村上雅郁さんの新作がフレーベル館から発売されました。
若い人から指示されている、人気作家さんです。また、児童文学の中では、数少ない男性作家になります。
不思議な出会いと喪失が、やわらかな表現で書かれた作品。ifは、イマジナリーフレンドのことのよう。子どもの頃とかに一時的にその子の友だちとしてあらわれる存在。
児童文学ではよく扱われた題材です。
でも、今回は、そこからさらに、不思議は発展していきます。
まず、おどろいたのは、中盤。ネタばれになるので書けないのですが、え、え、そうなの!!!、どういうこと?という驚きの展開があります。
ここはほんとぎょっとしました。
その謎解きに、夢渡りというものが使われるのですが、多少、こじつけに思えるここを、作者の友だちを思う強い気持ちに後押しされてみごとに書き切っています。
このあたり、作家としての実力がついてきましたよね。
でも、わたしは最後の三〇ページがいいと思いました。
友だちとの関係をもう一度考えようとする香奈多に心が熱くなりました。
とはいえ、村上さんは若い作家。
ただいも(←ただいま、のこと)とか、いもいも とかいうノリは、時々、わたしはちょっとついていけない…… (ごめんなさいね)
でも、それが今の中学生のリアルで、だからこそ、多くの人に支持されるところなんでしょうね。
読み終わったあと、頭がやわらかくなったような気がしました。
フレーベル館から絶賛発売中です。
また、わたしの本もついでによろしく!
紀伊國屋書店、国分寺店で平積みにしていただきました。ありがとうございます。