんには、ずっと励まされてきました。
いつも電話の最後、「赤羽さんもきばらなあかんでー。わたしも、がんばるから。」
といってました。
「ほな、おたがい、がんばりましょ。」なんてくちぐせ。病気でもうだめだとかいったことない。
「高齢出版がわたしの目標。いいでしょ。高齢出産じゃなくて、高齢出版なのよ。」
そんなこともいってたっけ。わたしったら、「しょうもな。」なんていっちゃって。
だって、もっともっといっしょに笑えるって思っていたからね。
なんか、今でも電話がなるたび、石川さんかなって思ってしまいます。そしたら話したいこといっぱいあるのに。
コロナになって、自粛だったこと、贈呈式もできないこと、いろいろ いろいろ・・・。
石川さんなら、なんていうか聞きたいです。
悲しすぎて、考えないようにしていたのですが、この本を読んで、ちょっと泣いて、少しだけ整理できたような気がしました。
きっと、この作品、石川純子さんも好きだろうな。
だって、なんでも明るく考えるから。
と、ちょっと余計なことも書きました。たまには、こういう日も・・・・。
ヤマボウシの白い花が、きれいです。天国からも見えるかな。